Mx.MOON(ミクス・ムーン)/THE MOON RISING(ザ・ムーン・ライジング)
THE UNCROWNEDのTakeshiさんがギターとプロデュースで参加しているプロジェクトMx.MOON(ミスク・ムーン)のアルバム『THE MOON RISING(ザ・ムーン・ライジング)』を買ってきて聴きました。
Mx.MOONはTakeshiさんとボーカリストのAkiさんによる二人のプロジェクトです。
THE UNCROWNEDの新譜だと言われればすんなりとそうなんやと受け入れてしまいそうな肌触りでした。ほとんどの曲をボーカルのAkiさんが作曲しているのにも関わらず(9曲中7曲、残り2曲はTakeshiさん)、曲調とかTHE UNCROWNEDやなぁと思ったのでした(THE UNCROWNEDの楽曲はほぼTakeshiさんが作曲されています)。アレンジ(及びプロデュース)をTakeshiさんがしているというのもあるのかな。
Takeshiさんのギターソロが、テクニカルであったり、叙情的であったりと素晴らしいです。THE UNCROWNEDのときのようなイヤラシさというかスケベさは若干後退していますが、ギタープレイにおける技術的、技能的な挑戦度合いという側面では本作の方が冒険していると言えるでしょう。
ボーカルのAkiさんはSHALさんに歌い方を寄せているのか、元々そういう歌い方だったのかは存じ上げませんが、それによって余計にTHE UNCROWNEDっぽく聴こえるのだと思います。Akiさんの歌い方については、今年1月のSHALさんを悼むイベントと本アルバムでしかお聴きしたことがありませんが、声質が元々似ているのかな。
Akiさんの歌声は、SHALさんより声質は高くて軽やかだと思います。ただ、SHALさんのようなザラッとした引っ掛かりはなく聴きやすいというか耳に馴染みやすいですが、反面、さらっと流れていっちゃうかなという印象です。ただ、曲への癒着力(曲との一体感的なもの)はその分高いように思います。
SHALさんが濃いソースなら、Akiさんは薄いソースという感じです。どちらがいいとか悪いということではなく(勿論、優劣でもなく)、そういう部分で異なる印象を持ったという意味です。散々似ていると書いていて異なる印象ってどういう意味だよ(笑)。まぁ、そこは個人の感覚的なものとしてご容赦ください。
THE UNCROWNEDの1stアルバム『REVIVE』と比較すると(比較するのもおかしいかなとは思いますし、私はどちらのアルバムも大好きです)、『REVIVE』にあったメランコリックな雰囲気や情念的なものは本作ではそんなに感じず、『REVIVE』が例えば直接本人に話を聞いているという感じだとすると、本作は小説とかの本を読んでいる感じといいましょうか。そういった感触というか距離感が異なるなという捉え方をしています。
Takeshiさんがこのプロジェクトを何故THE UNCROWNEDとしなかったのか、元々そういう発想ではなかったのか分かりませんが、少し気になるというか引っ掛かる部分ではあります。
個人的にはミクス・ムーンというプロジェクトではなく(ミクス・ムーンが悪いという意味では勿論ありません)、THE UNCROWNEDというバンドとしてやってみてほしいなと思いました。Akiさんは歌い方もそうですが、歌詞の面からもSHALさんの後継ボーカリストとしてはいい人選なのではないかなと。そして作曲もできるという点からTHE UNCROWNEDというバンドの広がりが期待できるようにも感じたからです。
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