僕は”宣言残留”をした
まるでプロ野球のオフシーズンである。
僕は自らFA(フリーエージェント)宣言をしたにもかかわらず、その権利を行使せず、来月も残留することを決めた。
もしこれが野球界、そしてチームメイトの同じポジションの選手からしたら(せっかくポジションを奪えると思っていたのに)いい迷惑ではないか。
『今日でいったん先生をやめます』と。
何とも無責任である。
もしこれがプロの世界だったら、レギュラーどころか戦力外通告の危機だったかもしれない。
でも幸い、そうはならなかった。
僕は有名球団のトップ選手でもなければ、熾烈なポジション争いの渦中でもなかったから。
学校がない日々の中で、”先生”というポジションを独占させてもらっている今、いったん身を引く決断をしたのは、彼女のゴールデンウィークを犯さないようにするため。
一か八かの宣言の結果は、熱烈に求められての残留になった。
ありがたい話である。
そんなわけで、僕は5月も再登板することになった。
今度は変化球を織り交ぜた先発投手ではなく、リリーフとしてバンバン直球を投げてあげようかな。
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