知らない人の誕生日パーティーに来てしまった話。
「全然知らない人の誕生日パーティーに途中参加したら、みんなめちゃめちゃ盛り上がってた。」
こんな状況になったらきっとめっちゃ気まずいですよね?
いきなり何言ってるんだと思ったかもしれませんが(笑)、これが実際にカタルーニャで独立運動のデモを見たときの気分でした。
つまり、全くの部外者である自分が盛り上がってる人たちを見て感じた気分です。
どれだけ歴史や文化、経済や政治を勉強しても、そこには超えられない壁があることを痛感させられてしまったのです。
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先週の4月15日(日)にバルセロナで行われた独立運動に関するデモ行進は何十万人もの人を集め、未だに逮捕・収監されている元州政府高官等の釈放を求めて街を歩いていたそうです。→EUROnews
まず、一つのデモにここまでの人が集まることが驚きですし、そのエネルギーやパワーにとても圧倒されました。
序文でも書いたことですが、いくらその運動の背景や歴史を知っていても、やはり当事者とそうでない人との思いやパワー・エネルギーの違いには大きな隔たりがあることをまざまざと痛感したのです。
もし僕が「独立運動賛成派」だったとして、同じ熱量でデモに参加することは不可能に近いと思います。
(実際、僕はカタルーニャはスペインの中でより存在感を増して行く方法に出る方が合理的だとは思います。)
それだけ、独立運動に参加している人たちのエネルギーというものは計り知れないものでした。
そしてそれと同時に、ここに参加していない人の思いや考えも忘れてはならないと思いました。
一般的に、独立賛成派は、カタルーニャ生まれの中間層〜富裕層に多いと言われています。
裏を返せば、貧困層や移民層は独立にはそこまで積極的でないというのが実情です。
というのも、「カタルーニャとしての団結」が強調されることで、100%カタルーニャ人と言えない人や恵まれない人は、自分たちの地位が低くなることを恐れているからです。
(そしてもちろん、経済的な理由など様々な理由で独立に懐疑的なカタルーニャ人の方もいらっしゃいます。)
こうした人たちの声はメディアなどになかなか取り上げられづらく、一見マイノリティだと思われがちです。
しかし、こうした人たちのことをしっかりと考えて独立のプラン・そして独立後の経済や政治の再建プランを考えないと、独立してからも、より一層の政治・経済不安が引き起こされてしまうのではないか、と危惧しています。
実際にバルセロナで生活していても、町のコンビニ・安い料理屋さんなど、細かな町の土台を支えているのは紛れもなく移民や貧困層の方達です。このような人を無視して独立を果たしても、そこから団結して国を一から作ることは不可能に近いはずです。
また、このようにマイノリティーを無視して独立運動をしても、大義名分が立たず、EUや関係諸国からの支持を得ることができないということも考えられます。
独立をするにしてもしないにしても、貧困層の方や移民の方々が「誰か知らない人の誕生日パーティー」に来ている感覚にならないように運動が進んでくれたら良いな〜と思いました。