あともう一つ忘れてしまうこと〜カテゴライズ問題〜
どうも!開き直って言います!
酒ラテ(๑•̀ㅂ•́)و✧始めます〜。よ!
「酒リテじゃないの…省略すると…?」というご意見はもう受け付けませんよ〜!
酒ラテだよ〜!
前回は日本酒をカテゴライズすることによって生まれる難点についてお話したのでした。
本来分類できないものを便宜的に分類しているにもかかわらず、その分類が定着するとかえって「えっ、このカテゴライズあてにならなくね?」ってなる問題。
(詳しくは前回の「カテゴライズ問題」をご覧ください)
今回はですね、カテゴライズによって忘れ去られてしまうこと第二弾です。
私が体験した、そしてみなさんも体験したことがあるかもしれないあるあるシチュエーションでお伝えしようと思います。
〜とある酒屋にてA子、B美、C太郎、D介が飲んでいる〜
A子「久海乃梅(その土地で有力な?辛口酒とします)がある!頼もう!」
B美「いいね、たのもたのも。」
C太郎「おー、久しぶりじゃんこれ。」
D介「なんだかんだ好きだよなぁ、みんなそれ。」
(久海乃梅が届き、みんなに注がれる)
A子「やっぱこれよね〜食べ物寄せ付けないくらいもう…キリッとしててさあ!」
B美「あ、さっき食べた淡い白身魚の刺身と合う!」
C太郎「旨味の強い辛口だな。」
D介「…(みんなの表情を見つつ二口三口すする)」
A子「これのベストはキンキンだね!やっぱこれ!伝統の辛口!」
B美「温まっても旨そう。」
C太郎「カンパチのカマの脂っけと最高だわ。」
D介「ねえねえ。」
A、B、C「ん?????」
D介「これ微妙に甘くね?割と口に残るんだけど。あと食べ物なら煮付けがいいやこれ。生姜醤油とみりんのやつ。」
A子「えーーーーうそだ!ないわぁーそれは!」
B美「甘いって、香りがじゃなくて?」
C太郎「こんな旨味が濃い甘口があるわけ無いだろ!」
D介「いや、んなことないでしょ」
A子「…D介酒飲みすぎて辛口わかんなくなったんじゃない?」
B美「んー、辛いよねえ、これは。」
C太郎「カンパチのカマと甘口が合うか?!」
D介「(酒ひとすすり)やっぱ甘い…(小声)。」
D介「(俺、味わい方間違ってるのかな…)」
〜終〜
…はい。
下手な寸劇文にお付き合いいただきましてありがとうございます(笑)
これはまあ極端に状況を操作した例ですけど、似たような状態に陥ったことのある人はいませんか?
例えば百貨店や酒販店での試飲販売してる蔵元のところで「これがウチ自慢の辛口です!!」と言われて試飲をしてみたら
辛…むしろ甘くね?!Σ(´∀`;)
ってなったこととか。うん。
ないですか???
多分あると思うんだよなあ(笑)
まあ皆さんあると仮定して話をすすめます。
この場合、
寸劇中のD介や、試飲販売で蔵の方の意見とすれ違ってしまったあなたは「間違って」いるのか???
そこが問題です。
ここで問題をややこしくしすぎないほうが得策かと思います。ですので結論から言います。
間違ってません。
というのもですね。
「辛口」と冠されたそのお酒の成分はABCDどれに注がれたものも全く同じなんですけど、ABCDそしてわたしと、あなた、彼と彼女の
味覚は一緒じゃない!!!!!
これはカテゴライズが見せる幻影だと思うのです。
「辛口」と書いてある酒は辛い。
誰が飲んでも辛い。
で、行き過ぎるとこれを飲んで「甘い」ってやつは「間違っている」…。
そんなふうに自然と見てしまうと思うのです。
でも繰り返しになりますが、その人の経験及びコンディション、先入観、どの味にどの言葉をあてるかっていうラベリングの違いなどなどで
味覚(及びそれに付随した各人の味の表現)って変わりますから!!!マジで。
そもそもですね、一枚岩っぽく描かれてるA子、B美、C太郎の発言をよく見てください。
みんな「辛口」VSD介「甘口」みたいになってますけど。
A子が「料理を寄せ付けない」って言ったあとにB美は「淡い白身の刺身と合う」っていって、C太郎は「旨味が濃い(白身の味と果たして合うの?!)」って言ってます。
さらに「冷酒がベスト」っていうかと思えば「燗がいい」っていう人もいる。白身の刺身と合うと言われたかと思えば「カンパチのカマ」とかでてくるし(温度も塩気も油っ気も薬味も違う!)。
こいつら一体感出してるけど、本当におんなじ感想持ってるか…?!
って考え出すと止まりません。
会話から察するにA子は相当クラシックな酒党っぽいし、B美はこのお酒の「香りは甘い」と認めているし(味の甘みと香りの甘みの違い。甘い香りで「これ甘口だ」って判断する人もいるかもしれませんね)、C太郎の言葉の内容を深読みすると「お前それどっちかっていうと『濃くて甘めな酒』を『辛口』って読んでるだけじゃないのか!?」ってなる。
…ふぇい、あげるときりがないネ。
とにかく。
「辛口」という言葉(カテゴライズ)が彼らの味コミュニケーションを阻害しています!!!
いいですか、味覚は(およびそれに付随する感想の言葉は)人によって違うのです。
それを忘れるとD介のような「(´・ω・`)ショボーン」なこが再生産されていってしまいます。
それは酒文化にとって非常に大きな損失なのです。なぜなら酒文化は偉い人だけがつくるのではなく、街場の酒飲み一人一人が作るものだからです。
少し着地点が分からなくなりましたが、要点は一つ。
味覚は人それぞれ。カテゴライズに惑わされるな!
です。
では飲み会に行ってくるのでまた明日っ!(๑•̀ㅂ•́)✧
酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。