キャラクターいかがっすか~⑩「好き」と「嫌い」
自分のキャラクターを考えることがあります。
「オレはこういう人間で・・・」
「オレはこういう漫画家だから・・・」とか
そのこだわりによって、好き嫌いを選ぶこともありました。
なにも、やりもしないうちから・・・。
「好き」「嫌い」は直感的に決まるのですが
ちゃんと、やってみて
好きか嫌いか、合うか合わないかを
判断しないとな・・・・・と
もちろん、直感的に絶対やれないこともありますが。
意識してやらないと、すぐ安易な「やれる」ほうに流されるので
自分としてはなかなか難しいです。
漫画に出てくるキャラクターも「やれる」ばかりだと
ワンパターン化しますから。
漫画家をはじめたころ、
10年やれば少しは楽に描けるようになるんじゃないか
と思っていましたが、
ちっともならん。
奈良橋優紀
ついに最後はやはり「こいつ」ですね。
いつもは、単行本と照らし合わせて話を進めますが
今回は描く事が多くなりそうなので
はぶかせていただきます。
まず、最初は、「今時の新人」を描くつもりで
登場させました。
要領はいいが、自分本位でしか動かない。
ただ、描いてるうちにちょっと変わっていきました。
こいつは、嫉妬深い。
なぜこうなったかは「奈良橋の青春短編」の2話で描きましたが
要するに、優等生でありながらおちこぼれ。
また、そんな自分が許せない人間なのです。
ですから、あおいに憧れ、あおいに嫉妬します。
奈良橋の良いところは
「おちこぼれ」である自分が許せず
「おちこぼれ」から這い上がろうと「努力」するとこです。
「おちこぼれ」ている自分を「まぁ、こんなもんだろ」とか
絶対に思わないところです。
普通は成長する動機が「夢」とか「希望」なのかもしれませんが
奈良橋は、ライバルに「勝つ」、「勝とうとする」ことで
成長するキャラクターです。
この辺が、「よくある今時の新人」の枠をこえた所です。
ですので、ある意味「愛される」キャラクターになったところだと思います。
今まで、あおいの周りに登場するキャラは
あおいの影響をうけ変化し
少し「あおい化」する・・・。
という基本のストーリーを奈良橋は打ち破りました。
絶対「あおい」とは相容れないキャラクターでした。
読者の方からも奈良橋に共感してくれる方は多かったです。
現実は「奈良橋」的な考えをしないと
やっていけない事が多い、
「普通」に考えたら奈良橋のほうが現実的だと。
「あおい」の中で一番、人間くさいキャラだと。
私もそう思います(笑)
どうしても。表情を憎たらしげに描いてしまいがちでしたが、
本来なら、主人公にしてもおかしく無いくらい
キャラが強くなりました。
心残りは、最後のエピソードに奈良橋が
からんでこなかったということです。
もっと、もっと、奈良橋を描きたかったのかもしれませんね。
ぶっちゃけ、私も「奈良橋」に近い人間なので
描き易かったのかも知れません。
描いてて「楽しかった」!
どうしても、シリアスになりがちな話のなかで
ただ一人気を吐いて
笑わせてくれました。
奈良橋というキャラクターが登場しなかったら
たぶん「あおい」はもっと早く終わっていたかもしれません。
それだけ、重要なキャラクターだったと思います。
「Ns’あおい」を支えてくれた「裏番長」
ありがとう!奈良橋!!
皆様「Ns’あおい」にお付き合いいただき
ありがとうございました
またお会いしましょう。