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「F1カーとドライバー」 事業も同じ

車の運転とその運転者の技量。そして、事業と筋トレ。そんな話です。


運転の資格はありますか?

数年前に、F1ドライバーの山本左近さんの公演を聞いたときのこと。その時に上映されたあるシーンがとても印象的でした。

「F1カーに、一般人が乗ったらどうなるのか」

上映された映像というのは、前後2人乗りのF1カーにおいて、前にはプロのドライバーが乗り、後ろには一般の方が乗って、サーキットを走り、その一般の方が乗っている時の状況を撮影したものでした。

どんな状況だったかというと、サーキットを走る間、その一般の方は、車が加速した時は背もたれに全身をもたれかけ、減速した時は、前の席に頭を打ちつけ、カーブを曲がるときは、サイドに頭を打ちつけという繰り返し。車の動きに振り回されて、頭を四方に打ち続けている映像でした。

もちろん、ヘルメットを被っているので、その方が、大きな怪我をすることはないのですが、後日、すさまじい筋肉痛と上半身の痛みが発生するとのことなんです。

山本さんがお話しされるには、これこそがF1がまさしくスポーツだといわれる所以がよくわかる映像だと。ドライバーは単純に運転技術だけを磨くのではなく、身体を鍛えないと、正常に運転ができないのだと言われてました。首にものすごいGがかかるため、首を正常に保ち、前を見つめ続けるためには、相応の筋力トレーニングが必要なんですね。

事業運営は常に筋トレ!

最近、事業の運営、経営についても同じことが言えるなぁと、この出来事を思い出すことがよくあります。

スタートアップ経営の中で、果たして、今までの経験がどこまで有効なのか。さらにどの程度勉強、学んでおく必要があるか。どのくらいの学びのスピードを要求されるのか。効率良い学びは何か。表面的な知識だけではなく、人とのしての技量は、今の状況でどこまで周りに許容していただけるのだろうか。など

これから事業を伸ばしていきたくても、今までの筋トレが足りなかったら、成果も、当たり前ですが相応のものしか得られないですよね。

事業は子供みたいに「自立までお世話」が必要

ところで、私、時々思うことがありまして、「事業」は、ある意味、人格みたいなものを有していて、担い手を選ぶ権利があると思っています。

もちろん、発起となる人の意思はかなりそこに込められているからこそ、その発起人によるハンドリングも十分大事な要素ではあります。

ただ、その先には、ある程度の事業自身の「自立」があります。そこまでには、本当にさまざまな人の協力が必要です(自立の定義に関しては、感覚的なものなので、また、別途協議しましょう😅)。

では、経営者、特にCEOがどの程度、事業の成長に力を添えられるか?

誰に託すか?どう託すか? そして、本当に必要な力は…?

さてさて、運転技量・筋肉と車の話に戻ります。

車を適切に運転し、結果を出すには、運転手の技量が必要なわけです。その車が、F1のような車で、サーキット場を走るなら尚更です。スタートアップって、まさにそんな状況だろうなって思うんですよね。

そのために、今までの筋トレ量が足りないなら、運転がしっかりできないんですよね。

事業を進める場合、自分の技量を適切に理解するとことはとても大事です。もちろん、進んでいくときは、時に背伸びすることも大事な場面もありますが、真実はかえられないので、自分の技量を正確に把握しておくことは大事です。

そして、それを理解できて始めて、託すところは託し、自分じゃないと担えないことは、そこをしっかりと理解して進めることができるなるなって。

そこは、株の保有率に関しても同じだなって。可愛い子には旅をさせろというように、自分の技量に見合う子でない場合は、自分が囲い込んではいては、大きく成長ができないですよね。

自分の成長とともに、事業を進めていくために、「だれとともに歩んでいくか」「だれにどのくらい託すか」。

そして、「託す覚悟」。

これこそが、事業をハンドリングしていく上での本当に必要な技量だとも思うのです。


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