3月7日(火)『怒られた』

怒られた。

始めたてのバイトで怒られた。

お昼頃にバイトの先輩とお喋りをしていた。啓蟄の話とか母校の話とか多少は話が弾んでいた。次の担当するラジオ番組まで時間があったので近くの図書館で時間を潰した。

そして時間が近づいたので、バイト先に戻るや否や社員さんに「さっきうるさかったって?」と。「は?」と思った。話を聞いたところ、先輩と喋ってた時に近くにいた事務員さんがうるさいと思っていたらしく、そのことを社員さんに伝えてたらしい。ぼくが戻った時には既に事務員さんはいなくて、社員さんだけ。2人だけの空間で怒られてしまった。めちゃくちゃ落ち込んで激萎えした。楽しく喋ってただけなのに。うるさかったと。反省した。

しかしその猛攻は止まることをしなかった。

『さっき喋ってたことはラジオでは話さないでね』と。『は?』と。個人的には結構弾んでいたし、広げれそうだったのでそれでいこうと思っていたが、その想いは砕かれた。それもコミュニティラジオであるため情報発信に重きを置こう、リスナーが置いてけぼりになるのだけはダメ、という。コミュニティラジオはキー局やネット局とは違うものだとわかっている。しかし、楽しく喋ることでその人の”にん”は発信されるのではないか、2人の会話聞いてて置いてけぼりになることなんてあるのか、普段深夜ラジオを聴いているぼくはまったく意味がわからなかった。

激萎えして、40分前にラジオブースに入り、ヘッドホンをして、その間流れている音楽を聞きながら、何を喋ろう、どうしようと頭を抱えていたら、気を使わせたのか社員さんが入ってきてフォローされた。慰められた。ちょっと泣きそうになった。そんな自分が情けなくて不甲斐なかった。『気を悪くしたならごめんね』と何度も言われ、確かに気は悪くしたけど、『いえいえ、ぼくが悪いんです』としか言えなかった。

言われたことがわけわからないから詳しくもう一度聞いたら『放課後の会話じゃダメ』と言われた。じゃあ無理じゃん。今まで放課後の会話しかやってこなかったのにそれを封じられると何も残らない。むず過ぎる。コミュニティラジオむず過ぎる。想像を遥かに超えていた。なめてた。ぼくには合わな過ぎると。やりたいことができないのではないかと。いやそれはもう確定ではあるんだけど。それでも頑張って1時間番組を先輩とやりきった。

番組を終えてブースからでると、社員から『良かったよ〜』と。『あざます!』と。『1人喋りのほうが向いてる』と。『は?』と。怒られた時に喋ってた啓蟄の話を喋ったのに褒められたのはここだけの話。よくわからん。

今回は明らかにぼくの勉強不足だった。深夜ラジオしか聴いてこなかった故の猛省。もっと朝とか昼とか夕の番組も聴かないといけないと思って、アルピー平子さんの朝の番組をradikoで再生した。すぐ深夜番組に切り替えた。

この試練を乗り越えた時、ぼくは”ラジオスター”の”ラジ”くらいにはなれているのかもしれない。


怒られるのはやっぱり嫌だなと思ったそんなある日。

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