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#認知症

6/26 気になった記事(健康な人の能力を低下させるスタディドラック、「社会的孤立」は認知症リスクを高める)

6/26 気になった記事(健康な人の能力を低下させるスタディドラック、「社会的孤立」は認知症リスクを高める)

スタディドラッグは健康な人々の問題解決能力を低下させる(The Economist)Study drugs make healthy people worse at problem-solving, not better というThe Economistの記事から。

アメリカではアデロール(デキストロアンフェタミン)やリタリン(メチルフェニデート)と言ったスタディドラックが日常的に用いられていま

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補聴器が難聴に伴う認知症リスクの上昇を抑制する可能性 - The Lancet

補聴器が難聴に伴う認知症リスクの上昇を抑制する可能性 - The Lancet

Hearing Aids May Protect Against a Higher Risk of Dementia Associated With Hearing Loss という論文ニュースから。元論文はThe Lancet Public Healthに掲載されています。

補聴器の使用が認知症リスクを低減する可能性UKバイオバンクの437,704人のデータを調査。研究参加者の募集時の平均年齢

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見るだけで脳の老廃物を洗い流してアルツハイマー病予防になる可能性

見るだけで脳の老廃物を洗い流してアルツハイマー病予防になる可能性

脳の老廃物を洗い流すGlymphatic Systemリンパ液はカラダの老廃物を洗い流す重要な役割を担っていますが、このリンパ液に代わり、脳脊髄液が脳などの中枢神経の老廃物を洗い流しています。

この仕組をリンパ液の老廃物除去の仕組みであるlymphatic systemになぞらえて、Glymphatic Systemと呼びます(老廃物の排泄にGlia細胞の一種、アストロサイトが関わっていると考え

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マグネシウムを毎日多めに摂取することで認知症が抑えられる可能性

マグネシウムを毎日多めに摂取することで認知症が抑えられる可能性

A Higher Dose of Magnesium Each Day Keeps Dementia at Bayという論文ニュースから。

1日550mg以上のマグネシウム摂取で脳の若さに差が出る認知症はオーストラリアで死因第2位、世界で第7位の健康リスクです。世界中で認知症と診断される人の数は2019年時点でも5,740万人もいますが、2050年には1億5,280万人と3倍弱に増加する可能性が

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高齢者の「脳の白質」は若年者脳よりも若い?

高齢者の「脳の白質」は若年者脳よりも若い?

視覚知覚学習(VPL=visual perceptual learning)によって、脳の白質(軸索と呼ばれる神経細胞から伸びる長い突起が集まった脳の領域)については若者よりも高齢者の方が変化が大きいことが分かりました。

ただし、これは高齢者の脳の方が若いというよりは、他での低い可塑性を補うために結果として白質の可塑性が高くなっていることが原因かもしれません。

詳しくは White matte

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年老いた脳も鍛えることはできるのか?

年老いた脳も鍛えることはできるのか?

脳卒中患者のリハビリに見る脳の可塑性(かそせい)神経出血や血栓によって脳の特定部位に永久的な損傷を受けた脳卒中の患者さんは驚くべき脳の回復力を見せます。

このことは、脳損傷後にリハビリテーションを行ったラットとそうでないラットを比較した実験でも、リハビリテーション群の方が大脳皮質の運動野において、より複雑な運動パターンが出現することからも証明されています。

90日間のジャグリングトレーニングで

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認知症につながる高齢者の難聴

認知症につながる高齢者の難聴

Hearing Loss Linked to Dementia in Older Adults という論文ニュースから。

70歳以上の2/3が難聴になっているアメリカアメリカでは70歳以上の3分の2が難聴に罹患しています。日本の場合も65歳以上の半分、1,500万人が難聴です(note:高齢者が騒がしい環境で言葉を聞き取れない理由)。

難聴の程度が大きい高齢者は認知症になる可能性が高いジョンズ

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