「思った通りの仕上がりにならなかった…」どうして無くならない?ーお客と工事業者のリフォーム工事の認識の違い。
昔、自分が投稿した記事があったので、それを再投稿。記事も拙い部分がありますが、見ていただけたらと😅
いつになっても、リフォーム工事のトラブルというものは無くならないもんだなぁ…と、他社のトラブルを耳にすると、毎度そのように感じます。実際、私自身、過去には相応のお客様とのトラブルも経験してきまして、いろいろと学んできたわけでありまして…。ただ、その中で、実際にそれを回避するための決定的なポイントは「ここにある!!」ということも理解しています。
では、どこに、そのポイントがあるのか…
そもそも、購入時には、まだ商品になってない!ということ
一般的な工業製品などと違い、建築のリフォーム工事の場合は、購入を決定した「契約」の時には、まだ商品(リフォーム後の状態)というものが世の中に存在してない状態なわけなのです。車、洗濯機、洋服、食料品などは、目で見て、実際に触ったりなどして、状態を確認してから購入をしますが、リフォーム工事の場合は、購入をしてから、さぁ、今から作っていきます!という流れなのです。
なので、どうしても、見えてないものを想像し、お客も工事業者も、想像しながら作っていくわけです。もちろん、工事業者は今までの経験があるので、大体の想像をつけて工事をすすめていくわけです。しかし、お客は想像をつけても、その想像が、現実に仕上がる状態に近いかどうかは、出来上がるまでわからないわけです。これがとても危険!!現実に仕上がる状態よりもずっと高いイメージを想像していれば、仕上がったときの状態が納得いかないことも。そんなときに「言ってたことと違うじゃないの・・・」ということにも発展してしまいます。
工事業者とお客で、「言葉」で共有できていたつもりでも、「頭の中身のイメージ」は、まったく違うことが多々あるものです。
リフォームはすべてが一品物!そして、施工も一発勝負!
リフォーム工事はすべてが一品物(いっぴんもの)。その家々で、間取りも違えば、使っている材料も違う。そのために、リフォーム工事となっても、違ってくるわけです。しかも、お客の要望も違うので、毎回の工事が、「特注品」になってくるわけです。これが非常にトラブルを生む種・・・。
自動車や家電などと比べると分かりやすい。市場に出回っている工業製品は、何度も試作品を作り、耐久試験などを経て、合格した製品を大量生産して世に出てきます。なので、我々が店舗などで見ている商品は、失敗を繰り返してきて、完成された物。関係してきた人々の経験が蓄積された成功品を見ているわけなのです。それに比べて、リフォーム工事の場合は、その場で実験をしながら成功品を作り上げるようなもの。
そこで必要な能力が「職人の経験」。熟練した職人の場合は、今までの経験をもとに、初めてのケースでもなんなく工事をしていきます。もちろん、工事までのさまざまな確認などは必須になりますが。
ただ、職人不足が叫ばれているなか、なかなか気の利いた、技術をもっている職人が少ない状況です。良い職人さんに工事をやってもらえれば、安心ですが、金額と工期を考えると、難しい状況です。まさにこれは、今、業界が抱える悩みですね。
一生に一度かもしれないリフォーム。だから施主も経験が不足
じゃあ、発注側のお客様がしっかりしていれば、リフォーム工事は無事に終わるのか? まぁ、これは現実的ではないですね。そうなのです。お客様も、「工事を発注する」ということに不慣れなんです。なので、何をどう伝えたら良いかわからない。気を付けることは何なのかすら、まったくわからないという状態。だから、トラブルが起こるわけなのです。
例えば、スーパーに魚を買いにいったら、「あら、形が悪いわ」「色が悪いわ」「消費期限ぎりぎりだわ」といって、普段の買い物に慣れているからこそ、間違った買い物をしないように注意することができますが、リフォーム工事の場合、お客の経験が不足している状況なわけです。なので、気を付けようがない。となると、どうしても、工事業者頼みになってしまうわけなのです。
窓口となる営業・現場監督と実際の職人は違う人。伝言ゲームで、お客の「心」「要望」が本当に伝わってないことも
工事の場合、大工さんがすべてをやるわけではなく、いろいろな職人さんが協力して、ひとつのリフォームを仕上げていくことが一般的です。大工、クロス屋、電気屋、塗装屋、そして、それを管理、指揮する現場監督。さらに、最初に窓口となってお客の要望を聞いた営業の方もこれに加わると、かなりたくさんの人が携わっています。様々な作業を一人の人間がすべてやれることは理想ですが、それぞれの職種で一人前になるためには、相応の年数が必要になるわけです。職種によっては資格が必須なものもあります。そのため、どうしても建築業界では職人が分かれてしまうわけです。これも、リフォーム工事のトラブルになる種の一つ。
営業がお客から聞いた要望内容を(そもそも、ヒアリングの段階で、しっかりとお客様に寄り添って、聞き出せてないこともあるが・・・)、しっかりと現場監督、現場の職人に伝わっているかが大事です。お客と直接接した人からの情報で、現場は計画、準備され、工事が進んでいきます。この情報伝達が間違っていると、お客の意図しない方向へ進んでいってしまいます。まさに、伝言ゲームの状態なのです。
工事は、じっくりと相談・打ち合わせを!
これらが、リフォーム工事のトラブルの裏にある、根本的な理由になっています。では、どうしたらトラブルを防げるのか?
やはり、じっくりと打ち合わせをしていくことが大事になります。時間をつくり、しっかりと工事業者と打合せし、要望を伝え、納得できないことがあれば、しっかりと説明してもらうことでしょう。また、工事が始まった後も、現場にきている職人、現場監督とコミュニケーションを直接とることで、自分の要望している内容がしっかりと進めてもらっているかを確認することもできます。
ずっとお付き合いする家だからこそ、「自分事」であると認識して、工事をすすめていくことが大事です。工事業者にまかせっきりだと、非常に危険!リフォーム工事は大きな買い物なので、失敗すると、人生にそれなりの傷を負います。とっても労力のかかることですが、覚悟をして、進めていくことが必要です。
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