「想イヲツヅル」一気読みと秘密の話
7月1日
[はじまり]
君と出逢った
同じ場所にいるのに
まるでここでは生きてないような顔で
遠くをみている
軽く会釈だけをした
声をかけても届かない気がしたから
7月2日
[ビールの味]
少し君のことを思い出した
あんな表情を浮かべる人を初めてみた
でも
少し懐かしい気持ちにもなった
この矛盾はなんだろうか
そんなモヤモヤをビールと一緒に喉へ流し込む
7月3日
[靴の受け皿]
今日は雨が降り続いていた
行き交う人は額に汗を浮かべながら布で口元を隠している
傘の隙間から君を見た気がした
靴が濡れた
7月4日
[オリーブオイル]
今日は彼女と食事に行く約束をしている
君のことは考えないでおく
なるべくさっぱりしたものが食べたい
彼女から「行きたいお店リスト」と銘打ったラインが来ていた
全部こってり系じゃないか。。
7月5日
[徒然に]
夏の雲がゆっくりと空を泳いで行く
アイスコーヒーの氷がカランと音を立てた
これからもっと暑くなるんだろうな
汗をかきながら手を繋ぐのはどうしても苦手だ
7月6日
[その時その場所で]
明後日
職場の人たちで食事に行くことになった
君に話しかけてみたい
きっと君も来るんだろう
同じ場所にいれるだろうか
7月7日
[瞬く間に]
織姫と彦星は無事に逢えただろうか
彼女とは電話をした
僕らは逢えなかったんだ
「あえないじかんがあいをはぐくむ」
そんなの言い訳だ
7月8日
[オレンジの香り]
職場の人たちと
早い時間に仕事を切り上げ
食事に行った
君はカシスオレンジを飲んでいた
意外にも君は気さくに話してくれた
どうやら同じ場所に僕らはいたようだ
7月9日
[どこをみてるの]
昨日はありがとう
楽しかったね
そんな感じのラインを入れたと思う
頭から離れないのは
昨日の食事中にも
君は遠くを眺めていたこと
7月10日
[雨の音]
今日も雨が降った
水量が規定の数値を上回ったとかで電車が動かない
彼女に車で迎えに来てもらうか考えたが
一人で雨が止むのを待つことにした
7月11日
[上絵]
君から返事が来ていた
初めて見る君の文面に
人柄がでてる気もする
絵文字はほとんどない
ただ嫌な感じもない
今度はどこかに遊びに行きましょう
みんなで
と返信した
7月12日
[心の洗濯]
洗濯物が溜まる
洗濯機を2回まわす
干す
畳むのが面倒だから
ハンガーに吊るされ続ける
着られるその日まで
7月13日
[好み]
彼女の手料理は美味しい
ホワイトシチューだった
夏のホワイトシチューも最高だ
ごめん
やっぱり冷やし中華食べたい
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