アールグレイとルマンド2本と「うれしくって抱き合うよ」--5/11
いつもミルクティーを飲むときは透明な容器で淹れる。アールグレイにミルクを入れる瞬間、そこには、この世で一番美しい世界が広がっているからだ。注いだミルクは下から上に、乳白色の波紋を描きながら紅茶と融け合っていく。ささやかな幸せだ。
14時半、ご機嫌良くアールグレイミルクティーを作った私は、甘いものもいっしょに、と思って袋からルマンドを2本取り出した。
どちらにしたってスーパーで買えるものだから、自分でミルクティーを淹れるだけのたったひと手間でこんなに良い気持ちになれるのがうれしい。
NONIOのCMで知ったから、聴いたのはほんとうに最近だが「うれしくって抱き合うよ」はとてつもなくいい曲だと思う。どことなく都会の住宅街や商店街の昼下がりを思わせる温度感とは裏腹に、官能的なワードが散りばめられ一聴するとびっくりする。
"風に膨らむシャツが君の胸のかたちになるのさ あまいにおいを撒き散らして僕らはベッドに潜り込んだ"なんて、思わず顔を覆いたくなるような描写から曲がはじまる。官能的なフレーズのすべてが、サビの歌詞「ありがとうに出あう街 うれしくって抱き合うよ」に集約されていく。
生活感と、官能。日常と、非日常。対極にあるような2つのものが「うれしくって抱き合うよ」の中では一つになって輝いている。
「幸せをもちあわせ 一人より二人なら
レコードは回りだす うれしくって抱き合うよ」
うれしくって抱き合うよ-YUKI
NONIOのcmでは、交差点で多くの人がすれ違い、共に歌い、たのしんでいる。抱き合っている。今となっては見られない、貴重な光景だ。
ささやかな幸せを分かちあえる人々とは、今は会えない。どんな人の心にも、寂しさが巣食っているだろう。
うれしくって抱き合えるそのときまで、一人でもささやかな幸せを忘れずに生きていきたい。注いだミルクは、アールグレイだけでなく私の心にも優しく融け合い、包み込んでいった。
P.S.自己紹介のnoteでふざけまくっていた私ですが、マジメなことも書きます。ふざけたことも書きます。落差とごった煮具合を楽しみながら、どうか見ていただけると嬉しいです。毎日できるだけ更新します。