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600mmで切り取る首都圏の街

卒論や修論の最終的な指導や試験準備など、慌ただしい日々が続いていましたが、少し気持ちに余裕ができたので、休息を取ろうと、日曜・月曜の2日で秩父の方に行ってきました。結局、滞在先でもパソコンを広げて仕事をしていたのですが、環境が変わると気持ちも穏やかになるものです。

途中、東秩父村にある皇鈴山展望台にて。遥か彼方に見えるスカイツリーや新宿方面のビル群と、そこに至るまで延々と続く市街地の姿。これがまさに東京を中心とする大都市圏の姿であり、その壮大な規模に思わず見入ってしまった。

東京都心部を望む

600mmの超望遠レンズで都市を観察すると、その壮大さを構築する1つ1つのミクロな世界がしっかりと観察できてまた興味深い。戸建て住宅は、色も形も向きも階数もバラバラで個性あるいは多様性を生み出しているように見えつつ、実は建売住宅のパタンに過ぎない一面も持ち合わせる。集合住宅もまた秩序なく立地しているように見える。目立つのは工場、白い学校系施設、ゴルフ場、鉄塔、そして緑。

これほどに巨大化した大都市圏東京。かつて都市計画の専門家は、都市を分散化しようと試みていた。その事実との大きな乖離を感じるのがこの巨大都市圏の今の姿であるが、他方、これだけの人口が(様々な違いはあれど)生活できるほどの仕事・職が成り立ち、莫大な経済が動いていると考えると驚きを隠せない。そして、1000万人規模の人口の1人1人の人生が、この街の中にあるということも。

埼玉県北部方面の住宅街
延々と続く市街地

都市というものを専門にしたいと思ったのは11歳、都市というものを自分の専門にしたのは20歳の頃。もう数十年が経つわけだが、都市を眺めれば眺めるほど、その複雑さと1人の都市工学者としての無力さを実感するものの、それが都市だよ、と思う自分もまたいる。

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