見出し画像

2018-2019 SEASON

今回は、「渡米してからシーズン終了まで」について。

前回は、どんな学校で何を学んだか、についてお話ししました。

なので今回は、

『St. Thomas More School vol.2』

のような形で、オフシーズンと、シーズン中のことを書いていきたいと思います。


渡米したのが2018年4月2日。ちょうどNCAA Tournament の決勝戦 VILLANOVA vs MICHIGAN の試合が行われていたのを覚えています。
まだ4月だったので、1つ上のPost Graduateの人たちのシーズンが終えたばかりでした。

驚きだったのは、着いて次の日から普通に授業に参加したこと。
予定表と、必要な教科書だけもらって、授業に向かいました。
編入という形で行かせてもらったので当然ですよね。笑

International Student に理解のある先生が多く、サポートしてもらいながら徐々に新生活に慣れていくことができました。

クラスが終わり、Activityの時間になると、体育館でPick Up Game。
一緒にやるメンバーはDivision 1の大学からOfferをもらっている選手や、来シーズンチームメイトになるメンバーでした。


トライアウトの時もそうでしたが、まず床が硬い
それから体の接触が多く、激しいので、すぐに疲れていました。

やっぱり最初はみんなナメてきます。ディフェンスをしていれば、僕のマークマンで攻めてきますし、同じ身長くらいなら、ポストアップされたり。
オフェンスでもやたらプレッシャーをかけられたり、英語で煽られたり。

そういう相手こそ、結果を出すと手のひらを返したように話しかけてくれたり、仲良くしてくれたりします。
嫌がらせをしていたのではなくて、単純に「勝ちたい」だけ。
勝てる確率の高いポイントがあるなら、そこから攻めるのが常識ですからね。

すぐにみんなとコミュニケーションを取って仲良くなり、あっという間に5月。やっと慣れてきて、いい感じの時にみんな退寮です。卒業式もあり、生徒がどんどんいなくなって、6月には、自分たちも授業が終わり、夏休みに入りました。夏休みといってもアメリカでは年度の区切りになります。


夏休みに入ると、学校の寮も閉まってしまうので、
**フロリダ州にある IMG Academy **へ。

画像1

IMG はとにかく設備が整っており、スポーツをするのには最高の環境でした。トレーニング器具や、プログラムも最新技術を取り入れ、トレーニングをしていて本当に楽しかったです。

夏のIMGでは規定のキャンププログラムに申し込みをして、そのスケジュールに沿って、トレーニングを行なっていました。スケジュールも週末は何もないので、TOEFLの勉強をしたり、SATの練習問題を解いたりしていました。(TOEFL, SATについてはまた。。)

ご縁があって、現地でコーチやスタッフの方によくしていただいて、個人トレーニングや、college レベルのトレーニングに参加させてもらえたりもしました。
このIMGでのトレーニング期間で、身体も大きく、そして速くなり、バスケットボールの面でも、ハンドリング、シュートタッチ等、かなりレベルアップすることができました。


7月に入り、ちょうど調子が上がってきている時に、祖母が亡くなりました。初めて家族を失い、自分はアメリカから帰れず、苦しんだのを今でも鮮明に覚えています。
それでも、祖母のためにも、頑張ってる姿を見せて、少しでも成長した姿を見せようと、もう一度スイッチをいれて、トレーニングに励みました。

IMGでの約1ヶ月のトレーニングが終わり、
Pennsylvania で開催される、HOOP GROUP CAMP に参加しました。
数多くの大学のリクルートが足を運び、選手を見にくるHOOP GROUP CAMP。僕にも何校かInterest を示してくれる学校はあったんですが、Offerにはならず。。


7月20日にSTMに戻り、Summer School に参加。基本的にはここでもSATとTOEFLの対策をメインに授業や、自習時間を使っていました。週末は必ずキャンパスの外に遊びにいったり、映画を見たりするイベントがありました。普段の学校よりも人数が少なく、クラス数も少ないので、イベントが多かった印象です。

Summer School が終わるとすぐに、STMで開催されるバスケットボールキャンプにそのまま参加。中学生くらいの子から、高校生まで、幅広い年齢層の子たちが集まってキャンプをしていました。1週間を2回。それぞれ違う優勝チームや、MVPなどの賞を用意していました。


8月20日、もう一度IMGに戻り、2週間、新学期再開のギリギリまでトレーニング。


9月4日からPost Graduate Year のスタート。

チームメイトとの顔合わせも終え、すぐにPick Up Gameや、走り込み。
戦術的な練習はできなくても、アップダウンの多いメニューでプレシーズンを過ごしました。シーズンが始まる前から、大学のコーチたちが見にきて、いい選手に声をかけます。
ここで、ヘッドコーチから初めて言われて驚いたのが、

「まだSATのスコアを持っていないからコーチたちは声をかけられない」

と言われたこと。
SATは夏明けて戻ってきたら受ければいい、と説明されていたので受けたことがありませんでした。

画像2

なので、一番早くて10月のテストまで待つ必要が。。。

それでも声をかけてくれて、シーズン始まったらまた見にくる、といってくれるコーチもいました。

順調にシーズン前の全体練習も進み、当初はPGとSGの2つのポジションでプレーする予定だったんですが、一人PGがシーズン全休の怪我をしてしまったので、基本的にはPG(ポイントガード)としてプレーしました。


11月1日から、バハマに飛び、シーズン開幕。3試合でプレータイム平均15分〜20分13点4アシストと悪くない滑り出し。

アメリカと日本ではルールが違うので、
・20分ハーフ
・ショットクロック30秒

など、細かいのはもっとたくさんありますが、そこに慣れることからスタートでした。

ポイントガードとして挑む初めてのシーズン。
アメリカでは、高校生のチームでもコールをしないオフェンスは一度もなく、それくらいシステマチックに、動きを統制されています。

とにかく頭を使って、戦う。

戦術が頭に入ってなかったり、与えられた役割以外のことをやろうとしてミスをすれば、下げられる、もしくはプレータイムをもらえません。

「ペースをコントロールして、ポイントポイントでシュートを決める」という役割に適応して、継続的にプレータイムをもらえました。
終わってみたら、シーズンの約半分をスタートでプレーしていました。



12月10日、「Battle in the Apple」というイベントでNYに行き、** Barclays Center (NBA BROOKLYN NETS のホーム) **でプレーするチャンスをもらいました。

画像3

このコートでやれることに興奮と緊張で久しぶりにガチガチでした。
それでも、1本シュートを決めて落ち着き、最終的に7得点5アシスト。
チームとしても最後まで競っていたんですが、負けてしまいました。


シーズンを通して、大きな怪我はなかったんですが、年末に脳震盪で一度戦線離脱しました。
次の日が強豪相手の試合で、チームメイトも気合が入っており、ディフェンスで 2m 100kgオーバーのプレイヤーからチャージングを取った時に床に頭をぶつけたようで。
意識がとんで、起きたらめちゃめちゃ名前呼ばれてました。笑
記憶がそこだけ飛んでしまっていたんですが、精密検査を受けて異常もなく、そのままクリスマスブレイクに入りました。

アメリカではConcussion (脳震盪)はかなり危ないとされているようで、すぐにテストを受けて、安静期間、リハビリまで指示されます。

本当は帰れる予定ではなかったんですが、ヘッドコーチの配慮で年末に一度日本に帰ることができました。(基本的には安静でしたが。笑)


1月-3月

新年を迎えてすぐにアメリカに戻ることになったのですが、アメリカに到着してすぐに入国審査で引っかかり、別室に連れて行かれました。
理由は、学校側が自分の籍を前の年から移しておらず、新年度になってから在籍していないことになっていたんです。
なんとか先生と連絡がつき、無事に別室から出ることができたんですが、予定していた飛行機には間に合わず、5時間空港で彷徨うことに。。

乗り継ぎを済ませて、学校に移動し、着いたのが夜中の3時。
18時には着いている予定でした。笑

次の日から授業は再開、そして試合。蓋を開けてみれば、もう一人のPGが足にギブス。
授業の合間で病院に行き、脳震盪明けのGoサインをもらって、いきなりスタートで30分出場。ありがたいことなんですが、流石に死にそうでした。笑


シーズン後半に入り、個人としては、調子も上がっていたのですが、チームではなかなか成績が伸びず。。

National Championship にも呼ばれず、NEPSAC League のトーナメントでも優勝チームに敗れて、僕のアメリカでの1st SEASON は終了しました。


本当にたくさんの経験をさせていただきましたし、
1バスケットボールプレイヤーとして、大きく成長できたシーズンでした。

遠征の次の日でも必ず朝練に行き、一人でもシューティングを行い、なんとか自信を繋いで、ハンドリングを磨いて、トレーニングをして、シーズンを過ごしました。


やはり、アメリカのホームでのゲームは、日本とは違った盛り上がりというか、熱があって、本当にプレーしていて楽しくなるような、そんな雰囲気でした。


終わってみると、チームメイトのほとんどがDivision 1 の大学に進学し、かなりレベルの高い環境でバスケットができていたことを実感しました。


どこにいても共通して言えるのは、

**『誰にも負けない武器を作ること』

**

どこか欠けている部分があったとしても、補って余りあるくらいの強みを見つけて、磨きつづけること。

僕自身まだまだやれることがある、と実感しています。


-----------------------------------------------------------------------------


今回は、渡米してから、シーズンが終わるまでのお話でした。

読んでいただきありがとうございます。

一年間の貴重な経験を1つにまとめてしまうことに不安と、抵抗があったんですが、プレシーズンから、シーズン終了までの流れとしてみていただけると嬉しいです。

今回書いたものの中から、ピックアップして書くこともあるかと思います。
その時に、流れを1度読んでいただいていれば、また面白いものが書けるのではないかと、おもっております。


色々、試行錯誤しながら、成長していきたいと思います。

そして、少しでも多くの方に読んでもらうためにも、みなさんのお力を借りて、シェア、拡散していただけると嬉しいです。

次回作もすでに書き始めています!

よろしくお願いいたします。


小林 良





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?