お茶、はじめよ。7月8日/温風到る

さてこのお茶日記、見事な3日(3回)坊主になっていました。メモ帳にはいろいろあるのだけど、全体のバランスや行間をきれいにするのが意外と手間でそのままになっている。完璧はむずかしいから、とりあえず出していこうと気を取り直してまたはじめます。

7月8日。本格的な夏に近づき、そろそろ徒歩で30分の道をいくのは厳しくなってきた。だけど今日は太陽が出ておらず風もあったのでまだいけるでしょうと歩いた。それでもしっかりと汗をかいたので来週からはバスにしようと決める。

さて今日のお稽古。

毎度のごとく玄関先で足袋に履き替えていると、これまではぶかぶかで気持ち悪かったのに、足にフィットしてきた。「洗えば縮むから」と言っていたけれど、こうやって自分の体に馴染んでいくんだなあと始めてから3ヶ月程度で嬉しくなった。なんだろう、買いたてのグローブが手に馴染む嬉しさに近い。

茶室へ移動すると、掛け軸は「夏雲多奇峰 」と書いてある。普段は読めないけれど、今日はなんとか視認できた。「夏雲は奇妙な峰のようなものが多いよね」という意味らしい。入道雲がもくもくとせりあがる様子を峰に見立てたのだろう。

今日の主菓子は「天の川」。上が深い青に薄紫のグラデーションが美しくてゼリー状に透けたお菓子で見た目が涼しい。ゼリーってだけで夏っぽいのがふしぎ。中に無数のお星様のようなくずがあり天の川を彷彿とさせる。

お花は笹と木槿(むくげ)で七夕を演出している。
木槿は日本のハイビスカス(韓国の国花らしい)だよと教えてくれる。白を基調にバカンス気分の桃色が気分を上げてくれる。細野晴臣の『恋は桃色』が脳内でゆっくりと流れる。

今日から桑小卓がおわり、低くて間口が広く中のお水がしっかりと見える水指へと変わった。棚はもはや置かないらしい。蓋が木でできており、見ていて軽やかだ。なんでも夏は暑いから、水を覗けるようにという気配りだそうでありがたいよね。

隣で薄茶をのむひとをじっとみる。紫陽花が色鮮やかにあしらわれた平茶碗が好きだった。お家でお花が入ったお茶碗を四季に応じて持っていたいなあ。

先輩に「今日のお点前は32点ですね」と言われる。
①お茶碗を左手でもつ、 ②茶筅を抜くときに持ち替えない「の」を描きながらそのまま抜く③茶巾を中に入れる時もそのまま抜く、がだめでしたと教えてもらう。まだまだである。
動画や人のお点前をなんとなく見ていただけでは、行為の継ぎ目が理解できてないことが多い。体得するしかないのだなあ。

また、みなさん夏でも着物をお召しになっていて羨ましかった。薄い青や濃いくすんだ赤など、女性陣の着物は見目麗しい。僕も夏と冬とで一つずつ欲しいなあ。

今日はこれにておしまい。夏には朝茶という早朝から始めるものがあるらしい。だれか早起きしてやってみませんか。

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