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ウェンデル・ベリーと東岳志

アメリカの詩人であるウェンデル・ベリー。
彼の詩を見て、自然とのつながりを感じることや、現在の私の心境と似ているものがあったので抽出してみました。



The Peace of Wild Things

When despair for the world grows in me
and I wake in the night at the least sound
in fear of what my life and my children’s lives may be,
I go and lie down where the wood drake
rests in his beauty on the water, and the great heron feeds.
I come into the peace of wild things
who do not tax their lives with forethought
of grief. I come into the presence of still water.
And I feel above me the day-blind stars
waiting with their light. For a time
I rest in the grace of the world, and am free.

野生の平和

世界への絶望が私に芽生えたとき
夜中に小さな物音で目が覚め
自分の人生や子供たちの人生が
どうなってしまうのだろう
という恐怖の中
私は水面に美しく横たわるキジバトのいる場所に行く
そして大サギが餌を食べる場所で横になる
私は野生のものたちの平和の中に身を置く
悲嘆の予感に苛まれることなく
悲嘆に暮れることはない
私は静かな水の中に身を置く
そして私は頭上に
昼も見えない星々を感じる
その光を待っている
しばらくの間
私は世界の恵みの中で休息し
自由になる


本当にこの世界はどうなってしまうのだろうという漠然とした不安は
あるものの、自然は何事にも平等で平穏を与えてくれます。しかし、油断していると恐ろしさをもたらすこともあります。
自分自身の心によって自然は寄り添ってくれたり突き放したりするもの
だと感じますが、人間は自然がないと生きていけないことを日々実感しています。

『ロマ金』では自然を描くためにさまざまな工夫をしました。
観てくれた人にはわかる「あるヤツ」(自然の何か)だったり、昆虫だったり。鉱石ラジオ、水の音、五感に響く知っているはずの音、聴こえていないかもしれない音。
『ロマ金』で効果録音をしてくれたサウンドエンジニアの東岳志さんは、フィールドレコーディングの考え方や手法で様々な音楽、インスタレーション、舞台の音響を担当もされています。
そんな彼の作る音の心地よさは素晴らしくて、ずっと浸っていられます。

彼と『ロマ金』のラッシュを観ている時に彼の一言で映画の重要なキーワードにもなる鉱石ラジオが完成いたしました。

鉱石ラジオ


彼こそ、ウェンデル・ベリーのような空気感を纏っていると
私は感じています。ウェンデルさんは会ったことありませんが、東さんと話するとどうしてもリンクしていくのです。

そんな彼のコメントを一足早くお届けします。

"価値という言葉は使い慣れているけれど実体のないエネルギーのような物だ。光合成できない僕たちは、価値がわかっていても太陽エネルギーを直接使う事は難しい。金銭価値はそのエネルギーを数値化したような物だ。測り方によって数値が変わる。この映画ではこのエネルギーの源をイメージしたり、その存在を肌感覚まで落とし込んでいる。音も実体はないが確かに存在した証として体感できると思う”

おまけ 本編では使わなかった鉱石ラジオのPV的な映像を。

映画『ロマンチック金銭感覚』はテアトル梅田にて9月20日、24日、26日の3日間!レイトショー上映です!
https://filmromakin.com/

来てね!

明日もりょくまゆの考察は続く!


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