正義を貫け
今日は今月の企画の最後ということで、私が防衛大学校時代に他の学生を教育する立場のとき、その任を終えるにあたり最後に学生たちの前で話した内容を紹介します。
防衛大学校では例年入校式が終わってしばらくすると、1・2年生を対象に服務テストをしています。しかし、今年は昨年の反省を踏まえて全学年実施することにし、不合格者には学年関係なく再テストを課しました。
毎年行われる服務テストでしたが、その実態は形骸化しており意味のないものでした。例年であれば受験する必要がない3・4年生にとってはただの面倒なテストです。
最初から上級生の反発があるのは予想していましたし、実際やりたくないという声もありました。この時期に上級生の反感を買うのは、今後の運営にとって良くないというのも理解できます。
私自身少し弱気になっていたところ、同じ立場にいた同期にこんな言葉をかけられました。
「本当に必要なことならやるべきだ。上級生の顔色をうかがうようなことをしていたら下級生からの信頼を失う。それなら今までと何も変わらないじゃないか。俺たちの代で変えるんだろ!」
この言葉を聞いて、私は目が覚めました。自分が本当に何をやるべきかを考え、たとえ上級生の反感を買ったとしても、自分が正しいと信じた道を貫くことに決めたのです。
もちろん賛同してくれる上級生もたくさんいました。その結果と言えるかはわかりませんが、この勤務期間に服務規律違反を起こす学生は1人もいませんでした。去年とは見違えるくらい良くなり、指導教官たちからもお褒めの言葉をもらっています。
つまり、今日最後にみんなに言いたかったことは、自分の信じる正義を貫けということ。たとえそれが多くの反対にあうことだったとしても、自分がやるべきだと思うのなら最後までやり抜いてほしいと、そう思います。
それが仮に失敗してしまったとしても構いません。人間誰しも間違えることはあります。反省してまた次に進めばいいのです。自分でしっかり考えてやり抜いた経験は必ず今後の糧になります。
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