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相手本意の仕事

 仕事において、会社を訪れて下さる方や利用して下さる方、製品を使って下さる方をお客様と呼びます。ビジネスパートナーや取引先も同様です。
 私は3年ほど前から(※執筆当時)ヘルパーの資格講座『重度訪問介護従業者養成研修』の講師を務めており(正確に言えば介護福祉士を取得できない為、前社から依頼されたゲストスピーカーという立場ですが)、晩年は受付業務等も担当していました。

”組織の入口”として心掛けていたこと

 講師(講義)ももちろん大切ですが、チームスタッフの中で最も早く受講者の方と接点を持つことになる受付業務を、私は特に重要視してきました。なぜなら、私の対応次第で会社の印象を左右することになるからです。ファーストコンタクトは自動返信メールですが、研修開始当初は1通ごとに個別で対応していたため、常時メールをチェックする必要がありました。
 問い合わせを受けてから返信までの早さも大切だと思っていましたから、たとえ休日でも合間のメールチェックを欠かしたことはありません。さらに、言葉遣いや相手が求めている回答(主文)を書く位置など、現在の仕事においても役立っていることはたくさんあります。加えて、メールでの返答で良いのか、それともすぐに電話をした方が良いのかといったことまで、視野は格段に広くなりました。それでも稀にクレームを受けることもありましたが、嫌な時ほど自分から動くことを意識しました。

クレームへの対処法

 もし相手が先に私のミスに気付いたとしたら、相手はイライラし、興奮した状態で連絡してくることでしょう。メールにおける名前の漢字変換ミスなど、もしこちらがすぐにミスを発見できた時には、お客様からクレームが来ていなくても先に謝罪をしてしまいましょう。
 もちろん謝罪の仕方が良いに越したことはありませんが、私はスピード感が命だと痛感しています。不器用でもいいですから、とにかくできるだけ早く誠意を見せ、「心からあなたのことを大切に思っています」というメッセージを発信するのです。また、問い合わせから不安な雰囲気を感じ取った場合には、「大丈夫ですよ。(不安に思っているのは)あなただけではありません。お会いできることを楽しみにしています」といった文言を添えて、相手に少しでも安心して研修にお越しいただけるよう、心掛けてきました。こうした言葉が安心感を与えるのです。

 これらはすべて、私が実践してきた「相手本位の仕事」をする上での基本です。自分がその立場になった時、何をされたら嬉しいのか、この会社(製品)を選んで良かったと思えるのか。ただ相手を思い、徹底的に尽くす。この姿勢がお客様に伝わった時、相手本位の仕事が完結するのです。

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長野 僚
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