存在しないDr.ハインリッヒの漫才書き起こし
幸 Dr.ハインリッヒです お願いします
わたくしはね、この前 地下の道をね、歩いててん
彩 あっ、自分はこないだ 地下の道を、歩いてたんかいな ええやん
幸 ええやろ
彩 うん
幸 そんでこう 地下の道やなぁァって思って歩いてたら、前にね、こんくらいでっかい(手で大きさを表しながら)木の根っこがあってん
彩 ほん
幸 んで、木の根っこやわァと思ってそこに触ったら、キュルキュルキュルキュルッ!!って吸い取られて、
彩 え!?
幸 根っこの中に体ごと入ってん
彩 え!?幸さんの身体全部が こう スポッて入って…
幸 うん スポッて
彩 はぁ…えっ、大丈夫やったか!?
幸 うんそれが、大丈夫やってん
彩 はぁ
幸 あのー根っこの地上に出る境い目んとこに、裂け目があって、そっからニュルんって地上に出られてん
彩 はぁ
幸 そんでこう 地上の道やわぁって思って斜面に合わせてまた歩いてたんやわ でこう、歩きながら周りを見たら、左手で結婚式やっててん
彩 ほん
幸 んで右見たら、狩人が角笛吹いてて、それに合わせて水の妖精が踊ってたわ
彩 え、モルダウの森やがな!
幸 せやねん あここモルダウの森やわぁ って思ってたら、上の方からメロディが聴こえてきてん
彩 はぁ
幸 んでパッと上の方見たら、もうひとりのわたくしが、ホルン吹いててん
彩 え!?今ここにいるのは幸さんじゃないんか?
幸 いや、ここにいるのは幸さんやねん でも、もうひとりのわたくしが、ホルン吹いててん
彩 え!?
幸 いや、もうひとりのわたくしが、ホルン吹いててん
彩 え!?
幸 いや、もうひとりのわたくしが、ホルン吹いててん
彩 はぁ
幸 うん んでそのもうひとりのわたくしのホルンのサウンドが、そのまま雨になって降り注いだわ
彩 はぁ、えっ、いや、ちょっと待って 自分さっきからこう、水になって世界を循環してない??
幸 うん
彩 なんや、幸さんは水やったんかいな
幸 いや、わたくしは水ではない
彩 水ではないんかいな
幸 せやねん わたくしにね、実体は無いねん
彩 は!?
幸 幻やねん
彩 はぁ
幸 わたくしも彩さんも皆さんも、幻なんですよ
彩 え!?
幸 これはね、肉体はもともとバラバラやからなんですよ
彩 ほん
幸 常にバラバラの、つぶつぶやから、水にも人にもなる これ皆さんもそうですよ
彩 はぁ
幸 彩さんもそうですよ 常につぶつぶやから、生きるも死ぬもない われわれはね、不滅の幻なんですよ
彩 不滅の幻なんかいな 禅の精神やがな!!禅の精神やからもうええわ