2023年振り返り
気つけば大晦日。現在、ポーランド・クラクフにおり、時間は日本のマイナス8時間です。過去にも何度か大晦日から元旦を海外で過ごす経験をしたことがありますが、この8時間の時差というのは少し虚しさも感じます。こちらでは起きたばかりでも、日本は既に大晦日の午後。日本が紅白歌合戦の時間はこちらはまだ午後。そして日本が元旦の朝を迎える頃にこちらは寝る時間。時差が生む空虚感とでも言いましょうか。
さて、8時間の時差があるので、早く2023年を振り返っておきたいと思い、記事にすることとしました。facebookやインスタでも良かったのだけれど、手短ながらnoteにまとめておきたい。
一言で言うならば、仕事もプライベートも、本格的に国外との関係が多かった1年でした。
仕事(研究)
タイとの関わりが突如多くなり、6月と11月に2度訪問。また、それ以外にもチュラロンコン大学の先生との共同研究プロジェクト実施(つい数日前に最終レポートを完成させて提出したばかり)。10月にはタイから来訪した有識者向けに日本でプレゼンを行う機会もありました。4つの機会全て、別の研究テーマであることにも驚きですが、それだけ色々な形での交流が生まれたということでした。
また、学生との共著で初めて査読付論文が採択されたという嬉しいニュースもありました。絶対に査読を通すのだ、という強い意志を学生と共有できたからこそ達成できた1つの目標。これを皮切りに来年以降も継続できるようにしたい。
私自身の研究は少し停滞気味で、査読なし論文1つ、雑誌原稿執筆、共著の本の発刊など細々と進んではいるけれど、やや物足りない印象。
仕事(教育)
今年も色々な地域に学生と共に足を運び、色々な人と関わり、微力ながら地域づくりに貢献させていただき、学生の成長を見守ってきたという感じでしょうか。毎年このゼミに入ってくる学生がいて、毎年出ていく学生もいる。学生1人1人の個性、そしてその学年が作り出す雰囲気を見極めながら進めていくというのは決して容易なことではなく、時には悩み、時には怒りの感情も出てきつつ、1年があっという間に終わったという感覚です。ストレスにもなるけれど、未来の地域づくり人材を輩出していきたいという気持ち、観光分野の実務・研究の両方の発展に貢献できる人材育成というのは大切な軸なので、負荷はかかってもこのまま続けていきたいところです。
教育の延長という意味での研究発表が幾つかできたのは良かった(建築学会・造園学会)。また、3月には学生を台湾に連れていきました。初めての海外となる学生も少なくなく、彼らの目に映る外の世界。そこで起きる化学反応に、若いうちから外を知るということの大切さを改めて感じたのでした。
社会貢献
新座市や川越市に加えて、愛知県庁から突如声がかかり、県の重要な政策の委員を担当させていただく機会を得ました。どこで私のことを知っていただいたのか分かりませんが、県政に関われるというのは学びも多く。学会関係の委員も多く、一部はかなり大変な業務もありましたが、なんとか乗り越えた印象です。また、今年は新聞取材が特に多かった。富士山への電気鉄道の建設是非を巡る意見を求められたり、科研費研究で行っている廃業旅館の問題を取材されたり。特に後者は研究を実社会に還元していくという流れのなかに位置付けられるもので、こうして私の行っている研究に注目してくれる記者がいる(=実社会の問題と関わった研究を自分がしていると理解してくれている)ことは有難いことだと感じました。
プライベート
今年は旅にも時間をかけ、色々な刺激を受けた1年でもありました(観光を専門としている以上、旅の時間はプライベートでもあり研究や教育、社会貢献にも役に立つ自己投資という意味合いもあるのですが)。
海外渡航をざっと列挙してみると、
2022年末〜2023年始 スペイン/サンセバスチャン(美食の街のあり方を知る)
3月 台湾(これはゼミ生引率)
6月 タイ/バンコク(シンポジウム登壇)
8月 インド(デリー/ヴァラナシ)・カタール(ドーハ)・イタリア(ナポリ/シチリア)・スイス(ジュネーブ)・フランス(モンブラン)
11月 タイ(バンコク/アンパワー)(これは研究)
2023年末〜2024年初め スイス・ポーランド(現在)
と割と外に出ることが多かった1年でした。
ありきたりですが、外を見ることで学ぶことは相当多く、特にインドとポーランドは非常にそれまで自分が持っていた価値観を動かされるというか、そういう感覚になる旅になりました。
一時的な快楽や娯楽としてではなく、その後の人生に影響を与える旅とは何か、それはどうやって地域側で作り出せるのか、というのが最近の研究の関心の1つですが、それを肌で実感できた経験をできたように思います。
あと1時間ちょっとでワルシャワに向かうので、このくらいで。
良いお年をお迎えください。