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【お笑い公演の新たな形】東京03リモート単独公演「隔たってるね。」

このコロナ禍の影響で最も大きな影響を受けた業界の一つであるエンタメ業界。以前から何度かこのnoteでも取り上げてきたように、音楽やお笑いなどで色々と新たな取り組みが始まっているが、昨晩また新たな試みがなされた。東京03のリモート単独公演がYoutubeで生配信されたのである。

東京03は、元々YouTubeでチャンネルを持っていて、過去公演を定期的に差し替えながら公開していて、多くのお笑いファンを楽しませてくれていたのだが、そんな東京03がサブチャンネル(東京03第2チャンネル)を急遽開設し、緊急告知を出したのは、5月19日のことだった。

【告知】

急遽生配信されたこの動画は、いきなり飲み会モードの角田さんはさておき、飯塚さんの口から「一週間後の誕生日に、リモートで東京03単独公演を実施する」ということが発表された。

どうやらこの自粛期間中に”趣味で”コントの台本を書いていた飯塚さんが、残りの二人を誘って稽古をしたところ出来が良く、せっかくなら多くの人に見て貰いたいと思って考えたところ、「どうせならコロナで中止になった単独公演をしてしまおう」という大胆な決断に至ったという。

このプロジェクト自体、二週間しないくらいのうちに本番まで急遽スケジュールが組まれたというが、この告知ムービーで一番感じたのは、何より三人が楽しそうでワクワクしている様子が伝わったことだった。そして、いよいよ本番が訪れたのである。

【本公演】

【打ち上げ】

というわけで、5月26日の19時(正確には5分押しの19時5分)に開始となったのが、この東京03リモート単独公演「隔たってるね。」だった。

三人+αがZOOMを使ってコントを繰り広げていくというこの試み。なんと通常の東京03単独公演と同じように、オープニングとエンディングにはテーマソングも流れていて、それを角田さんが生演奏するという試みも。リモートで演奏を合わせるのは音ズレの影響もあって難しいはずだが、本番は見事にギターとドラムが合っていたのが驚きだった。

さて本編のコントはというと、正にリモートという環境を最大限に活かしたストーリー。リモート会議で上司から怒られる部下、友人同士で集まってリモート飲みをする大人たちなど、正に今の自分がここ数ヶ月で体験してきたことを題材に、東京03ならではのニヤリとさせられるコントに仕上がっていた。

そして本編終了後はそのままリモート打ち上げまで配信。近年はM-1などでもネットで打ち上げを配信する試みはなされているが、このように単独公演をやってすぐに打ち上げを配信、というのはなかなかない試みで、かつそれが全てリモートというのはもちろん初だろう。

その打ち上げでは三人が「普通より緊張した」と語っていたり、何より「この状況でコントが出来て心底楽しかった」という感想が、嬉しそうな笑顔からも伝わってきて、見ているこっちまでほっこりし、またこれまで以上に東京03を好きになってしまった。ファンにはたまらないイベントだったと思う。

このように、通常の公演ができない、という不利をうまくポジティブに変換して、今だからできるお笑いを模索して最大限のクオリティを目指すというのは、先日の劇団ノーミーツにしてもしかりで、単なるファンの目から見てもとても刺激的であり、全力で応援したくなる試みだとも言える。コロナ禍だからこそ生まれたこうした価値ある作品が無いと、やってられないもの。

何よりこうしてしっかりと作りこんだ作品が、無料でアーカイブ配信してくれるというのも最高ですね。ただこれからも定期的にリモート公演を行い配信していくのであれば、是非マネタイズの仕組みも入れて貰って、全国に居るライブに足を運びたくても運べない人たちを、ずっと楽しませてほしいと思うのでした。だって東京に居てもチケット取れないんだもの・・・。

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