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【備忘録】2024年、旅とグルメと〇〇と
※ようやく完成しました! 約3.5万字!w
皆さま、明けましておめでとうございます。2025年、無事に来ました。
今回の年末年始は個人的にはだいぶ久しぶりにずっと自宅に居るということになっておりまして。
というのも、今回の年末年始は暦的に世間も9連休となっていて、恐らく皆さん遠出をしてると思うんですよね。そうなると、出来るだけ人混みを避けて旅行をしたい僕にとっては都合が悪いんですよね・・・。
それと同時に2025年はインプットよりもアウトプットを増やす一年にしようと考えていて、その手始めに色々と作業をしちゃおうじゃないかと思ったわけです。
ということで、2023年版は結局途中まで書いて下書きで一年経ってしまったこのnoteの更新、二年ぶりにやってしまおうじゃないかと。
合わせて今年は週1は何らかの記事をアップしていきたいと思ってます。
ということでその第一弾は、2024年の色々な思い出をジャンルごとにまとめた自分用の備忘録です。
今回も読んでくれた方に少しくらいは参考になればいいなと。
気になったお店や場所があれば、ぜひお気軽にLINEでもメッセージでもコメントでもください。
【2024年、行ってよかった場所10選】
2024年は全国28都府県を巡りました。2022年は27都道県、2023年は31都道府県という変遷です。久々に北海道に行けなかった一年でした。
仕事では相変わらず仙台出張が一番多く、名古屋も後半からは月一で行くことになった感じで、あとは沖縄と福岡、大阪が複数回。ただ地方での会食が増え、長野・上田市や愛知・豊橋市などでも食事を楽しみまして。今回の初夢がなんと会食をしている夢だったので、今年はもっと増えるんじゃないかと思います(笑)
その中からオススメしたい、行ってよかった観光スポットを今回も10ヶ所(+番外編8ヶ所)を紹介します。
①三沢市(青森県)
ここ数年、毎年のように青森には旅行に出かけていますが、2024年に初めて立ち寄れたのが青森県の三沢市でした。これまでは電車で通過するだけだったんですが、今回はレンタカーを借りて半日いろいろと巡ることが出来て、結構気に入ったんですよね。次は一泊してゆっくりしたいと思うくらいに。
そんな三沢市ですが、一番知られているのがやはり米軍や自衛隊の基地がある街、ということでしょうか。そういう意味では沖縄出身者としては親近感があったりします。
アクセスとしては旧JR東北本線、現青い森鉄道の三沢駅が玄関口となりますが、駅からだと市街地まで結構距離があるにもかかわらず市内バスがあまり本数が無くて結構不便。そのため東京などからであれば三沢空港までの空路の方が行きやすそうですし、空港から市街地までならタクシーですぐだったりします。
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そんな三沢の観光スポットは大きく3つかなあと思ってまして。まずは青森県立三沢航空科学館でしょう。館内外に色々な飛行機の実機やレプリカが展示されていて、中も見られたりしますし、子供が楽しめそうな体験コーナーなんかもあります。レールに吊り下げられて館内を滑空出来たりとか(笑)
その中でも個人的には、今や世界を代表する機体となったHondaJetの展示コーナー。初号機が寄贈されていて、HondaJetの開発の歴史と共に見ることが出来るんです。それが素晴らしい。HondaJet、国内だとそれほど知名度が無い気がしてますが、世界が絶賛する技術であり、その開発秘話も非常に素晴らしく、これを見るためだけにここに来ている航空ファンも多いのだとか。もちろん僕のように素人でも十分楽しめます。
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続いては、僕のような文学部出身や演劇関係の人にはたまらない、三沢市手田山修司記念館。三沢市出身である寺山修司の経歴や作品を知ることが出来るだけでなく、その世界観を大胆に表している建物や展示が素晴らしい! しかも一つ一つの展示を見るためには沢山並べられた机の引き出しを開けるという工夫がされていて飽きさせないんですよね。ほんと、オススメです。じっくり2時間くらいは居座れます。
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ちなみに寺山修司記念館の隣が三沢市歴史民俗資料館になっていて、それもそれでなかなか見応えがあります。特に考古学が好きなら。
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三沢市の観光スポット最後は、斗南藩記念観光村。斗南藩(となみはん)と言えば、戊辰戦争後、明治時代になってから会津藩の減封移封によって立藩された日本最後の藩であり、わずか2年で消滅したという幻の藩。その藩について展示した場所が三沢にあるんですよね。ちなみに斗南藩のほんとの場所はむつ市だったりの下北エリアです。とはいえ経った2年なので特に目立った史跡というものはないわけですが。
そんな中でなぜこの場所、三沢市に斗南藩の記念施設があるかというと、この公園がもともと藩士だった広沢安任という人物が斗南藩士のためにと日本最初の近代洋式牧場を開いた場所だから。その功績については、公園内にある先人記念館で展示されています。
それ以外にも敷地内には色々と遊べる施設があるほか、道の駅としてレストランやおみやげ販売なんかもあって色々と楽しめますよ。
ちなみに僕はお昼にこのレストランで斗南焼き定食なるものを食べました。いわゆるバラ焼きなんですけど、十和田のご当地グルメとして知られてますが、実は発祥は三沢市なんですよね。あとは気になるメニューとしてはエアフォースバーガーなんかもありましたね。
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最後に、今回は時間が無くて回れなかったんですが、三沢のご当地グルメがいくつかあり、次は必ず行きたいなと。
先ほども触れた、青森のご当地グルメである”バラ焼き”。その発祥のお店が「赤のれん」というお店で、平日はあまり営業していなくてなかなか行くのは大変ですが、是非行ってみたいお店です。
そしてもう一つが”チーズロール”。特製の皮でチーズを巻いて揚げるという料理(スナック?)で、これを出しているのが「NOODLE HOUSE MARUMIYA」。焼きそばや餃子も美味しいらしく、ここも次は必ず行きたいなと思ってます。
三沢空港を使えば、東京から一泊で十分楽しめる三沢の街、是非一度行ってみて下さい。
②盛岡(&紫波町)(岩手県)
岩手県の県庁所在地である盛岡市には過去にも一度行ったことがあったのですが、色々な縁もあって2024年は二度も訪れることになりました。そして盛岡市の南にある紫波町にも行きまして、気に入って今年の2月にも再訪することが決まっていたりします。
せっかくなのでまずは紫波町(しわちょう)から。紫波町は花巻市と盛岡市のちょうど間にある町で、人口は3万人超。実は全国でも注目されている街だったりします。
その理由はというと、全国で先駆けて公民連携(PPP)の手法を取り入れ、紫波中央駅の駅前の土地を公民連携で街づくりするというもの。それが大成功して人口も増え、街が活性化したことで、全国の市区町村から視察が絶えない状況なんですよね。そんな”オガールプロジェクト”の仕掛け人でもある岡崎正信さんと、旅の同行者が飲み仲間だという縁から、岡崎さん自ら紫波町の解説をしていただくという幸運にも恵まれまして。ご自宅も見学させていただいたり、どのような思いでプロジェクトを手掛けたかなど、ほんと色々な話を伺えました。
また紫波町のもう一つの思い出が、ネットを見て気に入り偶然泊まることになった古民家「宿はこや」が素晴らしかったこと。Airbnbでも大人気のこの宿に泊まり、ひょんなことから運営するご夫婦と飲み明かすこととなり、果ては11月に沖縄へ来ていただいて案内するという縁にもなりました。オガールに宿はこや、この二つだけでも紫波町は最高です。あと5つもの日本酒メーカーがあるのも最高ですね。何せ”南部杜氏”の生まれ故郷ですから。
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さて話は盛岡市に移りまして。盛岡と言えば盛岡藩の中心地で、日本百名城の盛岡城跡や、全国で良く知られる小岩井農場なんかがありますよね。そんな中、個人的にオススメだったのが、バスセンター。このバスセンターも仕掛け人は岡崎さんなんですが、めちゃくちゃオシャレで、ターミナルビルの2階が多くの人気店が入る飲食街になっていて、盛岡の誇るベアレンビールや日本酒、ワインなんかも楽しめます。そして3階はホテルというね。正直、盛岡に泊まるときは今後毎回そこを使おうと思うくらい気に入ってます。だって、美味しくお酒を飲んでそのまま上の階のスタイリッシュなホテルで泊まれるんですよ? 最高です。
そんで泊まった朝には、早くから神子田朝市に出掛けてひっつみ汁を食べる。良い朝の過ごし方だと思います。
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さて盛岡グルメ。盛岡には三大麺がありまして。それが盛岡冷麺にじゃじゃ麺にわんこそば。まあわんこそばは発祥が花巻なので置いておいて、残りの二つを紹介します。
盛岡冷麺は、皆さんご存知ですし全国でも食べられますが、生地に小麦粉と澱粉を使うことや、トッピングにスイカなどの果物を使ったり、キムチもカクテキを使うというのが特徴ですね。
有名な店舗は沢山ありますが、せっかくなんで元祖だと言われる「食堂園」の冷麺をご紹介。このお店、実は2024年のグルメベスト10にも選出してるんで、詳しくはこの記事の後半で。
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お次がじゃじゃ麺。たぶん盛岡三大麺の中で一番知名度が無いんじゃないかと思います。
どういう料理かというと、じゃじゃ麺用のうどんのような平麺の上に、ネギやキュウリ、特製の肉みそを乗せて混ぜて、そこにラー油やら酢やらを好みで入れて、自分で味を作りつつ食べるというもの。そして特徴はその後もあって、麺を食べ終わった後には、そのお皿にスープ(白湯)を入れて卵を流し込み、肉みそを足してかき混ぜて飲むというスタイル。これを「鶏蛋湯(チータンタン)」、略してチータンと呼ぶのだとか。
百聞は一見に如かず、ということで元祖のお店である「白龍」で食しました。注文の仕方が分かり辛くちょっとドキドキしたけど。盛岡の記念に一度はどうでしょう?
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さて盛岡グルメですが、実は三大麺以外にもありまして。一つが「ア・ラ・モンタン」というパスタ。これは「モンタン」というお店が出している料理で、トマトスープスパゲティですね。これがなかなか美味しい。高崎のスープパスタとはまた違った味わいです。
続いてが、全国のびくドンファンの間ではお馴染み。びっくりドンキー発祥店である「ベル」ですね。もちろんハンバーグも提供してるんですが、朝からしっかりとしたモーニングも楽しめます。ファンなら一度は行きたいお店。
続いてはレトロ喫茶。歴史ある盛岡の街にはレトロ喫茶も多く、それが映えるということで外国人観光客の間でも人気だとか。そんな中から、盛岡初の紅茶専門店である「リーベ」にて、優雅なミルクティーを楽しみました。
お次はテイクアウト部門。盛岡で70年以上にわたって人気なのが「福田パン」。ソウルフードにも選ばれているこのパンは、コッペパンに沢山の種類から中身を選ぶというもので、あんバターやピーナッツバターのようなクリームだけでなく、総菜系も充実していて、その数実に50種類だとか。そこにクリームの組み合わせも加わると、選択肢は無限大。盛岡駅やバスセンターの中も含めて市内にいくつかあるので、是非チェックしてみて下さい。
最後は居酒屋。たくさん飲み屋があってハシゴ酒も楽しいですが、個人的に良かったのが吉田類大先生も訪れた「どん兵衛」。沢山の地酒と共に、ここの名物のつくね焼きやメンチカツが旨かった!
というわけで、歴史もグルメもある盛岡の街、楽しめますよ!
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③伊豆大島(東京都)
12月の初旬に一泊二日で訪れた伊豆大島ですが、実はもともと6月に八丈島と青ヶ島に行く予定(結局強風でキャンセル)で、伊豆諸島で使えるお得なクーポン券のようなポイント「しまぽ通貨」を2万円分購入してしまっていて、その有効期間が12月10日までということで慌てて行ったという経緯がありまして。
そんな無理やり組んだ旅行だったんですけど、これが最高でした。東京からこんなに近いのにこれまで行っていなかったことを後悔したほど。今度は仲間とワイワイ行きたいなあと思ったものです。
そんな伊豆大島、何が良かったかというと、何といっても雄大な自然ですね。浜松町の竹芝桟橋から高速船で2時間弱にもかかわらず、海は沖縄や奄美とはまた違って綺麗だし、地層の断面がくっきりと見える地層大切断面は見事だし、三原山に登れば火口近くまで行ってのぞき込めるし。でも何といっても裏砂漠ですね。ここが本当に凄かった。普段ほぼ撮らない自撮りを撮ってしまうくらいに。
僕が行ったのが金曜日の夕方だったからなのか、全く人が居なくて、砂漠を歩いているときは本当に世界の果てに来た気分。しかもその日は強風注意報が出ていて(それで船も欠航していた)、あまりの風に呼吸が出来ないくらいで、しかも飛ばされそうになったし。強風にあおられながら必死で展望台(というより砂丘の頂上)までゆっくりと歩き、周りに人ひとり居ない景色を眺めると、ここが本当に東京なのか、いや日本なのかと思わずにいられない感覚でした。生きてて良かったなあっていうね。
人気スポットなので、ここまで人が居ないという状態は珍しいとは思いますが、それでもこの絶景を見るためだけに伊豆大島へ行くのも間違いないと思います。
ちなみに裏砂漠、国土地理院発行の地図の中で、国内唯一”砂漠”という表記がある場所です。鳥取は砂丘だしね。
それ以外の見所としては、大島椿の椿園や資料館があったり(12月だとほぼ咲いてなかったけど)、泉津の切通しと呼ばれる珍スポットがあったり。
かの有名な「伊豆の踊子」の踊子たち旅芸人一家の出身地である波浮港には資料館などがあって風情のある港町で、次来るときはこのエリアで泊まってみたいと思うくらい好きな雰囲気だったなあ。
島内には、島流しになった源為朝関連の史跡もあったりするし、島内の主要な神社である波治加麻神社、大宮神社、波布比咩命神社はどれも趣があって参拝するのもオススメ。
そしてフェリー乗り場から徒歩10分くらいにある御神火温泉では、帰る前にサッパリできますよ。もちろん風呂上がりのビールも最高。
そんな魅力たっぷりの伊豆大島。週末にふらっとどこかに行きたいと思った時には是非! ちなみに天気が良ければですが、レンタカーよりレンタルバイクの方がオススメです!
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最後に島グルメも触れましょう。
伊豆大島の名物はべっこうすしに明日葉料理。べっこうすしは、昔わさびが手に入らなかった時に生み出されたと言われていて、寿司のネタを青唐辛子を溶いた醤油タレに漬けて食べる寿司で、ネタは季節によって色々。漬け丼のようにしたべっこう丼もあったりします。これがなかなか旨い。
明日葉は色々な料理に使われているけど、今回食べたのは明日葉天ぷら。岡田港そばの一峰でどちらも美味しくいただきました。
波浮港にも色々ありまして。ビール好きにはたまらない地ビール、Habuminatö BrewëryはIPAとペールエールの2種類! 醸造所では生でいただけますが、バイクの運転があるのでTシャツを買いました。ちなみに瓶は港のお土産屋さんでも買えます。
人気のカフェ島京梵天では、明日葉たいやきが食べられたり、鵜飼商店では注文してから揚げてくれるコロッケ&メンチカツが楽しめます。
そして一番の中心地である元町港では、魚味幸で食べたポテトフライが旨過ぎてお代わりしそうになったほど(笑) もちろん新鮮な魚も美味しかったんですけどね。オススメの居酒屋です。
最後のお昼に食べたのが、Googleマップで見つけた牛めし屋さん、牛めし元。濃厚なタレに漬けられた牛肉、鶏肉、豚肉のMIX丼がめちゃくちゃ美味しかったんですよね。近所にあったら通いそう。牛めしだけじゃなくて中華そばや朝食メニューもあるみたいなんで、ふらっと立ち寄るには最高な気がします。
グルメの最後は、島酒、御神火。麦焼酎と芋焼酎があります。残念ながらコロナ禍以降は酒蔵での店頭販売や試飲はしていないんですが、島内の飲食店だとほぼ飲めると思うんで是非。
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④小松市(石川県)
さて前述の通り、元々は6月に八丈島と青ヶ島に行く予定でして、出発当日の朝、羽田空港行のバスの車内で八丈島行きのフライトの欠航を知ったわけですが、これが自宅であれば諦めもつくものの、こっちはもうあと15分くらいで羽田空港に到着しちゃうわけですよ。しかももう荷造りを終えた旅の荷物も持っている。となるとどこかに行かなきゃでしょう!
ということで急遽選んだのが小松空港。なぜ小松空港にしたかというと、空港での待ち時間が最も短かったから。そんなこんなで午前中のうちに小松空港へと到着し、羽田の待ち時間の間に立てた旅程をレンタカーで回るのでした。旅自体は以前からGoogleマップに「行きたい」登録していた場所を中心に、急遽の旅とは思えないくらいのタイムスケジュールで色々巡ったんですが、その中でも今回の旅の玄関口となった小松を堪能したんですよね。
まず小松空港から小松駅までのバスが自動運転というのがビックリで。
そんな小松ですが、一番のオススメは小松空港隣の石川県立航空プラザ。フライトシミュレーターや政府専用機の貴賓室を見ることが出来ます。もちろんこういった施設に付き物の子供向けアトラクションもありますよ。こうやって飛行機好きになっていくんだろうなあ。
あと圧巻だったのは飛行機の模型がショーケースで大量に展示されていること。模型好きにもオススメです。
そんな航空プラザのすぐ近くには、歌舞伎の名作「勧進帳」の舞台として有名な安宅関があります。弁慶と義経の逃走劇の話ですね。それもあって弁慶や義経の像が立ってます。あとは資料館もあったり、海沿いにベンチがあったりで公園として整備されています。
安宅関から少し北に行くと、能美市にはなりますが、松井秀喜ベースボールミュージアムがありまして。僕は野球はそこまで詳しいわけではないんですが、星稜高校から巨人、そしてメジャーリーグという松井さんの経歴を知れてなかなか面白かったですね。野球好き、巨人好きならたまらないでしょう。
ちなみに小松から車で近いということで行けば、戦国好きには有名な上杉謙信と柴田勝家率いる織田軍が戦った手取川合戦場もあるし、陶芸好きにはオススメの九谷焼が買える九谷陶芸村もあります。
話を小松に戻しまして。その他の見所としては、”こまつ曳山”が見られるこまつ曳山交流館みよっさが駅前にあったり、石垣だけしか残っていませんが、小松城跡がありますね。そして2024年に敦賀まで延伸した北陸新幹線に合わせて駅が整備され、駅ビルにはオシャレなお土産屋もオープン。後述の街グルメも合わせて、飛行機でも新幹線でも立ち寄ってみるのがオススメです。
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小松グルメの代表格といえば、やはり金沢カレーの代表格の一つであるカレーの市民アルバの本店で食べるカレーでしょう! ちなみにアルバでは金沢カレーではなく加賀カレーと言ってたりします。ボリューム満点の満塁ホームランカレーは、これでもかというトッピング量です(笑)
もう一つ、小松市民に愛されているのが餃子菜館勝ちゃんの塩焼きそばと餃子のセット。これがソウルフードということで、確かに旨い! ビールと共に美味しくいただいたのでした。
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⑤敦賀市(福井県)
お次は、2024年の3月に北陸新幹線が延伸して注目された敦賀。5年ぶりに訪れました。
前回は新潟から富山、石川、福井、そして京都まで回るルートだったので、最低限の観光しか出来なかったんですが、今回はしっかりと回ることが出来ました。
まずは大好きな神社の一つである、越前国一宮の氣比神宮。とても広くて、なんといっても敷地内の空気が清々しい感じがして、参拝するたびに元気をもらえる気がします。
同じく”気比”の単語を使う気比の松原も昔ながらの有名スポット。ただ僕が伺ったタイミングは雨模様で、魅力は半減していた気がします。でも晴れたらキレイなんだろうなあ。海水浴も出来るような感じでした。
敦賀の街を歩いていると、至るところに松本零士の作品の銅像がありまして。これは別に松本零士さんの出身地とかではなく、敦賀港100周年を記念しての事業で、宇宙戦艦ヤマトと銀河鉄道999のモニュメントを28体も設置したのだとか。これがかなりしっかり作りこまれていてファンには嬉しい銅像だったりします。
さて、敦賀市内にもいろいろと施設がありまして。敦賀赤レンガ倉庫では敦賀駅を模した大型のジオラマがあってかなりに見応え。これはジオラマ好きじゃなくても楽しめるやつです。レトロなおもちゃも合わせて展示されています。
そして敦賀ムゼウムでは、大正時代に杉原千畝氏が発給した「命のビザ」のおかげで日本に来ることが出来たユダヤ人が敦賀から入国したということで、それらの資料館になってます。杉原千畝氏、凄い。
その他にも、みなとつるが山車会館であったり、敦賀鉄道資料館だったり、もちろん敦賀市立博物館も含めて、色々な見所が市内にもありますね。
そして敦賀と言えば、史跡が多いことでも知られていまして。敦賀城は関ヶ原合戦の主役の一人である大谷吉継が治める城でしたし、織田信長が九死に一生を得たことで知られる金ヶ崎の退き口(撤退戦)の舞台でもあるし、歴史好き、戦国好きだと十分楽しめる土地だったりもするんですよね。
そんな敦賀、延伸した新幹線に乗るついでに降り立ってみてはいかが?
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さて、敦賀グルメをご紹介。福井を代表するご当地グルメである福井のソースカツ丼。その発祥店であるヨーロッパ軒は、敦賀にものれん分け店舗があり、敦賀ヨーロッパ軒として人気店になっています。僕は福井市のヨーロッパ軒も食べていますが、敦賀の方が甘めですね。好みはそれぞれかと思いますが、どちらも大人気なのは間違いないですね。
そしてそんな敦賀で僕が行きつけに(といっても5年で2回ですが)しているのが、敦賀駅前にある老舗おでん酒場である「まごころ」。吉田類さんも訪れた名店で、なんといっても大将が味があって。2024年も5年ぶりに訪れましたが、その温かさは変わっていませんでした。敦賀の街で飲むときは是非。常連さんも温かく迎え入れてくれると思います。
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⑥長浜市(滋賀県)
2024年に最もしっかり回ったエリアが滋賀県で、これまでは琵琶湖の南部分や大津をちょっとだけ周ったくらいだったんで、夏休みは一週間滋賀に居座りまして。
そんな中で最も滞在していたのが長浜市でした。
長浜と言えば何といっても豊臣秀吉、当時だと羽柴秀吉が整えた城下町ということでしょう。元々は”今浜”という地名だったこの地を、織田信長から一字を貰って長浜にした、というのも有名な話。そうしたこともあって、いまだ長浜市民に秀吉は愛されていて、駅からすぐには秀吉像があるし、そこから少し歩くと秀吉を祀った神社(豊国神社)もあります。
町の中心はやはり秀吉が人生初めて居城として築城した長浜城。ただ、今立っているのは模擬天守だったりします。とはいえお城からの眺めは良いんですけどね。
そしてその城がある豊公園の近くにも観光スポットがいくつもあって、140年前に建てられた迎賓館である慶雲館は見事な庭園が素晴らしく、日本で最も古い駅舎である旧長浜駅を使った長浜鉄道スクエアは色々な資料や機関車実物の展示なんかもありますね。
城などの反対側には黒壁スクエアがあって、観光客向けの色々な土産店だったり飲食店が並んでいて良い感じ。人出も多かった。通りの中には海洋堂フィギュアミュージアム黒壁龍遊館があり、エヴァやケンシロウなどが出迎えてくれて、中にはもちろん沢山の海洋堂フィギュアが展示されていて、マニアにはたまりませんな。
あとは曳山博物館もあって、長浜の曳山も見物できます。しかし今回いろんなエリアで曳山を見ているような。
さて長浜のもう一つの見所は、長浜港から船で渡る竹生島でしょう。小さい島ながら島内にいくつもの寺社があり、その中でも都久夫須麻(竹生島)神社の本殿と唐門は国宝に指定されていて、他にも重要文化財指定の建物がいくつもあります。島自体は1時間くらいあれば回れるので、長浜から数時間あれば楽しめる、オススメの島です。
長浜はそれだけではありません。中心地からは少し離れてしまいますが、これまた戦国好きにはたまらないスポットがいくつも。秀吉と柴田勝家が戦った賤ヶ岳にはリフトで山頂まで登れて余呉湖や琵琶湖の絶景と共に古戦場に思いを馳せることが出来るし、浅井家の居城であった小谷城跡とその周辺の施設は見所があるし、その浅井家・朝倉家の連合軍と織田家・徳川家の連合軍が戦った姉川合戦の古戦場もあったり、日本最大の火縄銃の生産地であった国友村にも資料館があったりします。
あとお隣の米原市には、石田三成と秀吉が出会った場所だとされる観音寺もあったりして、もうお腹いっぱいになるくらいの施設が満載。これは車を借りて好きなだけ周るといいと思います。
なお市内の高月町には、国宝の十一面観音菩薩像がある渡岸寺観音堂と、そのすぐ近くには重要文化財の仏像などを展示する高月観音の里歴史民俗資料館もあったりするんで、仏像好きにもたまらないということですよ。
ほんと、様々な分野での知的好奇心をくすぐられる街、それが長浜なのです。
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長浜グルメは二つご紹介。全国的にも人気のクラフトビール&ウイスキーがあるのが長浜浪漫ビールは直営レストランでビールもウイスキーAMAHAGAN(長浜NAGAHAMAの逆読み)も飲めるのが最高です。料理も本格的で大満足のお店で、もちろんお酒はテイクアウト可能です。
もう一つは、滋賀県のご当地グルメである「とりやさいみそ」を出してくれる琵琶湖食堂。この店が元祖です。そのとりやさいみそ、見た目通りのシンプルな鍋なんですが、お店では牛肉、豚肉、かも肉、鶏肉、ホルモンから選んで大量の野菜とともに味噌味で楽しみ、最後は麺を入れて〆。これぞ長浜の味って感じですね。
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⑦吉野町(奈良県)
吉野にはずっと行きたいと思ってたんですよね。南北朝時代には南朝が置かれ、高野山や熊野古道と共に世界遺産にも選ばれている吉野。もちろん桜の時期に一番行きたいわけですが、かなりの混雑ということも、泊まるところも少ないって聞いていたりしてそこはなかなか難しく。そんなこんなで何年も経ってしまった僕に、2024年は絶好のチャンスが巡ってきたのです。
人気ウェブライターのヨッピーさんとはよく仕事でもご一緒していて仲良くさせてもらっているんですが、そのヨッピーさんの祖父母宅が実は吉野の宮滝地区にあり、そこに毎年何回か家族や友人達と泊まりに行っているようで、そこに招待いただいたんですよね。
というわけで7月に初の吉野へ行くことになったわけですが。まずは皆さんと合流する前に、初吉野ということで一人で色々と巡ってみます。
大阪方面から近鉄吉野線でいったん吉野駅まで。そしてそこから吉野ロープウェイにて吉野山駅まで登ります。駅を出たらすぐに観光地のような感じで、お土産屋さんにお食事処や観光旅館などもありますね。そこからは歩いたりバスに乗ったりしながら回ります。どこまで回るかではありますが、いわゆる奥千本と呼ばれているエリアまで行こうとすると、歩くと数時間かかってしまうので、バスか車か、になるでしょう。
そしてすぐに出迎えてくれるのが、重要文化財に指定されている銅の鳥居です。ある意味ここが吉野の入り口のようなものかもしれません。
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ここからは順不同で紹介すると、まずは書院が重要文化財に指定されている吉水神社から。ここは歴史上でも重要な場所で、後醍醐天皇の行在所だったり、源義経が潜んだり、豊臣秀吉が吉野の花見の際に本陣を置いたりと、多くの偉人たちが訪れている場所。拝観するとそれらの部屋などを見ることが出来ます。あとびっくりするのが参拝の方法。通常の神社だと二礼二拍手一拝、出雲大社だと二礼四拍手一拝だと思いますが、ここだとなんと二礼十七拍手一拝! なんでも祀られている十七神に拝謝を表すためのものだということで、十七回拍手するのもなかなか大変です(笑)
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お次は国宝が二つ。吉野のシンボルでもある金峯山寺蔵王堂はスケールの大きいお堂で、今の建物は16世紀末に再建されたもの。まだ秀吉存命中です。
中には三体の蔵王権現像があってかなりの迫力。是非中に入って見てみて下さい。
吉野にあるもう一つの国宝建築、金峯山寺仁王門は残念ながら暫く修理工事中ということで全く見られず残念・・・。でもまあまた次に伺う理由になったということで。
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吉野には他にも多くの寺社がありまして。
吉野の入り口にあるのは、明治時代に建てられた、後醍醐天皇を祀る吉野神宮。多くの参拝客で賑わっていました。
吉野の真ん中あたりに位置しているのは、本殿や楼門、回廊などが重要文化財指定の吉野水分神社。本殿が三殿一棟という桃山様式建築になっていて特徴的でした。
吉水神社と吉野水分神社の中間あたりに位置する(とはいっても通り沿いではないので結構歩くけど)のが、後醍醐天皇の御陵がある如意輪寺で、楠木正成の子、楠木正行が最後の戦いへと出陣した地で、石像や身に着けていた武具などがあるので、南北朝に興味がある人はたまらない場所。
そして吉野の奥に位置しているのは、金峯神社。義経が隠れたと言われている場所もあったりするくらい、山道の中にあって、ちょっと熊が怖くなりビクビクしながらの参拝となりました。しかも周りにあまり人が居ないし。
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さて、ここからは夏の吉野名物、宮滝での川遊び。僕は過去に海でおぼれたトラウマから全く泳げないんですけど、「大丈夫、大丈夫」って言われて、ヨッピーさんと仲が良く僕も仕事でご一緒しているインフルエンサー兼マーボー豆腐職人の5歳さんが漕ぐボートに乗ったんですが、あっという間に転覆して、ライフジャケットのありがたみを身をもって知りました。あと「人を簡単に信じてはいけない」っていうのも思い出しましたね、えぇ。
でもまあ「ヤバイ!」ってなってすぐに何人かが助けてくれて問題は無かったんですが、さすがに懲りたのか、5歳さんの息子さんが安全運転で川下りに付き合ってくれました。30歳近く年下の子に命運をゆだねるオッサンです・・・。でもなんだかんだ久々の川遊び、楽しかったなあ。
そして夜には、ちょうどその地域で燈籠流しをするということで参加させてもらいました。自分たちで燈籠を組み立てて、それを川に流してもらうんですけど、夜の闇の中を燈籠がゆらゆらと灯りながら流れていく姿はとても幻想的で素敵でした。良い夏の思い出です。
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さて、最後に吉野のグルメです。まずは何といっても柿の葉寿司でしょう。吉野に本店がある有名店が平宗で、お昼なら店内で食べられるのですが、朝に訪れたのでテイクアウトのみ。車の中で食べました。
吉野では他にも葛きりや葛うどんも名物なのですが、今回は食べられず。食べられずと言えば、宮滝地区には全国からラーメン好きが押し寄せる有名店ラーメン河があるんですが、結構営業日が不定休で、残念ながら訪れた日はお休みでした・・・。リベンジしたい。
そして吉野”町”ではなく吉野”郡”で人気の温泉である洞川温泉で作られているクラフトビールも、吉野のお土産屋さんで買えました。その名も山わらうエールに山ねむるエール、山したたるエール! 瓶では飲みましたが、いつか洞川温泉に行って風呂上りに飲みたいものですなあ。
そんな、もう一度行きたくなった吉野の旅でした。
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⑧大田市(島根県)
2024年最初の旅は、山陰山陽への旅でした。1/2には羽田で事故が起きたわけですが、その翌日の1/3早朝に、その事故機を見ながら飛び立ったのを覚えています。
米子空港に降り立って鳥取県内を色々巡った後。松江や出雲を経由して辿り着いたのが島根県の大田市。その思い出をまとめたいと思います。
大田市と言えば、何といっても世界遺産の石見銀山でしょう。玄関口である大田市駅でも大きく取り上げられています。あと文化遺産でもある石見神楽。
そんな大田ですが、主要な観光スポットはだいぶ駅から離れているので、レンタカーでの観光がオススメです。今回はそのレンタカー旅となりました。
まず車で向かったのは、駅から東側、山側にあるさんべ縄文の森ミュージアム。4000年以上前の噴火によって地下に埋もれてしまった杉が当時のままで発見された場所で、縄文時代の森がそのまま展示されています。
縄文時代の杉と言えば、屋久島の縄文杉が頭に思い浮かぶと思いますが、こちらで見ることが出来る杉は地下に埋没して成長は止まっているので縄文杉のように巨木というわけではありませんが、何本もの杉が当時のままで残っているのでより「縄文時代の森がどうだったのか」を想像するには向いていると思います。何だか感慨深く感じてしまいました。
さんべ縄文の森ミュージアムから車ですぐのところにあるのが、島根県立三瓶自然館サヒメルです。三瓶火山を中心に島根県の自然について展示されていて、プラネタリウムもあったりします。
その中でも見所のひとつが、リャンコ大王のはく製。昭和初期に漁師たちに恐れられていたニホンアシカで、成獣のはく製は世界でもこの一体のみ。何より「リャンコ大王」というネーミングが記憶に残りますよね。他にも絶滅した大型哺乳類であるデスモスチルスの化石なんかもあるので、興味のある人にはたまらないスポットだと思います。子供連れにもオススメ。
そんな三瓶エリアから西に少し戻るとあるのが、石見国一宮である物部神社です。古代の大豪族として知られる物部氏の御祖神である宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)を祀っていて、513年の創建という歴史ある神社。島根県内では出雲大社に次ぐ規模ですね。出店もあってだいぶ賑わっていました。
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さて、ここからが大田市の本命、世界遺産である石見銀山へ。大田市駅からだと南西に車で20分くらいの距離です。駅からはバスも出てるみたいですね。
まずは世界遺産センターで石見銀山についての基礎知識を学びます。ただ注意が必要なのは、この世界遺産センターから実際の石見銀山までだいぶ距離があるんで、車じゃないと移動が厳しいということですね。
石見銀山のエリアに入ってまず見えてくるのが、”いも代官ミュージアム”こと石見銀山資料館。初代の銀山代官であった大久保長安(歴史好きには有名ですよね)から始まる石見銀山の歴史を知ることが出来ます。ちなみに「いも代官」とは第19代の代官であった井戸平左衛門のことで、蔑称ではなく敬称。というのも享保の大飢饉の時にサツマイモの栽培を導入して地域の多くの人々を救ったからのようです。
ちなみに石見銀山資料館の近くには城上神社があって、拝殿の天井には立派な龍の絵があって結構見応えがあります。
資料館から石見の街並みを歩くと見えてくるのは熊谷家住宅。エリアで最も大きい民家で、中も見学できます。ちなみに街歩きは結構距離があるのでレンタサイクルもあったりして借りている人も多かったんですが、僕はお酒も飲みたいので歩きでした。
そんな感じで歩いていると辿り着くのが羅漢寺。ここの五百羅漢が有名で、世界遺産の構成要素でもあります。
羅漢寺と言えば大分の耶馬渓が有名(僕も行ったことがあります)ですが、こちらの羅漢寺の五百羅漢も立派! 残念ながら写真は撮影できないのですが、岩窟の中にずらっと並ぶ羅漢像は一見の価値ありです。
羅漢寺を通り過ぎて歩き続けていると、次に見えてくるのが清水谷製錬所跡。ここがある意味最も遺跡っぽいというか、ファンタジーっぽいですよね。まるで要塞、古城みたいな感じもします。とはいっても明治に作られたものなのでまだ100年も経ってないんですけどね。明治28年から建築されたもののたった1年半で操業停止したという悲しい歴史も。
メインの道からわき道を少し歩かなければいけないんですが、これは行かないともったいない。ちゃんとした案内板もあるし近くまで行って見ることが出来ます。
さあいよいよ到着するのが、石見銀山のメインである龍源寺間歩です。ちなみにいも代官ミュージアムからだと徒歩で1時間近くかかります。色々見ながらだと1時間半から2時間くらいは見た方がいいですね。急いでる場合はレンタサイクルや、運行されている”ぎんざんカート”という6人乗りの周遊カートを使うといいんじゃないかと。その辺は石見銀山の公式サイトに詳しく載ってます。
話を戻して龍源寺間歩です。ここがメイン、というのも常時見学できるのがこの間歩なんですね。”間歩(まぶ)"とは鉱山の掘り口のことです。
長さは600mにも及ぶ、江戸時代中頃に開発された遺構なんですが、まだ銀の鉱脈を確認できます。現地では無料のガイドさんが居て、何組か一緒に解説してくれます。当時はノミでどれだけ大変な思いをしながら掘っていたかを説明してくれるんで、当時に思いを馳せることが出来るんじゃないかと。少なくとも僕は働きたくないですね・・・。
ちなみに石見銀山で最も大きな規模の間歩は大久保間歩なんですが、限定ツアーの開催日に予約しないと見ることが出来ないので、行く方はチェックしてみて下さい。僕が行ったタイミングは受け付けてませんでした。
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さて大田の魅力はこれだけではありません。石見銀山とはまた別でユネスコに登録されているのが、”石見神楽”です。石見神楽は同じく石見地方の浜田市含めて色々なところで見ることは出来るのですが、毎週土曜日に見ることが出来る場所が、石見の名湯である温泉津温泉です。
温泉津の街は、戦国時代から石見銀山で採れた銀を運び出すための港町として栄えていて、また山陰道の宿場町でもあったので温泉地としても知られていたようです。そして世界遺産の構成要素として実はこの街並みも選ばれていたり、温泉街として初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれてたりと凄い場所だったりします。まあ、実際に歩いてみるとちょっと寂しい温泉街ではあるんですけどね・・・。趣がある、とも言えます。
ちなみに温泉津温泉には共同浴場が二つあって、薬師湯と元湯泉薬湯なんですが、どちらも熱々でオススメです。でも営業開始時間のはずの朝6時に行っても地元の人で既に一杯でした(笑)
そんな温泉津の街で石見神楽が見られるのが、温泉街のちょうど真ん中あたりに鎮座する龍御前神社。ここで予約をすれば、毎週土曜日の夜に素晴らしい奉納神楽を見ることが出来ます。
そして夜の神社の境内で見る石見神楽、本当に素晴らしかった。この日上演されたのは三演目で、八幡・恵比須・大蛇でしたが、どれもストーリーも分かるしユニークだし、そして最後の演目である大蛇は舞台全体を使った大立ち回りで大迫力。これは一度実際に見て貰わないとその感動は伝わらないと思いますが、ほんと生きてる間に一度は見て欲しいですね。
こうして素晴らしい神楽を見て、温泉で体を癒す。温泉津の街も大満足でした。
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最後に大田グルメをご紹介。
西に向かう海岸線の道路沿いにあるお店、「海の店ささき」の名物は、”大田の大あなご”を使った穴子天丼。これが本当にでかい! 写真でも伝わりますかね? とりあえずこのままだと到底食べられないんで、別皿にて半分に切っていただきます(笑)
温泉津では、日本酒「開春」を醸造している若林酒造さんで地酒を買うのがオススメ。新年に縁起のいい名前ですよね~。地ビールも作ってます。
そんな開春や地ビールもお店でいただけるのが、温泉津温泉街の入り口にある「港の食堂KAN」。この日は夕飯をいただきましたが、朝ごはんも食べられる貴重なお店です。素泊まりで温泉に泊まってここで朝ごはんというのも良さそう。
そんな大田のグルメでした。
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⑨津和野町(島根県)
前述の温泉津の後に訪れたのが島根県の津和野町でした。津和野町、実は数年前の山口旅行の際に訪問する予定だったんですが、大雨の影響でJR山口線が止まってしまい、泣く泣く諦めてたんですよね。数年越しのリベンジでした。
津和野といえば、小京都として有名な街。江戸時代には津和野藩として栄え、その面影が今でも残っていて日本遺産及び国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。
そんな津和野ですが、実は江戸時代から明治初期にかけては長崎・浦上の潜伏キリシタンがこの地に配流されて拷問や私刑を受けることになったという悲しい歴史があり、そこが乙女峠であり、今では殉教史跡として聖堂や像が建てられていた李します。街中の津和野カトリック教会も、その痛ましい歴史を踏まえて昭和になって建てられた教会とのこと。小京都の街並みにある教会はこういう歴史があるんですね。
街中には日本遺産センターもあって、その中で津和野地方の歴史や文化が学べます。そんな中で興味を惹かれるのが”鷺舞”。祇園祭の一種である鷺舞は津和野の代名詞として重要無形文化財にも指定されています。センターでは鷺舞の服装も見ることが出来ますが、かなりユニークで他の土地では見たことが無い感じです。駅の近くにはモニュメントもありますね。
あとは大田などと同じく津和野でも石見神楽はあります。
さてそんな津和野の名所として全国的に知られるのが、多く連なる赤い鳥居で有名で日本五大稲荷にも数えられる太皷谷稲成神社。江戸時代に津和野藩主が伏見稲荷から勧請を受けて出来ているので歴史としてはそこまで長くないものの、今では島根県内でも有数の参拝客数を誇り、表門からは約300段の石段を登りつつ約1000本の鳥居を潜って参拝するわけなんですが、実は車だと上まで登れたりするんで、誰でも気軽に参拝できるのが人気の秘訣かもしれません。あと”稲荷”を”稲成”と表する日本唯一の稲荷神社だとか。
そもそもこの神社は津和野城の鬼門にあたる場所に建てられたということもあって、実は神社のすぐ近くに津和野城跡行きの観光リフトがあるんですね。それでリフトを上がったところにあるのが、津和野城跡。津和野藩の中心として江戸時代に250年近く使われた城ですが、廃藩置県で廃城となったものの立派な石垣は残っていて、それらも評価されて日本100名城にも選ばれています。
というわけで、小京都の街並みに潜伏キリシタンの遺跡、そして神社に城跡と見所の多い津和野。今回は行けなかったんですが、森鴎外の出生地ということで森鴎外記念館もあったりするんで、文学好きにもオススメですね。
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さて、津和野グルメです、ご当地グルメとしては、”うずめ飯”というのがありまして。”日本五大名飯”なるものにも選ばれていたりします。
今回は「沙羅の木」さんで食べさせてもらいましたが、具をごはんの下に隠して食べるお茶漬けのような料理です。ちなみに具を下に隠すというのが沖縄の宮古島で食べられる”宮古そば”に似ていて個人的には嬉しかったですね。しかもなぜそうしたかの理由も似ていて、うずめ飯は”倹約令”のため、宮古島は高い年貢のために、どちらも質素に見せるために隠したということのようです。味も上品でほっとする味でした。
津和野の銘菓といえば”源氏巻”。カステラのような生地に餡を平たく包んだお菓子で、お茶を飲みたくなる味。津和野では現在10ヶ所以上で製造されているのだとか。それも人気の表れですかね。今回は元祖を名乗る”元祖源氏巻総本舗 宗家”で購入しました。ここでは作り立ても食べられるということで、行列が出来るほどの人気でした。食べ歩きしましたが旨かった!
最後は地酒の紹介です。津和野の地酒は三つの酒蔵があり、どれも街中にあるので蔵で直接試飲なども出来るのが嬉しいところ。今回は”初陣”を造っている古橋酒造で色々と試飲させてもらい、めでたい龍が描かれた限定ボトルと、帰りの電車で飲む用のミニボトルを購入しました。初陣、とても美味しかったんで、今度は津和野に泊まって三蔵の飲み比べもしたいところです。
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⑩小豆郡・香川郡:小豆島・豊島・直島(香川県)
最後は香川県の島々から。ゴールデンウィークを利用して、香川県の色々な島に渡ってきたんですが、その中で小豆郡と香川郡に属する3つの島について紹介しましょう。結構有名な島も多いですしね。
まずはそんな船旅の玄関口から。高松港のフェリー乗り場です。ここからほとんどの島に渡れます。今回は紹介しませんが、この旅では男木島と女木島にも行きました。
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さて、まずは今回紹介する三つの島の中で最も大きい(瀬戸内海の島全体でも淡路島に次いで二番目の大きさ)小豆島から。
小豆島といえば、日本のオリーブ栽培が始まった地であり、それを使った日本三大素麺の一つ、小豆島素麺が名物グルメであり、他にもエンジェルロードや寒霞渓などの見所もある島。結構広いんで、港でレンタカーを借りて島内を巡ります。
ちなみに小豆島は大きいこともあって島内にいくつも港があって、それぞれから船が出てたりするんですが、最も大きい港が土庄港で、そこから車ですぐ到着できるエンジェルロードにまずは向かいました。
「天使の散歩道」なるロマンチックな名前もつけられているエンジェルロードは、1日2回の干潮時にのみ海の中から現れる砂の道で、弁天島までの道のりを歩いて渡ることができます。時間によって、ですが。
そのエンジェルロードが出現するタイミングは、観光協会のサイトで掲載されているので、その時間に合わせて行くのが鉄板。僕もその時間に合わせて港から直行したんですが、ちょっと早すぎたのか完全には繋がらず。日中は上から眺めるだけになったんですが、リベンジとしてその日の夜に訪れたら、逆にしっかりと道が繋がりすぎて風情がないというね・・・。ネットなどの写真のような綺麗な道を見るには、結構タイミングを見計らう必要がありそうです。
なお、この時(2024年GW)は道の先の島には「地滑りで危険」ということで入れないようになっていました。
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続いて向かったのは島の南の真ん中あたりにある小豆島オリーブ公園。ここは小豆島の、というより日本のオリーブ栽培が始まった場所で、実際に公園内にはたくさんのオリーブの木があります。そして公園内には風車だったり石像だったり、郵便ポストがオリーブ色だったり、実写の「魔女の宅急便」の舞台になったということで、キキになりきれるセットもレンタルできます。道の駅でもあるので、小豆島の名産品が買えるし、記念館では小豆島のオリーブ栽培の歴史も知れたりと、外せない施設ですね。
そしてそんなオリーブ公園から東へと進んで南へちょっと行くと、小豆島が誇る醤油メーカーであるマルキンのマルキン醤油記念館がありまして。マルキン醤油は業界6位のシェアを誇る大手醤油メーカーの1社で、木桶の保有数では日本一。関東ではあまり見かけないかもしれませんが、関西を中心にスーパーなどでよく見るようで。まあ関西は千葉県に大手メーカーが3社もありますからね。
記念館は築100年以上で登録有形文化財にもなっている蔵を使っていて、中ではマルキン醤油の歴史や醤油づくりについて学べます。お隣にある工場で最新鋭の醤油づくりも見学できるし、入場料はかかりますがその代わりにマルキン醤油の商品がもらえるし、売店では限定醤油もあったりしょうゆソフトも食べられたりと、なかなかの充実っぷり。僕は千葉の銚子にあるヤマサや野田のキッコーマンの工場見学も行ったことがありまして、その二つに比べると規模はやはり小さいながらも、木桶が圧巻だったりと見る価値のある施設だと感じました。
そしてその記念館から更に南へと進みまして、海に突き出したところまで行きますと、昔の人気映画「二十四の瞳」関連の施設があります。二十四の瞳映画村と、岬の分教場二十四の瞳館で、車ですぐの距離にあるのでどちらも一緒に見学するのが良いかと。
ちなみに映画「二十四の瞳」は、小豆島出身の女流作家である壺井栄が1952年に発表した小説が原作で、映画自体は1954年の上映。木下恵介監督×高峰秀子主演の黄金コンビで、昭和の大女優である高峰秀子の代表作ということで今でも人気のある作品ですね。僕も以前に一度見たことがありました。
施設の方はというと、映画村の方が色々と整備がされていて、原作者の壺井栄文学館や昭和時代をモチーフにしたレトロな映画館、土産屋にカフェ、そして何故か海洋堂の公認ギャラリーもあります。ゆっくり回れば1~2時間は軽く楽しめそうですね。
逆に岬の分教場の方は、昔の教室が再現されていて、そうした雰囲気を楽しむには良い場所でした。(映画村にも似たような施設はあるけど)
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車は小豆島の東端に到達すると見えてくるのが、”裏エンジェルロード”などとも言われる「希望の道」です。エンジェルロードと同じく”トンボロ現象”で出来た道なわけですが、ここは周りにほぼお店などもなく、自然のままという感じで、エンジェルロードとは全く違う雰囲気でした。人もほとんど居ないしね。島内一周をするのなら是非訪れてみてほしい場所です。
さて車は島の中央部、つまり山に向かって進んでいきます。小豆島一の景勝地である寒霞渓(かんかけい)が見えてきました。山頂まではロープウェイが整備されていて、ロープウェイからの眺めも絶景なんですけど、実は山頂の駅も下にある紅雲亭駅もどちらも車で行けるんですよね。なので移動という意味では正直ロープウェイは不要なんで、展望用と割り切って利用するのが良いでしょう。あとは歩いて行ける展望台もそれぞれ見事な展望で、鷹取展望台の近くにはアート作品である”空の玉”というものがあり、そのアート作品に登って絶景を楽しむこともできます。
あとは寒霞渓から西に向かって進めば、小豆島のちょうど真ん中あたりに位置する四方指展望台や、猿園のような施設もある銚子渓なんかもありますが、そのまま県道まで進むと、その県道沿いから少し横道を進めば、小豆島大観音と宝生院のシンパクがそれぞれありまして、ドライブがてら見学するのも良かったですね。どちらも迫力ありますよ!
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さて小豆島の中心地というか繁華街といえば、最大の港である土庄港がある土庄町なんですが、その街の見所を紹介しましょう。
まずはギネス認定、”世界一狭い海峡”である土渕海峡は、土庄港からは1.5km、歩くと20分くらいですかね。そもそも海峡の条件って?と思いますよね。海峡とは「陸地によって狭められている水域」のこと。よくわからん(笑)
日本だと津軽海峡とか関門海峡とか明石海峡や鳴門海峡なんかが有名で、それぞれ橋がかかっていたりトンネルが作られたりとしてるイメージですが、海峡ではなく”水道”とか”瀬戸”とかとも呼称として使われるようで、なんと明確な基準は無いみたいです。ますますわからん(笑)
まあとりあえず土渕海峡は”海峡”として9.93mの狭さで世界一ということなんですね。壮観だとかそういうものではもちろんないんですが、海峡のすぐ近くにある町役場では「通行証明書」も発行してもらえるんで、話のネタにはなると思います。
そんな土渕海峡の周りには、町役場だけではなくお店や住宅が並んでるんですが、「迷路のまち」として打ち出していたりします。まあ個人的にはそこまで入り組んでいる印象は無いんですが、色々なお店や美術館なんかがありまして、散策するにはオススメだと思ってます。
そしてそんな中にあるのが、妖怪美術館と小野川直樹美術館が見どころ。
妖怪美術館は、01~04号館まで点在していて、01号館で受付をしたらスタンプラリーのような形で各館を歩いて回ります。スマホアプリもあって、場所場所で対応した解説やBGM(音声)が聴けるので、これは必須。
昔ながらの妖怪だけではなく、新しく考案された令和の妖怪も紹介されてて、これが世相を皮肉っていて面白い。あとは本気で怖い天井絵だったりと妖怪好き、オカルト好きにはオススメです。
小野川直樹美術館はというと、その妖怪美術館と運営が一緒なので受付場所も一緒で、場所も結構近いんで一緒に回るのが良いと思います。
小野川直樹氏は東京都出身の若きアーティストで、非常に小さい色とりどりの折鶴を使って盆栽のようなアートを作り出すことが有名。そんな素晴らしい芸術作品がいくつも見ることが出来て、個人的には大満足でした。美術好き、アート好きの方はお見逃しなく!
ちなみに妖怪美術館の01号館では売店も併設されていて、そこで妖怪ビールや妖怪日本酒なんかも買えて、外のテラス席で楽しむことが出来ます。僕は暗くなるまでPCで仕事をさせてもらってたんですが、暗くなるとライトアップもされてなかなか雰囲気が良い(この場合の雰囲気は不思議なという意味)のでオススメですね~。
そんな見所満載の小豆島でした。
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続いては小豆島のお隣、豊島(てしま)。初見だとなかなか”てしま”とは読めないですよね。今回の旅では僕はこの豊島に宿泊しました。
豊島も島中がアートに溢れてまして、まず訪れたのが島の玄関口である家浦港から歩いてすぐの場所にある、豊島横尾館。横尾というのはもちろん横尾忠則のことですね。この世界観は入り口から感じさせているような。
中はというと、元々あった古民家がここまでアート空間になるんだとびっくりする感じで、見所満載。写真撮影が出来る場所が限られていたのでここではそれが伝わらないのが残念・・・。でも横尾忠則好きでなくても楽しめると思います。現に子供連れも居たし。
さて、島内にはまだまだいたるところにアート作品がありまして。島の南まで歩いて行くと、海岸線に「海を夢見る人々の場所」という作品があり、その長いベンチに腰掛けて海を眺めるというぜいたくな時間を過ごせます。
島の北東側には「勝者はいない マルチ・バスケットボール」という作品がありまして、バスケ好きとしては実際にその作品でバスケをやってみたかったんですが、先客がなかなか終わらず時間的に断念・・・。でもまあ一人でやってもなあという気もしたんで、これは次に取っておきます。
その奥には「心臓音のアーカイブ」という、来場客の心臓音を録音して保存するという何とも不思議なアート施設があるんですが、今回は開場時間が合わずでした。これもまた次回かな。
そして豊島のアート巡りのメインといえば、やはり豊島美術館でしょう。事前予約必須のこちらの美術館、展示されているのは「水」です。ただの水です。何の変哲もない水が水滴として、館内に設置された穴から穴へとゆっくりと流れていく。それをただただ眺めるという美術館。
アーティストの内藤礼氏の作品で、水滴をモチーフにしただだっ広い建物の中で、本当に流れる水滴しか見るものは無く、その時間によって変化する模様だったり、同じようには流れない水滴の不規則さだったりをじっと眺めるわけですよ。本当に贅沢な時間というかなんというか、何が良いのかさっぱり理解できない人も居そうな(笑) まあ僕もそんなに理解や造詣があるタイプではないわけですが、ちゃんと楽しめましたよ、もちろん。でも上段抜きで「こういう芸術もあるのだ」と感心するし、大人なら楽しめるかと。
売店も売店でアート空間になってるんで、事前予約した時間に来場して、ゆっくり1~2時間くらい過ごすというのがおすすめの楽しみ方です。
豊島でのアート作品紹介の最後は、「針工場」。実際に使われていて閉鎖された針工場をアート作品にしていて、中には宇和島の造船所で30年も放置されていた未完成の木船が移築(?)されてます。ここの特徴は売店でのグッズの充実ですね。オシャレです。
そんな豊島ですが、美味しいお店も色々あって。それは後半に別で書きますが、宿泊先もオススメがあったんですよね。
豊島には高級宿みたいなところもちょくちょくあるんですが、僕が選んだのはAirbnbで謎の好評価を得ていた民泊。コメントを読むと海外のユーザーから「世界一だ!」とか「日本の最高の思い出になった」とか、もう映画の超大作で使われるちょっと胡散臭い激賞コメントばかりなんですよ。それがめちゃくちゃ気になって泊まってみたんですが、いやあ、最高でした。もちろん高級旅館などではないので、そうした価値があるわけじゃないんですが、なんといってもオーナーの人柄とホスピタリティがね。夜にご一緒させてもらってお酒に付き合ってもらって色々な話を聞かせてもらったんですが、こういったホスト先が居るのが民泊の良さだなあと思うし、外国人からするとこういう宿がたまらないんだろうなあと思うわけです。
気になった方はぜひ、Kurechan houseへ! オーナーの暮石さんが出迎えてくれると思います!
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さて、小豆郡・香川郡の最後は、最も有名な気もする直島をご紹介。言わずもがな、アートの島として知られていますね。
そんな直島にフェリーで到着すると、さっそく草間彌生の南瓜がお出迎え。島にはいくつも南瓜があるんで、それを巡るのも楽しみの一つ。
直島の玄関口である宮浦港には「赤かぼちゃ」があり、中にも入れます。そしてそこから少し歩けば「直島パヴィリオン」が。そんな感じで島内をゆっくり散策していくのも良いんですが、今回は日帰りで帰りの船の時間があるので、港近くでバイクを借りて島内を巡りました。レンタサイクルもあるんですが、起伏が結構あるんでチャリだと電動だとしてもちょっと大変そうだった印象です。
バイクで島内を巡るわけですが、実は島の一部はベネッセアートサイト直島として運営されていて、車やバイクの乗り入れが禁止されてるんですよね。なんで結局歩くところも多かったりします。そして直島の多くの美術館は事前予約制で、いくつかは入場時間も決まってるんで、それに合わせて計画を立てる必要があります。
今回はまずバイクで南下して恵美須神社の鳥居を見たりしつつ、ゲートを徒歩で通過して一番の名所である黄色の南瓜を見て、そこからアートサイト内の各美術館を見て回りました。
直島には島内のいたるところに美術館やらアート作品があるんですが、ベネッセアートサイト内が一応メインのようなもの。
その中でまず訪れたのが韓国のアーティストである李禹煥の作品を展示している李禹煥美術館。屋内外で氏の作品を堪能することが出来ます。中は撮影NGなので残っておらず・・・。
そしてそんな美術館の隣にあるのがヴァレーギャラリー。個人的には多くの石仏が並べられた小沢剛さんの作品や、草間彌生のミラーボールの作品が印象に残ってますね。
さてそんな色々な美術館やギャラリーがある直島ですが、一番の見所といてばやはり地中美術館。全面的に写真撮影NGなのが残念なんですが、ここはもう凄すぎるというか、アートとか関係ない人であっても間違いなく何らかの刺激は受けられるんじゃないかなあと。自分に子供が居たら絶対に幼い時に連れて行って、アートの洗練を浴びさせたいと思うくらい。名前通り地中に作られた建物は自然光が差し込んできて、それだけでなんだか神々しいというかなんというか。不思議な感じで。これが建築の妙というもの。
もちろん展示されている作品も一つ一つ見事で、写真には残らないけど記憶には残るというのはこういうことか、という感じです。
そんな地中美術館を見終えて訪れたのがベネッセハウスミュージアム。ここは撮影OK(笑) 屋外に堂々と展示された作品だったり、自由気ままに楽しめるのがまたいいですよね。
そしてその近くにあるのが、最も時間指定が細かい杉本博司ギャラリー時の回廊。ある意味ここの予約を起点に直島の旅を組み立てた方がいいかも。
杉浦博司の集大成は神奈川の江之浦観測所ですが、ここもまた良いのです。光と影、そこを意識した作品が楽しめます。そして最後はラウンジでお茶が楽しめるんですが、そのテーブルがまたいいんですよね。是非体験してみてください
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さてそんな直島ですが、島内のいたるところにあるのが「家プロジェクト」の作品群でして。島内に点在していた古民家を思い思いのアート作品としてよみがえらせたというもので、今は7作品が公開されてます。
そんな中で「石橋」は日本画家である千住博の絵が楽しめて、「南寺」は予約時間が厳しすぎて中までは見られず。そして直島の色々なところで設計している安藤忠雄の美術館であるANDO MUSEUMは、設計した地中美術館の模型だったり、安藤作品の特徴である光と影を感じられる作品が楽しめます。
家プロジェクトは他にも「角屋」では宮嶋達男の手掛けた水中に輝くデジタルカウンターの数字がなんともアートで不思議な空間に。
「護王神社」は杉浦博司が手掛けた作品で、ガラスの階段が地中の石室から地上まで続いていて、よくある神社の建築がアートになっているという不可思議さ。神社巡りをしている人だったりにオススメですね。
「碁会所」は、実際に碁を打つために人々が集まっていた場所に椿をモチーフにしたアートを作ったもので、須田悦弘氏の美意識が発揮された空間でした。
そして家プロジェクトは他にも「きんざ」があるんですが、ここも予約制で時間が合わず。その近くにあるThe Naoshima Plan「水」は、建築家三分一博志が「風」と「水」を素材に作ったアート空間で、一休みをするには最適な空間。実際に多くのインバウンド客が寛いでました。
家プロジェクトの最後である「はいしゃ」は、プロジェクトの中で一番変わっているというか、現代アート寄りの作品。かつて歯科医院だった建物を大竹伸朗が大胆にリメイクして、独創的な作品になったんですよね。写真で伝わるのはその魅力の一部。是非訪れてほしいものです。
アートの島、直島のラストは、銭湯である直島銭湯。ここもアート作品になってます。実際に銭湯として使用するには時間指定があるんですが、アート作品として銭湯内も含めてみることが出来まして。こんなアート空間の中で入浴したらどんな気分なんだろうと、想像は膨らみますね。今度はぜひ銭湯を利用してみたいと思います。
という感じで、そこまで広くない島内の至る所にアート作品が詰まっている直島。僕は日帰りでしたが、一泊してゆっくりと島内を散策するのが良いと思います。僕もリベンジします。
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最後にそれぞれの島のグルメを。
オリーブの島、小豆島では、オリーブ公園のオリーブソフトクリームと、日本三大そうめんにも数えられる小豆島そうめんから、なかぶ庵のオリーブ生そうめん。なかぶ庵はオススメのお店ベスト10で詳しく書いてます。
そして小豆島唯一のクラフトビールであるまめまめビールに、名勝寒霞渓のロープウェイ乗り場では、オリーブ牛のコロッケバーガーも食べられます。
夜は人気の居酒屋「味彩」にて島の魚に野菜を美味しく。
豊島では、本格的な多国籍料理を古民家で楽しめるARUEIがオススメ。これはRettyでレビューしてますね。そしてランチでは海辺沿いで絶景とともに美味しいパスタが楽しめる海のレストランがオススメ。でも人気なので良い席を確保するには開店前に並ぶのが確実ですね。
直島では色々と食べるところはありますが、今回食べたのは家プロジェクトが並ぶエリアにある元祖直島バーガーのmaimaiと、港の目の前にあるミカヅキショウテンで飲むクラフトビール「直島物語」をギリギリまで楽しめました。
そんな島旅。思い思いのお店でグルメと出会いを楽しむのが最高ですね。
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というわけで、一年間で国内28都府県を訪れた中から選んだ10選でした。いやあ、いつも以上に長くなりました。果たして最後まで読んでくれる人は居るのでしょうか(笑)
【番外編】一芸特化8選
これまでの10選は、一つのスポットというよりは一定の都市だったり地域を選んでるんですが、今回もそこで紹介できなかった単独スポットを番外編としていくつか紹介します。
大曲の花火(秋田県大仙市)
死ぬまでに絶対見た方がいい、とよく言われるのが大曲と長岡の花火大会。僕もそれなりに花火が好きなのでいつかはと思ってたんですが、思いがけず2024年はチケットと宿が取れ、行ってきましたよ。なんと台風が来るかもっていうことでどうなることかと思いましたが、当日は何とか夕方には晴れたものの、逆にほぼ無風で煙がこもってしまい、一部の花火は全く見えないというね・・・。あいにくのコンディションでしたがそれでも凄かったんで、いつか最高のコンディションでリベンジしたいと思ったのでした。
あとドローンショーが凄かった!
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雪の大谷(富山県立山町)
よくSNSなどでも紹介されていて一度は行きたいと思っていた場所に、まさか95歳の祖母と一緒に行けるとは! 思いがけずに祖母孝行できたなあと。時期的にはもう終わりかけの時期だったので、ピーク時よりも雪壁は低くなってるし色も黒ずんでいたんですが、それでも圧巻でした。
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大谷資料館(栃木県宇都宮市)
映画のロケ地としてよく使われていて、行きたいと思いつつなかなか機会が無かった大谷資料館にもようやく行くことが出来ました。宇都宮市の中心地からタクシーやバスでも行きやすいので、こんなことならもっと早くから行っておけばよかったと思うくらい。宇都宮で餃子もいいけど、大谷石も是非!
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軍艦島(長崎県長崎市)
2回目の挑戦で上陸できた軍艦島こと端島。やはり船から眺めるのと上陸すると全然違いますよ感動が。いつまで上陸できるか分からないので、まだの方はお早めにどうぞ! まあ上陸できるかは運次第・・・ですけどね。
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犬島精練所美術館(岡山県岡山市)
ここもずっと行きたかった場所の一つ。廃墟好きにはたまらない感じで、美術館の中もとても洗練されててオススメです!
あと犬島にはこの美術館だけじゃなく、島内にアート作品がいくつもあって島内散歩も楽しかったですね。
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粟島漂流郵便局(香川県三豊市)
ここも行きたかった場所。何ならこの施設の営業日に合わせて旅程を組んだくらい。アート作品なのですがコンセプトが素晴らしく、漂流したものが届く郵便局というもので、だからこそ今は直接届けることのできない葉書を出すことも出来るわけです。
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赤目四十八滝(三重県名張市)
旅の途中、鉄道路線の乗り潰し目的で訪れた名張市でしたが、車で訪れたこの滝が想定以上に面白かったです。滝好きだけでなく、ウォーキング好きにもオススメ。あと忍者好きにも(笑)
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湖南三山(滋賀県湖南市)
滋賀県には多くの国宝建築が残っているんですが、その中でも湖南市にある三つの寺院は「湖南三山」と呼ばれてまして。三つのお寺の国宝建築を眺めるのが良きなんですよね。国宝建築好きにはオススメでした。
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【2024年、食べてよかったお店10選】
続いては飲食店部門です。こちらは「2024年に初めて行ったお店」の中から選んでいます。
2024年もいろんなところで食べましたが、どこも美味しくてまた行きたいお店も多いなあ。
今回の10選もちゃんとRettyにレビューを載せてるんで、詳しくはそのリンクからRettyのレビューをチェックしてみて下さい!
https://user.retty.me/1031853/mybest/2024/
①いろり山賊(山口県岩国市:欽明路駅)
何年も前から行きたい、行きたいと思い続けていたお店。ほんと広島や山口出身の人達から何度このお店の噂を聞いたことか。
そして遂に年始の休みに訪れることができたわけですが、いやあほんと唯一無二のお店で、皆に勧めたくなる気持ちがわかるというもの。
今後は僕も広島や山口に旅行をするという人が居たら必ずお勧めしたいですし、僕自身もまた必ず行きたいと思います。
②ARUEI(香川県豊島)
行って良かった場所10選のコメントでも触れた、豊島にあるレストラン。豊島は近くの小豆島や直島に比べると食べる場所は多くはないんですが、そんな中でもユニークなお店でした。
元々海外で料理人をしていた方が民家を改装?して作ったお店で、美味しい料理にゆったりとした時間を過ごせます。豊島に泊まる際は是非。
③酒盃(秋田県秋田市:秋田駅)
秋田の名店で、飲み好きなら必ず行くべきお店とチェックしてから早数年。秋田を訪れるたびに予約を試みるも上手く行かず、こちらのお店も2024年にようやく訪れることができたお店でした。
初秋田である沖縄の恩師(大の日本酒好き)をお連れしてカウンターに陣取り、美味しい地のものを肴に日本酒をいただいたのでした。
④蔓ききょう(滋賀県大津市:唐橋前駅)
歴史上でも有名な瀬田の唐橋。そのたもとにあるのがこちらのお店で、ランチに予約して訪れました。
名物は直接猟師や牧場から仕入れる肉やジビエと野菜の炭火焼き。今回はジビエはいただかなかったものの、古民家を使った店内の雰囲気含め気に入って、次回は泊まりで来てジビエとワインを楽しみたいと思ったのでした。
⑤ファミリーレストラン123(秋田県にかほ市:象潟駅)
旅をするときにはしっかりと毎食どこで食べるかを入念に調べて選んでいたりするんですが、このお店は軽い気持ちで選んだんですよね。
珍しく飛行機で秋田入りしたので、秋田空港から車を借りて南へ。色々と回った後に辿り着いたのがこちらのお店。地元で人気の担々麺ってことで食べたわけですが、これが驚くほど美味しくて、マイベスト1の担々麺になりました。4種類あるんで、次も秋田に行くときは飛行機で行って残りの担々麺も食べに行きたいと思います。
⑥食堂園(岩手県盛岡市:盛岡駅)
行って良かった場所10選のコメントでも触れた、”盛岡冷麺”の発祥のお店。冷麺目的で行ったんですけど、すき焼きのように生卵に絡めて食べる焼肉がビックリするほど美味しくて、焼肉に冷麺に生ビールがついた平日セットが最高でした。
⑦くにんだ(沖縄県那覇市:県庁前駅)
ラジオのゲストにも出てくれた照屋さんが想いを込めて開店したお店。観光客向けのお店が多い国際通りのど真ん中で、御膳ひとつで勝負するというのがカッコいい。そしてその御膳も一つ一つしっかりとした沖縄料理で、地元の人も観光客も楽しめるお店だと思います。今後人気になるだろうなあ。
⑧なかぶ庵(香川県小豆島)
日本三大素麺の一つである小豆島そうめん。せっかく小豆島に行くのだから、と選んだのがこちらのお店。完全予約制です。
こちらの名物、オリーブ生そうめんがビックリするほど美味しくて、次の夏は取り寄せて食べたいと心に決めたのでした。
⑨江山楼(長崎県長崎市:新地中華街駅)
長崎の中華街の名店といえば必ず名前が出るのがこちらのお店。長崎名物である長崎ちゃんぽんや皿うどんはどちらも四海楼が元祖ですが、こちらのちゃんぽんと皿うどんは絶品でした。もちろん他の料理も美味しくて、中華街ならオススメのお店ですね。
⑩煙人(東京都新宿区荒木町:四谷三丁目駅)
最後は東京から。半年前に紹介いただいて初めて行ってから、既に5回もお邪魔していて、都度違う人を連れて行くんですが皆満足してくれていたりします。燻製専門店で、様々な燻製料理と、沖縄出身の女将さんとの楽しい会話が名物です。
【番外編】旅の思い出にしたい味
今回もお店でも番外編をお送りします。
旅行で訪れたら食べるべきっていうお店からピックアップしました。
皆美館(庭園茶寮みな美)の”鯛めし”(島根県松江市:松江駅)
鯛めしと言えば愛媛の2種類の鯛めしが有名ですが、松江の老舗旅館である皆美館名物の鯛めしは、"鯛そぼろ"と"裏ごしした黄身"と"出し汁"で楽しむ上品なお茶漬けのような逸品。日本庭園を目でも楽しめますし、これを食べるだけでも立ち寄る価値はあります。
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きんぐの”大社焼きそば”(島根県出雲市:出雲大社前駅)
出雲のご当地グルメといえば”出雲そば”が有名だったりしますが、実は焼きそばも人気のようでして。その"大社焼きそば"を出してくれるのが、創業して60年以上愛されているこちらのお店。
肝心の大社焼きそばは、自分でソースをかけるスタイルで、オーソドックスながらもこれが美味しいんですよね。出雲大社への参拝した後に、地元の味が食べたいと思った際には是非。もう一つの名物である大社ラーメンも美味しいみたいですよ!
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MARUの”チキンチキンごぼう”(山口県萩市:東萩駅)
数年ぶりに再訪したお店で気になるメニューを発見! なんだこれは!と頼んでみるとこれがシンプルながら最高に美味しい、山口県のご当地グルメでした。なんでも給食の新メニュー募集で生まれた家庭料理で、今や山口県の給食の定番メニューとなってご当地グルメになったという変わり種。早速自宅でも作ってみましたが旨い! オススメです。
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みんぴかの”黒糖ぜんざい&泡波水割り”(沖縄県波照間島)
沖縄県内だとどこでも食べられる黒糖ぜんざいですが、波照間島だと幻の泡盛である”泡波”と共に楽しめちゃいます(笑) まさに現地でしか味わえない組み合わせ! ぜひ。
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侘び助の”セリ鍋”(宮城県仙台市:大町西公園駅)
仙台の冬の名物といえば、セリ鍋。その元祖と言われているお店がこちら。他のお店でもセリ鍋を食べてきましたが、こちらのセリ鍋が一番美味しかったですね。なぜなら女将さんがついてセリ鍋を作ってくれるから! やはりプロに任せた方がいいのです。その分、セリ鍋に対する愛情こもったうんちく話も聞かされますが(笑) 冬の仙台ならオススメです。
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さかのの”米沢牛焼きしゃぶ”(山形県米沢市:米沢駅)
米沢牛の名店はいくつもありますが、その中でも人気店であるさかの。もちろんカルビやロースなども美味しいんですが、創作メニューである焼きしゃぶはこちらだけ! 柔らかい極上の米沢牛の薄切りをさっと焼き色をつけて、それを卵に浸して一口ご飯と共に食べる。至福の時でした。
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近江ちゃんぽん亭の”近江ちゃんぽん”(滋賀県彦根市:彦根駅)
本場?である長崎のちゃんぽんは海鮮たっぷりで、アレルギー持ちだと食べられなかったりするんですが、近江のちゃんぽんは野菜や豚肉中心で、かつ和風の出汁がまたマッチして美味しいんですよね。まあタンメンみたいと言われてしまうと困るのですが。今や滋賀県全域でのソウルフード、是非ご賞味あれ。
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はい、というわけで僕の中での2024年をまとめてみました。
ちなみに一年通して映画館で見た映画もメモしてあったので載せると、
・哀れなるものたち
・身代わり忠臣蔵
・落下の解剖学
・夜明けのすべて
・52ヘルツのクジラたち
・デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(前編)
・デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(後編)
・ディア・ファミリー
・骨を掘る男
・ファニーズ
・ルックバック
・ラストマイル
・スオミの話をしよう
・ふれる。
・侍タイムスリッパー
・八犬伝
・最後の乗客
・正体
・演じる女
・だからよ〜鶴見
・働く細胞
の21作品でした。どれもこれも面白かったけど、やっぱり「ルックバック」かなあ。原作も大好きだし。でも「侍タイムスリッパー」「最後の乗客」のような自主制作映画も良かったです。2025年も楽しみ。
というわけで〆たいわけですが、結局ほぼ一か月かけてしまったというね。ただその甲斐あってか、注目記事に選んでもらい、多くの「スキ」をいただくことが出来ました。ありがとうございます。
せっかくなので、今年以降の旅の計画の参考にしてもらえればと思います。ご相談や質問はコメントで気軽にどうぞ!