Mx.MOON 『THE MOON RISING』 全曲感想
Mx.MOON(ミクスムーン)の1stアルバム『THE MOON RISING』(ザ・ムーン・ライジング)の全曲についての感想です。あくまでも私の雑感となりますことご了承ください。また、私はギタープレイに耳がいきやすいので、そちらが中心となることも併せてご了承ください。
ギタープレイヤーのTakeshiさんの楽曲解説等の記事
https://note.com/takeshiuncrowned/n/nd54e9292284f
シンガーAkiさんのMx.MOONについての記事
https://note.com/dokurokurage/n/n33fd07ba123e
私の最初の雑感
https://note.com/ryonryon/n/n3b8c6004a4b6
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Mx.MOONはTHE UNCROWNEDのギターであるTakeshiさんとシンガーのAkiさんとによるプロジェクトです。全曲作詞はAkiさん、3曲目と7曲目以外の作曲はAkiさん、3曲目と7曲目の作曲と全曲の編曲はTakeshiさんとなっています。1曲目、5曲目、6曲目、8曲目がAkiさんが以前やっておられたバンドRK ROSEBUDのリメイク(セルフカバー)です。
1.破戒ノ薔薇
個人的には本アルバムのキラーPOPチューンだと思います。メロディを口ずさみやすいという点もそうですが(滅茶苦茶難しいけどw)、アレンジもシンプルですが若干の不穏さも奏でていて印象強く残り、フックもあるという曲です。元の曲のアレンジをほぼ踏襲して再構成されたそうです。
1998年頃にはRK ROSEBUDでシングル(Liveバージョンみたい)を出されているようです。その後、2001年発売のアルバムにも収録されているようです。
TakeshiさんのギターソロもTHE UNCROWNEDとはまた違った味わいかつ前半と後半の構成が異なりつつもメロディアスなソロを響かせてくれます。
2.deus ex machina
不安定さを感じさせるメロディと、それをそのまま押し切ろうとするようなアレジンが組み合わさった曲で、ZARDがやっていても違和感がないようなサビを持つ曲です。そのためか、懐かしさも若干纏っています。
Akiさんのボーカルも昔のアイドルっぽさを少し感じさせるように思います。
Takeshiさんのギターソロはこれぞテクニカルなソロって感じで、大好物です。
3.CHEIRON
元々THE UNCROWNED用に作られていた曲だそうで(但しバンドでの録音はしていないとのこと)、それもあってか本アルバムの中で一番SHALさんが歌っていそうだなと思う感触です。アレンジ面ではわざだと思いますがTHE UNCROWNEDの方向性とは異なる形でされているのかなとも思います。Akiさんの歌唱に合わせた形と言い換えた方がしっくりくるかな。
Takeshiさんのギターソロはコンパクトですが、メロディアスで一気に聴かせる形になっています。
4.FLOWER
これまた出だしは不穏感と不安感を醸し出す感じですが、Akiさんのボーカルが入ってきたところから一気に80年代のアイドル曲っぽい感じ(シングルカット曲ではなく、アルバムのみに収録されている曲っぽい)で、なんとなく夏の終わりから秋の始まり頃の風景が見えてきました。
Takeshiさんのギターソロは本アルバムの中では一番叙情的に盛り上げてきます。
5.ツキアカリノウタ
最初の歌いだしから超POPな曲という印象付けがあって、これまた80年代のアイドル歌謡というか、90年代のビーイング的な感じと言えばいいでしょうか。
2006年頃にRK ROSEBUDでシングルを出されているようですので、まだまだビーイングの影響が時代的にも世間の空気感に濃く残っていた時期に書かれたものなのかなと邪推します。
Akiさんのボーカルは本アルバムの中で一番フィットしているような気がします。
Takeshiさんのギターソロも扇状的な旋律を聴かせてくれます。
6.鬼
曲名がイカついですが、曲自体はメロディアスで豪華で綺羅びやかな面もあったりします。これまでの曲調とは若干異なる印象で進みますが、サビに至るにつれて耳馴染みのいいメロディが突き刺さってきます。ギターソロ前のブレイク部分が癖になりそうです。
2003年頃にRK ROSEBUDでシングルを出されているようです。
Takeshiさんのギターソロは情熱的なスレッディングソロで一気に聴かせるという感じです。
7.月光のシャッフル
THE UNCROWNEDの2nd又は3rdアルバムに入っていても違和感がないような印象の曲で、時折入るTakeshiさんのジャジーなリードがいいアクセントになっています。
Takeshiさんのギターソロはメロディを丁寧に弾いているなという印象です。エンドの短い速弾きリードもたまらんですね。
8.FLY
本アルバムの中で一番異質な曲。プログレッシブバンドっぽいアレンジも相俟ってか、組曲的な匂いも強くなっています。最初は平坦なメロディかなと思いましたが、スルメ的な味わいと言いますか、何度も聴いているうちに止められなくなってしまう麻薬的な味わいと言いますか。
2001年に発売されたRK ROSEBUDのアルバム『Insects: Never Be Categorized』にも収録(1曲目の”破戒ノ薔薇”も収録)されています。
Takeshiさんの中間部のギターソロは、ここまでのギターソロのエッセンスをギュッと濃色した感じがあって心地よいですね。エンド部分のギターソロは感情が赴くままに弾きまくりましたという感じで、Takeshiさんのギターソロ的には珍しい形ですが、これまたよきです。
9.MY GODDESS IS REAL
Mx.MOONの曲はこんな感じですよっていう見本になるような曲ではないでしょうか。サビは口ずさみやすいですが、それに至るまでに引っ掛かりも沢山あるという曲で、一筋縄ではいかないからこそ心に残りやすいというか。それでいてPOPな曲調というのはなかなかないスタイルではないかと思います。
Takeshiさんのギターソロはテクニカルなフレーズから入りますが、コンパクトなためもあるでしょうけど、意外とPOPさも感じる仕上がりだと思います。エンドソロはそれにプラスしての情熱的なフレーバーも交えています。
一応この曲のMV(PV)は撮影されたと思うのですが、公開はされないのかな。
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ギターソロ大好き人間なのでどうしてもギターが中心の感想となりました。Takeshiさんのギタープレイは、THE UNCROWNEDのときよりも肉感的になっているなと思いました。
Akiさんの歌い方もあるかと思いますが、全体的にTHE UNCROWNEDっぽさは漂っていると感じております、4thアルバムだと言われても違和感はないという受け止めですし、THE UNCROWNEDの1stアルバム『REVIVE』と対になるような形のアルバムだとも感じていて、併せて聴くとより心に染みてきました。
荻野目洋子さんのアルバム『ラズベリーの風』の演奏をギターを中心とした若干ハードなものとし、ギターソロを沢山追加したようなアルバムにも思えてきました。
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