
ミーム(MEME)
しばらく運動していないと身体が鈍る様に、言葉も定期的に吐き出していかないと頭が鈍り、思考が腐っていく様な気がする。時には簡単に口にせずに発酵させた方がいいこともあるが、さりとて珍味ができあがる可能性が高い。まぁ酒の肴にはなり得るかもしれない。
テーマもなく、つらつらと書いてみる。というより最近の自分のテーマを確認するために書いてみる。
“帰国した師に会った”
“東京の選挙が終わった”
“今年もまた、学術交流会で発表することを決めた”
文字にしてたったの三行で済む出来事の余韻に浸っている。
共通しているのは、生まれ育ち、生活を営む居場所やルーツを憂う感情だろうか。
言い換えたら、愛国心や地元愛みたいなものだと思う。
ホームグラウンドが無ければ、旅は始まらないし、戦いには出ていけない。
”別に戦わなくてもいいじゃん”
そうだろうか。たまたま戦う必要のない環境で育ち、戦い方を教わって来なかっただけじゃないの。何らかの恩恵を受けてきた代償に、為す術を取り上げられてないか。
現状維持や問題解決の先延ばしの副作用を肌で感じる。
人間の背骨や関節も、地域施設の雨漏りも、顔馴染んだテレビのコメンテーターの歯切れも。
老朽化。
時間経過や構造をよく観察して、経年劣化を最適化していかないと未来は暗い。
無視できない現実をしかと受け止めて、どうしようもない問題点を認識する。
正直、自分や家族や仲間のことは心配していない。どうにかして助けたり、助けてもらったりする自信がある。
だからもう少し手を伸ばすことで社会を主体的に捉え、同志の力になりたい。
理学療法士の可能性を広げたい。
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師との対話の中で言語化してもらってスッキリしたことがある。
『それは、かぶれているだけ』
ルーツをオワコンだと判断し、新しい場所にかぶれる。
海外経験。情報。知識。技術。なんでもそうだが、壁を超えた先にある新しいものに呑まれてしまう。
離れた場所や高いと思い込んでる場所から、居残った人達の価値観を否定する。それは学びではなくただの”かぶれ”だ。元の居場所で空っぽな奴は、壁の向こう側でも空っぽだ。
知見が広がったならば、価値観が変わったならば、新しい価値を創造して欲しいものだ。
選挙では、初めて政治家に献金してみた。経験値としては、推し活と温度が全く同じだった。推すと距離が近くなるのは趣味でも、政治でも同じらしい。自分に出来ないことを出来る誰かに何かを託す期待の分だけ、自分に出来ることに粛々と取り組む。選挙結果は終着点ではない。社会との信頼関係を築きたい。
今年も母校で行われる学術交流会に参加する。依頼された前回と違って、今回は自ら発表することを決めた。
母校が無くなっても不自然じゃない専門職の養成校として、卒後の繋がりは大切だと思う。医療技術職としてのある種のセーフティーネットとしての役割は十分にあると思う。
私は2期生になるが、そういった会に1期生や2期生が参加する態度そのものが、後輩や学部生に何かポジティブなインパクトを与えると思う。
何かを教えてあげたいというよりも、単純に自分より若い世代が何を感じ、考えているのか興味もある。世代も職域も幅広くなってきたからこそ、色んな理学療法士を知りたい。
同じ道を選んだ同士なら話せることがあるはずだ。
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書いたり、話したりすると、自分がいかに”かぶれ”ているのかがよく分かる。
超えたい壁を多く設定しただけ私も”かぶれる”のだろう。
知ったかぶりは私が生きる意味の正反対だ。
「いいね!」にそれ以上の意味はない。人の行動を変える力はない。高まった関心も行動に結び付かなければ泡になって消えてしまう。
経験を知恵として還元できるように、文化として残せる様に、やっぱり人は勉強を続けるべきだと思う。
正解がないのだからそもそも、間違いもない。
一緒に考えて、議論して、新しい糸口を探せば良い。
雄弁な言説にのせられて 勝利の確信に騙されて
僕らのエンパイア 終焉の道をゆく
際限ない欲望の果ての果て
飛び出せヒーロー ブラウン管の外
地球はオーパーツ 100億年の夢
ねえ 今ならばまだ間に合うのに
誰か聞いて ただ生きたいだけ
青年はビル街で風を切る
コンピューター 蛍光灯 25時
彼らはパラノイア 声は届かないまま
ねえ 今ならばまだ間に合うのに
誰か聞いて ただ生きたいだけ
未来はチクタクと チクタクと迫る
僕たちはあの星へ逃げる?
音楽や文学も、その時代の営みを理解するための貴重な文化財だ。
あの頃聴いた音楽や文学に影響を受けた次の世代が出てくる。
好みの系譜を見つけて嬉しくなる。蔓延する不安の中にも新しい希望は芽吹く。
こんな徒然なる呟きもまた、今日という日を過ごした証。
意志を繋ぎ、現代を生きる人々と共にミームを残したい。