都内社会人男のぼやき#6「嘗ての寂しさとのお別れ」
彼女ができた。
とは言っても恋人関係になったのは昨年の夏のお話なので、かれこれ7ヶ月ほどの月日が経とうとしている。
彼女ができてから、自分のライフスタイルがガラリと変わった。
独り身だった頃の僕の私生活といえば、一人で喫茶店に行き本を読む、映画館やサブスクで映画を観る、アニメを観る、出掛けては買いもしないレコードをタワレコで見るなどとにかく一人で出来る趣味に時間を割くというものだった。
これは友達も少なかった大学時代における、僕なりの時間の過ごし方の延長線だ。
先述した通り、彼女ができてから私生活が変わった僕なのだが、上記のような独り身時代の過ごし方をほとんどしなくなってしまった。
これに気づいたのは彼女と付き合い始めてから、1ヶ月経とうとしていた時だった。
日曜日は基本的に彼女とは過ごさず、自分一人で過ごす日にしているのだが、気づけば一日中ベッドの上でYouTube見たり音楽やラジオを流したりしてダラダラ過ごしていた。
かつてあんなにも夢中になっていた映画や小説に触れる気が全く起きないのだ。
何故だ?
そう思った。そして考えた。
思ったより結論はすぐに出た。
これまでの僕は、ずっと埋めようのない寂しさに囚われていた。
それは、人からの愛だったり、ありのままの自分を認めてほしい承認欲求だったり、「そのままでいいんだよ」「ありのままのあなたが素敵よ」というような、自分の存在理由を与えてくれる何かがずっと欲しかった。
けれど現実は厳しい。自分で周囲の環境を能動的に変えていかなければ僕が欲してる何かは僕の前には現れてくれない。
僕の身体にへばりつく寂しさは日を追うごとに大きくなって、いつしか外の世界に自分を晒すのが怖くなっていった。
だから僕は内へ内へと篭るようになった。そして、今の自分を認めてもらうため、間接的ではあるが、映画や小説の世界に入り込んでいった。
4月から社会人になり、強制的に外の世界に身を置くようになった僕は分かりやすく環境が変化した。
環境が変化した矢先に、彼女が現れた。
こんなことってあるんだなと今でもふと我に返って思う。
いや、ほんと奇跡。✌️
彼女はありのままの僕を認めてくれる。認めてくれて、自分という人間を欲してくれる。
僕の知らない僕を教えてくれる。
分かりやすくこれまで僕が喉から手が出るほど欲していた何かを彼女は与えてくれる。
僕は存在理由を手にしたのだ。
僕はずっと不思議だったことがある。
それは親が、昔好きだったアーティストや夢中になって見ていた映画などを今では聴かなくなったり見なくなったりしていたことだ。
大学時代の僕にはそのことが考えられなかった。
あんなに好きなものだったのに、なんで歳を重ねたら離れてしまうんだろう、と。
今になってわかる。身の回りの環境が変わっただけなのだ。単純な話だった。
話を戻す。つまり彼女は僕にとって大切なものをくれたかけがえのない存在なのです。
ありがとう。
感謝しかないです。
だから、僕も僕なりの優しさを彼女にこれからも与え続けていきたい。
彼女の存在理由の一部になりたい。(なれている自信がある。笑)
彼女が安心した笑顔で生活を送れるよう隣に居続けたい。
さようなら、僕の隣に居続けていた寂しさよ。
たまにきっとまた顔を見せるだろうけどその時はよろしく。
また一緒に映画でも見ましょう。