キャラクターいかがっすか~⑧「日常」と「非日常」
これも編集さんに聞いた話ですが
キャラクターが「生きて」くる瞬間は
「日常」から「非日常」に変わる瞬間だと。
なるほど
自分に置き換えてみればわかります。
いきなり病気にかかり入院しなければならなくなると
日常から非日常に変わるわけです。
日常の生活ができず、ストレスがたまることでしょう。
不便さから日常の大切さを知ったり
はたまた、自分は何を大切にしてるのか、わかったり。
本音を出すにはもってこいが、非日常です。
漫画の「うそ」で「非日常」をつくり
登場人物の「本音」を引き出せばキャラクターが「生きる」と。
このキャラクターに「こういうことが言いわせたい」から
このエピソードがいるな・・・考えるより
このエピソードおもしろそうだな
「このキャラクターがどう動くか見当つかないけど・・・」
と描き進めると、
自分でも思いがけない
キャラクターの本音が出てくることがあります。
緒田桐人
4巻から登場。
主都大から来た、循環器内科医
優秀で真面目、だけでなく合理的でもある。
あおいと違うのは
第5巻call.46「このままじゃ」に描きました。
逆にいうと、この回があったから
「あおい」のキャラクターがほぼ完成されたのかもしれません。
緒田もあおいも「優秀」とされてますが
「優秀」というのも人によって違うし、定義はできません。
医療でよく使う「患者のため」という言葉がありますが
あおいは「患者のため」という言葉を多分一度も使っていません。
「患者のため」とかんがえるのは「緒田」で
「あおい」はどちらかというと「自分が納得いかないことは納得いかない」
という、やっかいなキャラクターになりました。
「あおい」のキャラクター性をだすため。
緒田も当初はこうゆう役回りでした。
あおいとの関係もどうなるかなど全然考えてませんでした。
「綾部果林」とか「姫川薫」とか、まぁもろもろキャラクターを登場させることで
こういう流れになりました。
最終回もどうしょうか迷いましたが
「緒田」は初めて自分の思うがままに動いた
結果がこうなりました。
気づいた方がいるかもしれませんが
緒田の「微笑み」は最終回のあおいに会った時の1回だけです。
初登場から最終回前まで、どんな楽しいときでも、周りがみんな笑っていても
「緒田」だけは笑わないように描いて来ました。
理由は・・・
多分、緒田は「医師」になるということは
「自分をすてて患者のために・・・、医師になることは自分のわがままを捨てること」(父の影響)
と思っているのではないかと考えたからです。
自ら「責任」という十字架を背負ってしまった。
あおいはどんな状態になってもへらへらしてるだろうけど
緒田は絶対「微笑む」ような最終回に展開にしようと思ってました。
緒田を開放したいと・・・。
だから、微笑む顔が描けて、良かったです。
作者の変なこだわりでしたけどね。
そういえば
やたらと、女性の人気が高かったです。
やはり、こういうキャラクターは実際なかなかいないからなのかな・・と思いました。
あ、あと
「織田」ではなく「緒田」です。
TVドラマには登場しませんでした。
出したかったな。観たかったな。
誰が演じてくださったんだろ。
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