「あゝ杜王町の夜は更けて」”ソロの細道”Vol.5「宮城」~47都道府県一人旅エッセイ~
一九九九年の日本。どこにでもありそうな平凡な町、杜王町の駅前ロータリー付近から新しい物語が始まろうとしている・・・。
この書き出しから始まるのは、名作漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の第四部である。
”S市杜王町”という物語の舞台は、第四部だけでなく第八部の位置づけである「ジョジョリオン」でも使われたが、その杜王町のモデルとなったのが、作者である荒木飛呂彦先生が住む、宮城県仙台市だ。
そんな仙台市に、私は年に10回近くは出張で訪れており、その期間は実に5年以上。今では第二の故郷と言っても良いくらいに馴染みの街となった。
仕事先の一つが不動産会社ということもあって、「もう仙台に家を買えばいいじゃない」と言われるくらいであり、一時期は本当に検討しようとしたくらいには、この地が好きだったりする。
仙台には多くの名物がある。牛タンに笹かまぼこ、ずんだ餅は全国的にも有名だが、それ以外にもセリ鍋やマーボー焼きそば、三角油揚げに仙台牛なども美味しい。
定禅寺通りを始め幹線道路は広く街路樹も綺麗で、広瀬川や公園など自然も豊か。とても過ごしやすい街だと思う。
その仙台市で「ジョジョ」の祭りが開催されたのは、2017年のこと。「ジョジョフェス in S市杜王町」と銘打たれたそのお祭りは、仙台市内の至る所がジョジョの世界になり、ジョジョファンにはたまらない時間になったのだった。
こうした街全体での取り組みが出来ること自体、地元の人にとってジョジョという作品が好まれているということが言えるかもしれない。
一ヶ月という開催期間中には、ローソンは”オーソン(OWSON)”となり、市内のとあるパン屋さんは”サンジェルメン”となった。
どちらも作品内に出て来るお店だ。
また、作品内に出て来る料理人”トニオ・トラサルディー”の屋台も登場。市内のいくつかの場所にはジョジョデザインのマンホールも設置。
合わせて「ジョジョ展」も開催され、大勢のファンで賑わった。
こうした「街全体で祭りを楽しむ」という文化が、仙台にはあるのかもしれない。そう考えると、「仙台七夕まつり」の盛り上がりも、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」で街中に音楽が溢れるのも納得する。
仙台という街を作った伊達政宗の生き様、まさに”伊達男”の本領発揮というところだろうか。
沖縄から出てきて東京に長年住み、そして仙台へ・・・。そんな人生も悪くないなと思わせてくれる街、仙台。
今後も仕事で何度も訪れることになるだろうし、もう新鮮味は感じないくらい自分に馴染んでしまっていたりするのだけれど、だからこそ第二の故郷として大切にしたいと思う。
何せ、東京と沖縄以外でボトルキープをしているお店がある土地なのだから。
おまけ
というわけで、杜王町こと仙台市でこれまでに食べた、トニオ・トラサルディもビックリのンマ~イものの数々を写真で紹介して終えたいと思う。
各店舗の名物料理を並べてみたので、「ここ知ってる!」があるといいのだが。
逆に「ここってどの店?」という質問も受け付け中だ。
グルメとアニメの街、杜王町こと仙台、是非堪能あれ。