原書本公開~おわりに~
最後までお読みいただき、ありがとうございました。noteフォロワーの皆さんをはじめ、いつも応援をし、今シリーズを楽しみに読んで下さったすべての方々に、本当に感謝の言葉しかありません。この場を借りて心から御礼申し上げます。
こうしてシリーズとしてすべてを包み隠さず公開してみると、その過程で改めて「自分には障害を忘れられる瞬間がたくさんあったんだな」と気付くことができ、日々を尊く感じています。こう思えるのは心底幸せなことですし、当然ながら自分1人でできることではありません。
その時々の出会いが、その時々の関わりのすべてが、私にとっての財産です。お伝えしてきたように、特別支援学級(学校)出身の私は、(マジョリティ社会から見れば)決してスタートラインが高かったわけではありません。それでもたくさんの方に支えられてここまで来ることができました。
「どこに入ったかではなく、どこで何を学んだか」の方がよほど大切だと、最近気付きました。そして、心の病気をしたことで日常がどれだけ有り難いことだったかを痛感しました。決して「当たり前」のことではなかったのです。
私は、こうした経験から「人生の浮き沈みは(トータルすると)皆平等なのではないか」と思うようになりました。語弊があるかもしれませんが、今は苦しんでいる人にも生きていれば必ずいい時期が来る。反対に、幸せの絶頂にあったとしても、その境遇に天狗になったり、支えて下さっている方々への感謝を忘れたりすると必ず痛い目に合う。今思えば、私も調子に乗り過ぎていたのかなと思います。
これまで、「人からどう見られているのか」を常に気にして生きてきました。しかし3年前、その生き方を辞めました。なぜなら、「(自分がしたことに対して)相手がどう感じるかはコントロールできない」と思ったからです。
たった1度きりの人生。それなら自分のやりたいことをやろう。これが、今の私が導き出した答えです。
『誰もがいきいきと輝く、人の可能性が広がる瞬間を届けたい』
これは、社会的マイノリティの方々の可能性が広がる瞬間を捉えるウェブメディア『soar』代表の工藤瑞穂さんのことばです。
その心温まる記事やコンセプトに強く共感し、私も寄付会員として活動を応援させていただいています。
『NPO法人ユニバーサルイベント協会』は、障害や年齢、国籍、LGBT、もちろん障害のない人まで、すべての方がともに楽しめるイベントを通して、多様性を認め合う「ダイバーシティ」の推進に尽力している団体です。理事長の内山早苗からユニバーサルキャンプの説明会で掛けられた「このキャンプにサポーター(的な役割の人)はいらない。皆が対等な関係で参加しています」という言葉は、今も忘れることができません。
その活動に魅了され、私は現在、当協会の理事として活動させていただいています。
そして『株式会社ミライロ』代表取締役社長の垣内俊哉さんが、創業当時から理念に掲げておられる「バリアバリュー~障害を価値に変える~」という思いは私自身が目指すべき道と重なります。
創業メンバーであり、現在はライターとしていつもパッと明るい気持ちになれる記事を届けて下さる岸田奈美さんと、その母であり全国の人々に元気を与え続けている岸田ひろ実さんは、今も憧れの存在です。
私は現在、尊敬してやまないこうした皆様と関わらせていただきながら、
「自身の経験をより広く、今必要としている方々に還元したい」との強い思いで活動しています。
これまでは「どう仕事を終わらせるか」を念頭においてきましたが、現在では「どう仕事に追われるか」こそ醍醐味だと感じています。とにかく自らつながりを生み出すことが楽しくて仕方ないんです。
今回は約3ヵ月にわたって初作の元になった原稿たちをシリーズで公開してきました。
これからも、私が書いていくことで、直接声を届けていくことで1人でも多くの皆さんと出会い、明日に希望を持てる方を増やすことができたならこれ以上嬉しいことはありません。
引き続き宜しくお願い致します。
2020年9月1日 長野 僚
*今日の記事も内容とニュアンスは変えずに、今の実態に合うように再編したものです。
*明日からも何かを書いていきます。