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そのビジネスモデルは「健全」ですか? 住宅点検業務から見えたもの

私がスタートアップに関わっているならではのことなのですが、「そのビジネスモデルはちゃんと成り立つのか?」を考える機会が多くなりました。

その中で、

もともと既存の事業として行っている「住宅の点検業務」から、私が感じて、思ったことを。

ビジネスモデルが成立するための要素は「需要」だけ??

ビジネスモデルを考え、構築していく際に、一般的には、「継続的に市場はあるか?」「だれのなんの課題を解決するのか?」「キャッシュポイントはどこか?」などを、さまざまなフレームワークなどを使って探っていきます。

ビジネスとして成立するかどうかの最低限のポイントは、「ニーズがある」「課題が解決されて、キャッシュを生み出す」の2点だとは思います。

ただ、もちろん、そんな簡単には構築できるわけでもないですよね。

昨今ではリーンスタートアップが模範的ではあるわけなんですが、まずはMVP(本当ににそのニーズがあるのかを確認するために使う「最小限、最低限の製品」「最低限サービス」のこと)を作り、それを使ってビジネスが成立するかの検証を何度も繰り返し、丁寧な作り込みを重ねていくことで、そのビジネスモデルが成熟、成立していくんですよね。

なので「課題を発見した!ニーズがある!」となっただけで、すぐにビジネスモデルを構築できるわけではないわけですよね。

ビジネスモデルの「健全性」はいかに?

とは言いながらも、

「課題がある!」→「解決できる方法を提供できる!→「お金も払ってくれる!」となれば、最低限でのビジネスは成り立つわけです。

でも、それが、果たして「健全であるか?」は別の話です。

最近、この、「健全性」について、深く考えることがあります。

…それは、私が業務委託として関わっている、ハウスメーカーからの「住宅定期点検」の業務をこなしている中で、感じたことです。


私が関わっている「住宅点検」は、それ自体はとても重要なことで、特にハウスメーカーが行っているアフターサービスとしての定期点検(築1年、2年、5年・・・と定期的に住宅の状況を確認、記録をとって、不具合などは、そのハウスメーカーに報告する業務)は、必然であるとも感じています。

ただ、点検業務の中で一番やっかいな案件は、「点検で発見した不具合の修繕工事もついでに請け負ってくれ!」というもの。こういうことを求めてくるハウスメーカー様がいるのです。

確かに、その工事がこちらでできるならば、普通に、需要と供給は成立しており、ビジネスは発生するのです。

ですが、これが本当にやっかい。

どんなことが起こっているかと言うと。。。

ハウスメーカーが作り上げた不具合事象(施工の不備)を、外部(点検会社)に任せとけば良い!という風潮がそのハウスメーカー内に作り出されてしまうと、そのハウスメーカーの施工のレベルがどんどんと下がってしまうという、自省のないものになってしまうんですよね。。。

自分のケツを自分で拭かなくなるので、どうしても、そうなってしまう。ケツの拭き方も忘れてしまう。

さらに、施主も勘違いして、不具合事象が直らないことを、ハウスメーカーに怒るのではなく、直してくれないその点検会社を責めるということが生じてしまっているという悪循環に。

もちろん、施主にもハウスメーカーにも、毅然と対応していくわけなのですが、我々側としても、どんどんと疲弊してしまう状況があります。

ビジネスを考えていくには、こういった、「健全性」を考えて、構築しないといけないと、本当に思うわけです。

ビジョン、ミッション、バリューに照らし合わせて

だからこそ、会社のビジョンやミッション、バリューがこういった時に、大事だなと思います。

請け負う業務や、顧客に提供できる業務範囲、提供するサービスの性質などは、ビジョン、ミッション、バリューに照らして考えていかなければいけないです。

会社や構築しているビジネスモデルを健全な状態で維持していくためにも、会社の考え方の骨組みをがっちりと立てて置かないと、寿命が短く、内部の人間が疲弊してしまうようなビジネスモデルを作り上げてしまうわけなんですよね。

「需要と供給」だけに流されていては、健全なビジネスモデルは作り上げられないわけなんです。

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