「いのちの車窓から 2」を読んで
感想文を書きましたが、長すぎて送れなかったのでひとまずnoteに。
いつも勝手ながら星野さんの経験や言葉、作品に共鳴させていただいています。今回、このエッセイ本の発売日が私自身の誕生日だったこともあり、またしても一方的に縁を感じてしまいました。私事ですが、医療従事者である私は、先日、母校で講師として学生や若い世代の後輩に向けて講義を行いました。内容は、恩師から学んだことを元に、自分の日々のアイデアを重ねたものでしたが、医療専門職としての知識や技術よりも、先人の業績を敬う気持ちや未来を思う熱意の方が強く伝わったと実感しました。一方で、業界の新しい道を切り拓いてきたトップランナー達がいなくなる時代の転換点に、誰もが漠然とした不安を抱えていました。しかし、恩師達からしっかりとバトンを受け取ったのなら、それを責任を持って未来へと繋いでいくことが大切だと強く思いました。「Continues」を久しぶりに聴きながら、ほんの少し星野さんの気持ちに近づいたような気がして帰宅すると、このエッセイ本が届いていました。身支度も後回しにして読み進めると、『孤独な鳥の条件』を読んで、思わず涙が止まりませんでした。自分が今いる意味を示し、飛び立つ背中を押してくれた方へ対する丁寧な文章に、読んだ想いを言葉にするよりも先に涙が溢れました。そして、私もこうありたいと思いました。その時ふと、「Continues」の冒頭に出てくる「呆れるほど高く羽ばたく鳥」が、エッセイを読んだ私にとっての星野さんだと気づきました。地上から見ると、自由に優雅に飛んでいるように見えても、その世界は困難な環境で、高く飛ぶほど孤独なのかもしれない。その鳥を仰ぎ見る私は、この歌を制作していた頃の星野さんに近い年齢となり、こうやって何度も、星野さんに時間差で共鳴することに勝手に驚いています。星野さんの創作の繋がりを感じ、受け取った私が燃やす想いで、次の何かを照らせるように。バトンを咥え、未来に嘴を向け、高く、独り飛ぼうと思っていましたが、その進路の先にはいつも星野さんが飛んだ跡が残っているようなので、怖がらずに飛んでみようと思いました。素敵なエッセイをありがとうございました。これからも、たくさんの人にとっての希望を灯す星野さんのご活躍を、心より応援しています。遅めの季節の変わり目ですので、ご自愛ください。長文の感想、失礼いたしました。