スポーツと行政 前編

みなさんこんにちは
Ryoです。

今回はプロスポーツチームと、
行政(国や都道府県、市区町村)の関係性について、
具体的な例を基に考えていきたいと思います。

長くなってしまうので、
今回は問題提起編として、例の詳細を書きます。
次回は僕の「プロスポーツチームと行政はどうあるべきか」を書こうと思います。

ふたつに別れてしまいますが、
是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。

今回僕が取り上げる具体例は、

北海道日本ハムファイターズ2023年本拠地移転

です。

2018年11月5日
北海道日本ハムファイターズは、
現在の本拠地「札幌ドーム」に変わる、
新本拠地球場を北海道北広島市に建設することを発表しました。

2016年5月24日北海道日本ハムファイターズの本拠地移転計画が突如表面化しました。

しかし、実際には球団と行政の交渉は2012年頃まで遡ると言われています。

当事者となったのは、
・プロ野球チーム 北海道日本ハムファイターズ
・札幌市
・運営会社 札幌ドーム
・Jリーグ コンサドーレ札幌
・北広島市
の5つです。

この5つの立場の当事者がそれぞれどのような立場であったのか、
この先時系列に沿って詳しく話したいと思います。

注:Ryoはファイターズの本拠地移転に賛成、札幌市・札幌ドームの対応に批判的な意見を持っているので、偏りのある書き方になっている可能性もあります。

僕の書き方が分かりにくい場合はこちらのサイトを見ていただけるとわかりやすいと思います!!
https://junabroadinfo.com/sports/hokkaidoballpark/

2004年北海道日本ハムファイターズは東京ドームから、
北海道札幌市にある札幌ドームに本拠地を移転しました。

札幌ドームは第三セクターの株式会社札幌ドームによって運営されています。
そして、その株主は札幌市、北海道新聞、北海道電力などです。

ファイターズは年間利用料として、
約9億円支払っています。
しかし、それは来場者数が2万人までは定額ですが、
2万人を超えた場合1人当たり数百円の追加料金が発生していました。

加えて札幌ドームは、
Jリーグコンサドーレ札幌の本拠地でもあり、
その試合開催のためにかかる、
フィールドシート等の撤去・設置にかかる費用や、
清掃、警備代等で約15億円もファイターズは札幌ドームに支払っています。

さらに!
札幌ドーム内の広告掲載も2億5000万円で買い取っていると言われています。

これらを合わせると年間総額約26億円となり、
これは先日の年俸総額とほぼ同じ数字なります。

まだまだあります!!
ドーム内で売られている、
食品やグッズ等の収益も大半を札幌ドームに吸い上げられています。

続いて、札幌ドームのハードについてです。
札幌ドームは人工芝と天然芝を入れ替えることが出来、
また人工芝を剥がせばコンサート等のイベントも開催が出来ます。

しかし、そのため薄い人工芝の下は硬いコンクリートになっており、
その上で長年プレーすることは故障の増加に繋がるとも言われています。

さらに、観客席の最大傾斜は29度とかなり傾斜がきつくなっています。

これらのことから、
ファイターズは2010年代前半から札幌ドーム・札幌市に、
指定管理者制度を取り入れるよう要望を出したり、利用料金の値下げ、人工芝の変更等を提案していたそうです。

しかし、2016年札幌ドームは球団の提案を拒否して、
利用料金の値上げを行いました。

ファイターズは親会社にあたる食肉加工業の日本ハムによる年間約30億円の資金援助によって黒字を維持している中さらに値上げをしたのです。

しかも、同じく札幌ドームを利用している、
Jリーグコンサドーレ札幌には、ファイターズよりも格安の料金で利用してもらっているのです。

これらのことをきっかけにファイターズは、
札幌ドームが協力してくれないなら、
自ら自前の球場を建て、スタジアムのみではないボールパークを創ろうとなったと言われています。
実際に球団幹部が以下のような発言を残しています。

「球団は札幌ドーム側に、球場を継続的に使えるフランチャイズ契約をお願いしたが拒まれた経緯があります。

施設と球団のやり方が違っては充実したファンサービスは難しい。

だから自前の球場が必要です。」

引用元:2017年12月5日 北海道新聞 朝刊「地域の話題」15面

新球場建設が発覚した、2016年5月。
札幌市は慌てて
・札幌市
・札幌ドーム
・北海道日本ハムファイターズ
・コンサドーレ札幌
の4者による札幌ドームの今後について協議しましたが札幌市秋元市長はここで驚きの提案をします。

札幌ドームの野球専用化を提案したのです。コンサドーレ札幌はホームゲームの半分を札幌ドームとは別の道内競技場を利用しているからこその提案なのでしょうが、
それまで胡座をかいていた行政が突然サッカーを追い出して、野球専用化は無謀ですよね。

しかも、この場ではあくまでも札幌ドームについての協議だとしてファイターズは新球場建設計画については一切触れませんでした。

そして、ファイターズは自治体の候補地の提案をお願いしました。
そこで登場したのが北広島市です。

翌月には構想をまとめ、ファイターズに提案しました。

対する札幌市は、翌年2017年4月に見切り発車で月寒ドームと北海道大学を正式提案するも、
ファイターズに断られ。
真駒内公園を球団から逆提案される形になりました。

そして2018年3月に何度目かの協議が終わり、
北広島市に新球場建設が本命となった中、
協議後にファイターズ幹部は、

これまでのやり方が良かったか悪かったかは、新球場ができてからどう評価していただくかで決まると思う。質問をくみ取って答えるなら、そもそも15年にわたって札幌ドームでお世話になってきた中で、当然いきなり新球場の話が出たのではなく、それまでの間に顧客サービス改善や選手目線の改善をずっとお願いしてきたし、大きな問題としてはフランチャイズ協定を結びたいと過去から話してきた(が断られた)中での今回の話なので、過去こちら側の努力も含めてですけど、できなかったから超えられなかったからこうなっているいうところも否定できない。札幌市が悪い、ドームが悪いではなく、心を動かすことのできなかった球団のやり方についても、反省がないとは言えない。

このように述べています。

札幌市・札幌ドームはファイターズは札幌ドームから出ていかないと、
腹を括っていたのではないでしょうか?

しかし、球団は札幌市・札幌ドームに対して度々要望を重ねていたのを反故にされました。

プロスポーツチームと行政の関係性が悪化したことで、
プロスポーツチームの本拠地移転が決まってしまい。

地元札幌市民は直ぐに行けた札幌ドームから、
わざわざ北広島市まで行く必要が生じました。

皆さんはこの例からどのようなことを考えますか?

僕の意見は次回のブログで書きます。

今回も長くなってしまい申し訳ありません。
次回もよろしくお願い致します!!

Ryo

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