コラムだか戯言だか026・旅の始まりは
とうとう6月、九州の方からは「梅雨入り」の便りも届いてくる今日この頃。こちら名古屋の天気も余り芳しく無くなってきてます。
旅。良い響きですよねぇ。出掛ける前も、旅行の計画を組むだけでワクワクしてくる。そんな旅の始まりの「さあ行くぞ!」と言う実感が沸くのがキップ。
改札口でキップにスタンプをポン(私の年代ですと、キップにハサミを入れるとですが)。窓口で「〇〇まで大人1枚」と言うと、ボール紙のキップを棚から引き抜き、日付を機械で「ガチャン」と入れて貰う。
その行為だけでもワクワクして来たモンです。
まあ今では新幹線でも「ピッ!」で済んでしまうし、ヒコーキや高速バスなら、スマホの画面のQRコードを読ませるだけ。
昔に比べれば便利ですが、なんとなく味気ない。今の子供達だと下手すると「キップ」を買った事すらないとか?物心付いた頃から「ピッ!」しか知らないって言うことでしょうね。
うん、ちょっと寂しい。
クラシックな表現なんだが、1枚のキップに色んな思いを詰めていたから、旅の印象ってのが深かった様な気がする。初めての一人旅でも、キップを無くさない様にずっと握りしめていたり、使用済みのキップを見る度に思い出を振り返ってみたりとか。
いずれは何処へ行くにも「ピッ!」だけしか無い様な世界が来る。ソレを望んでいるのも事実なんだが、同時に色んな触れ合いがなくなって行く、寂しさも感じる。
窓口でキップを買う。
改札でキップを見せる。
車内検札で車掌がキップを確認する。
今のコロナ禍では「接触」なんてとてもとても、と言うのも判る。だが人間である以上、人同士のちょっとした触れ合いも大事にしたい。