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映画感想 『ブラック・レイン デジタル・リマスター版』

シネマート新宿にて観賞

 数十年振り(は大袈裟かもw)くらいに観賞しました。公開当時も観賞しましたし、DVDも持っているんですけどね。

 本作には特別な感情があると言いますか。ずっと住んでいた地元(徒歩一分以内)がロケに使われてたりとか、日本ロケに高校時代の映研の先輩が参加してたりとか、そういう思い出が詰まっていることもあって、未だに冷静にはまだ観賞できませんでしたね。

 鑑賞後に凄く高揚した気分になるというか。自分にとってそういう映画は数少ないのですが、本作はそのうちの一つです。

 正直、映画自体の出来はかなり悪いと思います。ツッコミどころ満載というよりも穴があり過ぎておいおいって感じですしね。でもね、でもね、でもね、かっちょええんですわ。オープニングからいきなりグレッグ・オールマンの歌声で痺れ、マイケル・ダグラスの佇まいにノックアウトされるんですよ。もう、かっちょええっていう言葉しか出てこないっすよ。

 映画って出来がどうこうとかメッセージ性がどうこうとかじゃなくて、かっちょええと思わせてナンボじゃ。っていう考え方を押し付けたくなるくらいに、ホンマにかっちょええ映画です。

 今更なんですが、かっちょよさの性質というか方向が映画『ストリート・オブ・ファイヤー』に似ているよなと。あの映画もかっちょええっていう言葉しか出てこないですもん。映画の出来は置いといて。

 今回改めて観賞してみて、アンディ・ガルシアはもっと序盤で屠られてなかったけとか、高倉健さんはもっとラストバトルでどんちゃかやってなかったけとか、色々と記憶との差異がありました。勝手に脳内で自分の都合のいい映画にしちゃってましたね。

 日本人俳優の英語の発音もとってもブロークンで、米国(英語圏の国とかでも)で上映されたときに、日本語のセリフは勿論字幕が付いたでしょうけど、日本人俳優の英語でのセリフも字幕が付いたんとちゃうかなと思ったり。

 今となれば、もうちょっとなんちゃって日本を醸し出してくれたらいいのにと思ったりしましたが、それならそれで別ジャンルの映画になっちゃいますよね。

 高校生の頃に、日本の映画の質感と米国(海外)の映画の質感はどうして違うんやろうという話をよくしていて、本作のロケに参加した先輩から聞いた話では、撮影時に空気(質感)を作っていたと言うんですよ、色々なことをして。お金の掛け方が日本とは異なるとはいえ、いいなー、凄いなーと当時は思ってたなと。本作の日本ロケでの場面も米国映画の質感ですもんね。

 公開当時は、外国人はミナミから十三まで20分で歩けるんかよってよく言ってましたね(笑)。

 高倉健さんの「ニックさん」という声真似が私はうまいかもしれないということを発見したのが、今回のリバイバル観賞の最大の収穫です(爆)。

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