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モーニング

たまに近所の喫茶店でモーニングを食べている。
なんの変鉄もないトーストが一枚とゆで卵とコーヒー。これがAセット、300円。安い。
帽子をかぶったおじさん(おじいさん?)のマスターと、奥さんと思われる同じくらいの年齢の女性と2人で切り盛りされている。
細長い店内は、奥の方で常連さんがスポーツ新聞を読みながら、マスターと今日も暑いですねなんて話をしている。

私は家では、1斤400円のいわゆる高級食パンを食べている。フライパンで焼いてオーガニックのオリーブオイルと岩塩をかけたものがいつものパターン。コーヒーはillyのエスプレッソを豆乳で割って。
味だけでいえば家で食べる方が断然美味しい。
でも私は喫茶店で食べるモーニングが好き。
自分以外の誰かが、私のために食べ物を調理してくれること。そしてそれが恩着せがましくないこと。
まぁ、店なんだから当たり前といえば当たり前なんだろうけど、私にとってはそれは当たり前ではないんだ。

娘のために食事を作る。
味や品数に文句を言われ、時間が遅れたらなぜ出来てないのかと言われ。
長年「お母さんなんだからちゃんと出来て当たり前でしょ」と言われ続けて来た。「出来なかったら謝るとこじゃないの?お母さんならさ」
娘が私にかけたその呪いに、先々娘自身がかかる事にならないように、それは当たり前ではないし謝る理由は無いと全部言い返して来たが、「私はお前と違って全部ちゃんとやれる」と言い切って就職と同時に家を出ていったきり、一切連絡を取っていない。その後どうなっているかは知らないしもうどうでもいい。苦もなくちゃんとやれるんならそれはそれで良いのだろうし。

ともあれ、たまに食べる喫茶店のモーニングは美味しいし、1人だけど1人じゃないこの時間が私は好きだ。




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