エッセイ②
突然、電車の中で緊急地震速報が鳴り響いた。
電車の乗客全員の携帯からアラームの大合唱。
みな携帯を一瞬見つめると、すぐに自分たちの世界に戻っていく。
電車の中だったからか、自分たちの地域で揺れを感じることはなかった。
しかし、速報を見れば九州南部で震度6弱を観測。
こんな非常事態の警報が鳴り響いても、電車は絶えず進んでいく。
安直でつまらないと言われるかもしれないが、この時の景色を人生に重ねてしまった。
失恋しても、大事なものを無くしても時間は止まらない。
夢が叶っても、美味しいものを食べても時間は止まらない。
時間は待ってくれないから、目の前で起こることを一つ一つ片付けていくしかない。
さて、家に帰って掃除をしよう。
ついでに非常時リュックの見直しも。
「君が泣いたって
紫陽花は咲くのです」