反射鏡②
中学時代、友人も恋人も、私にはないモノしか持っていなかった彼=Y。
高校一年生の終わり、彼と、決定的に仲違いします。
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私と彼が、好きになったのは、九重さん、という同級生。
絵がとても上手で、ハムスターが好きな、魅力的な女の子でした。
最初に付き合っていたのが彼で、その後(すぐに)付き合ったのが私。
その際の小競り合いと、私がこてんぱんに振られた話は、↑の記事参照。
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人気がある人は、恐らく2パターン存在します。
①面白く、明るいことを話せる人。カリスマ性とか、お笑い芸人もこちらのイメージ。
②優しい人。特に、人の話が聴ける人。
彼は、私にとって、未だに②の、見本であり、理想です。
人の話を聴く、ということは、簡単なことではありません。
まず、打ち明け話をされるためには、その分の、信用貯金が必要です。その上で、話を汲み、相手の心情に寄り添い、時には慰め、励ます。
彼は、この信用貯金を、信じられないくらい貯められる人でした。
「Yは、消しゴムが落ちたらすぐに拾ってくれる人だから。」
何故彼が、あんなにモテるのか、という質問への解答は(女友達に聞いたのです。)、恐らくこの意味だったんだなと、今ならわかります。
分け隔てなく、誰にでも話しかけ、献身的に対応できる。
モテる、ということは、つまるところ「人間力があるか」ということ。その意味で、彼の周りを人は囲い、モテるのは、当然のことなのでした。当時はわかんなかったけど!
すべての人間が、それなりに好きだ。中学2年生の頃、部活の友人に「博愛主義者を気どるな、気持ち悪い」と言われたことがある。
なぜ「気持ち悪い」のだろう。私はこの理由が未だにわからない。博愛主義は気持ち悪いのだろうか。
その奥底には、「恋愛とか関係なしに、共依存関係の人間がたくさんほしい、と真剣に思う。「自分なしじゃ生きられない」人がいればいるほど、私は幸福だ、と思えるのだ。」という想いはあるのかもしれないが、そんな彼が、
羨ましかった。妬ましかった。
これを言ったのが誰なのかわからないけれど、(もしかしたら自分かもしれないと思う、だとしたらそれは100%の妬みからだったはず。)その博愛主義こそが、あなたの最大の魅力であり、長所だと、思います。
続く