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映画感想 『犯罪都市 PUNISHMENT』

新宿ピカデリーにて鑑賞

 春の三作目に引き続き、秋にも開催の”ドンソク秋のフック祭”を十分堪能できる映画です。拳対IT犯罪と謳ってはいますが、IT犯罪っていうほどのものじゃないというか、まぁ、脳筋映画です。でも面白い。それに文句あっかって感じです。

 知能犯を拳で追い詰める映画を期待すると肩透かしは食らうと思いますが、頭空っぽにしてドンソクさんのフック祭に酔いしれましょう。

 と言いつつも、IT犯罪に拳がどう挑むねんっていう興味はありました(笑)。まぁ、そこはしっかりとIT対策チームが登場していたので(小規模ですが)そちらにお任せという感じで、ドンソクさんはこれまでどおりで拳でしか語っていません。あ、IT対策チームリーダーの女性の方は美人でしたね

 2018年が舞台なのですが、IT犯罪の描写も含めて1990年代後半から2000年までくらいのITのイメージで作ったんじゃないのかって感じなんですよ。電子鍵のパスワードを巡った攻防とか、そんなもんも一切ありません。

 今回のラスボスはIT長者が雇う違法なオンラインカジノの監督者みたいな立場の人で元傭兵です。静かなサイコパスという感じで、人を殺すことに躊躇がありません。シリーズ中一番クールで直線的だったようにも思えます。そこは素晴らしいものの、少し敵側の造形にネタ不足も感じました。(演じられた俳優さんがどうこうではありません。)

 個人的にはIT長者も武闘派で作中で一番強いとか、そういう設定だったらもっと面白かったかもとは思いました。IT長者も裏街道をビビることなく楽しみつつ歩んでいるので、相当な輩ではありますが。

 ドンソクさんのフックの破壊力というか強烈さは前作の方がありましたが、フックが炸裂する度に安堵感を覚えるのは本作でしょうか。

 一作目や二作目にあった閉塞感やドロドロ・ザラザラした暗さみたいなものは前作からほぼ消え、本作には微塵もありませんので、シリーズ初期の雰囲気が好きな人には物足りなく感じたり、なんか違うなーと思ったりはあるかもしれません。

 シリーズ的には一番テンポもよく、あっさりと終わったなっていう印象は拭えないものの、だからこそいいんだなと思いますし、他人にシリーズのどの作品をオススメするかってなったら本作を選ぶかなってくらい、コンパクトに纏まったいいアクション映画です。

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