青春のうずまき
想イヲツヅル #55
「明日ひま?」
友人から連絡が入っていた
いつものビリヤードなのか
はたまた
また別の友人の家に何人かで押しかけて
麻雀をしたり
テレビゲームをしたり
映画をみたり
特にホラー系の
あとは
ただ集まって「暇だなぁ」なんて言い合いながら缶コーヒーを飲んだり
(驚いたことにその別の友人の家にはパチンコ台すらある)
どれをするのかわからないが
皆で”暇を持て余す”という
一見なんの生産性もない無駄な行為に
”青春”という活字と意味合いを持たせて
僕らは夜を越えていく
そして
他の皆は知らないけれど
僕はこの”青春”を使って他人の心に触れ
それを歌にしたりする
僕は”青春”が嫌いではなかった
友人とは学生時代からよく遊んだ
授業終わりに(時には抜け出して)
ビリヤードにいったり
友人の家でテレビゲームに明け暮れたりした
友人が自動車免許を取得してからは
なんとなく友人に連れられてドライブする
だけみたいな日も多々ある
連絡もなしに自宅に車で現れて
”青春”を強要するのは本当にやめてほしいけれど 笑
身長はちょっと高めの中肉中背
その黒髪は僕より天然パーマがすごい
口達者で空気の読めるお調子者
といった感じだ
手先も器用だし
車の運転も上手かった
深刻な話は苦手で
いつも楽しげに話している
そんな友人にも恋人ができたらしい
学生時代は浮いた話も全然と言うほど聞かなかったし
それはとても喜ばしいことだった
友人はそれから
よく恋人とのことを話すようになった
正直
友人の恋人がどんな人なのかとか
興味はあまりなかったのだが
幸せそうに話す友人は
見てて飽きなかった
「明日?夜でしょ?夜なら空いてるよ」
と
先ほどの友人からの誘いに返事をした
明日
どんな”青春”が待っているのかわからないけれど
友人に相談してみるのもいいかも知れない
”彼女のことが好き”
ただ
君に対しての気持ちに
自分の心の変化があること
これがなんなのか
悪いことなのか
きっと友人は笑って誤魔化すだろうけれど
話を聞いてほしくなった
それも青春のせいにしたくなった