イギリスのマイクロモビリティ政策
イギリスの暗い冬が終わり、外に出て楽しんでいる人が多い時期になりました。
先月、電動キックボードのLuupの貸し出し拠点を日本で3倍にするというニュースを見ました。
私が住むノッティンガム市ではレンタル電動自転車(E-bike)の取り組みが開始されました。これは、二酸化炭素排出量を削減し、国内初のカーボンニュートラル都市になるという市の取り組みと連動しています。
以前からレンタル電動キックボード(E-scooter)はあったので、楽しく持続可能な市内の移動に関する施策が強化されているのを感じます。
電動キックボード(E-scooter)
ノッティンガム市は、イギリス政府のE-scooter 実証実験に参加している40地域の1つで、SuperPedestrian社の電動キックボードレンタルが導入されています。2020年秋に始まったこの運用は、2024年5月まで延長されることが発表されています。
一方で、利用が進むにつれ安全利用に関する課題が特定されています。利用可能年齢を16歳から18歳に引き上げたり、また禁止されている歩道走行に対しては、「3回違反で利用停止」という方針、リアルタイムで歩道走行を警告するPedestrian Defenseシステムの導入が挙げられています。また、駐車場の設置や駐車禁止エリアの設定、罰金制度などの改善策が取られています。実際に、歩道を走行したり、倒れた状態で歩道の中心などに放置されている電動キックボードをよく見かけます。
電動自転車(E-bike)
2023年春から、Lime社と提携により、市内の主要地域で電動自転車がレンタル可能になっています。こちらも、車の代わりに時速可能な交通手段として、多くの人に安全で便利かつ手頃な価格で利用できる方法を提供することを目的としています。
利用料金なども合わせてまとめると次の通りです。
どう使えるか?
私は車の運転をしないので、目的地が2km以内程度だと徒歩、5kmくらいだとトラムかバスを利用しており、それらの代替として使う可能性はあります。
利用料金に関しては、市内でのトラムやバスでの往復は約£5なので、電動自転車の60分パス £4.99とほぼ同額です。
電動キックボードの60分利用は£12.5と、割高感があります。
しかしながら、どちらも原則一般車道走行というハードルが存在します。イギリスでは自転車の歩道走行は禁止されています。そのため、車道走行時の交差点での手信号などのルール熟知や、ヘルメット着用や蛍光色など目立つ服装をするなどの安全対策が求められます。なお、当初このレンタルスクーターにはヘルメットがついていたのですが、車両が一斉リニューアルされたタイミングでなくなっていました。利用後に返却されないことが原因だと推測しています。
イギリスは、自転車を持続可能な交通手段として促進するために、サイクリングインフラへの投資を行い、ノッティンガム市でも主要な地域で自転車専用レーンの整備が進められています。より多くの女性や高齢者に電動キックボードを試してもらうように改善を進めているとのことなので、天気の良い日にちょい乗りから試してみたいと思います。
参照サイト:Transport Nottingham
https://www.transportnottingham.com/cycling/hire-a-bike/
https://www.transportnottingham.com/nottingham-e-scooter-trial-set-to-continue-until-may-2024/