斬舞踊シリーズのこだわり

こんにちは、涼子です。
こじぷろで脚本をしている私から、今回のクラファンの最初のレポートです。

無印の「斬舞踊」、そして「斬舞踊外伝シリーズ」は、今度発売の「宗像の書」でCD6枚目となります。
1枚のCDが(エンディング曲も入れると)大体1時間なので、もう約6時間分のドラマが詰まった作品となりました。

ということで、今日は「斬舞踊シリーズを通してのこだわり」について
お話したいと思います。

斬舞踊シリーズの開始

皆さんは、「斬舞踊」というタイトルの意味を知っていますか?

これはまみよさんがつけたものです。
元々無印の「斬舞踊」のテーマ曲のタイトルでした。

その曲は、ヤマタノオロチ退治をするスサノオの様子を歌ったもの。
スサノオの姿を「斬って舞い踊る」と表現し、タイトルが決まりました。

そんな思いがタイトルにこもった「斬舞踊」ですが、ボイスドラマは「RPGっぽくしたい」という意見が出ていました。

そこから

  • :高天原→オオゲツヒメの社→クシナダとの出会い→クシナダの村→オロチの情報を手に入れる旅→村で戦う→旅立ち

  • パーティー・仲間:オリジナルキャラのヒスイ、シュサ

  • その他、RPG好きならクスッとできるような要素

をたくさん入れることになりました。
もちろんクライマックスは、「斬って舞い踊る」スサノオの大立ち回り。
ボイスドラマに入れ込める技術をフルで活用して、壮大な戦いを描きました。

外伝シリーズの開始

その「斬舞踊」発売後に、「斬舞踊外伝」の話が持ち上がりました。

ヤマタノオロチとの戦いを終えて「須賀」の地に住んだはずのスサノオは、
古事記に次に登場するときはなぜか別の地に住んでいます。

その理由はもちろん、この後古事記の中の時代も何世代分も飛んでいるのです。

この「古事記の空白」をオリジナルストーリーで埋めよう!と始まったのが斬舞踊外伝シリーズでした。

今までに発売された斬舞踊外伝シリーズは全部で3作。

壱・村屋の書
奈良県の田原本町の村屋神社が舞台
ミホツヒメ・フツヌシ・タケミカヅチと共に人間たちを助けて戦うストーリー

弐・素桜の書
長野県の素桜神社と諏訪が舞台
タケミナカタ・モリヤノカミと協力して諏訪の地を守るストーリー

参・白山の書
石川県の白山が舞台
ククリヒメと人間の法澄を助けて、伝説の大蛇と戦うストーリー

そして、今度発売される「肆・宗像の書」は福岡県の宗像が舞台。
スサノオが、タキリビメ・イチキシマヒメ・タキツヒメと共に、宗像の地で巻き起こる新たな問題に立ち向かっていきます。

シリーズだからこそのこだわり

斬舞踊外伝シリーズは、全7作の予定です。
さっきも書いたように、1本が1時間ほどなので、全部で7時間
(最終作は上下巻にしたいともくろんでいるので、それが叶えば8時間)
のストーリーとなります。

最近のアニメが、大体1話24分ほど
1クールが12話とすると、5時間弱で話が完結しています。

そう考えるとかなりの長尺
もちろん1話ずつ、状況説明のナレーションなど入れているので重複する部分はありますが、それでもかなり長いと言えるでしょう。

「斬舞踊」の名前を付けていて、スサノオとクシナダが主人公。
2人が旅をするというのも同じ。
1つの目的に向かって、毎回各地を旅する、水戸黄門タイプのお話の連なり。

そこで私がこだわっているのが、「同じにしない」ということ。

水戸黄門よりも、アンパンマンの方がわかりやすいかもしれません。

アンパンマンは毎回
「アンパンマンが、友達が困っているところに遭遇して、その原因を作ったバイキンマンをアンパンチでやっつける」
というお話。

でも、多彩なキャラクターと、毎回変化する脚本で飽きずに長年親しまれているのです。

そういう要素を入れようと、斬舞踊外伝シリーズでは毎回細かい要素にこだわっています。

変化していく世界

スサノオとクシナダの関係性

シリーズの中で一番変化しているのは、スサノオとクシナダの関係性です。

一番わかりやすいのは前作の「参・白山の書」ですが、その前にも少しずつ変化していってました。
例えば「壱・村屋の書」では、無印の斬舞踊よりも家族っぽさを意識しました。

初々しい凸凹カップルだった「斬舞踊」とは違い、お互いが当たり前に隣にいる関係性へと変化。
スサノオの大好きアピールも、照れつつ時には受け流せる余裕がクシナダに出てきていました。

スサノオに対する神々の印象

他には、スサノオに対して神々が持つ印象も変化をつけています。

シリーズに登場する登場人物たちは(一部を除いて)みんなスサノオのことを知っています。

スサノオは、めちゃくちゃ有名な神様なので当然なのですが、スサノオへのアプローチの仕方はそれぞれで違っています。

私たちが、現代の有名人に抱く感情、偶然出会った時にアプローチする方法がそれぞれ違うのと同じです。

  • 登場人物の性格

  • 神話の中でのスサノオとの関係性

  • ストーリーの中での役割

  • 他の神やシリーズとの差別化

を意識しながら決めています。
中でも重要視しているのは、神話の中でのスサノオとの関係性。

オリジナルストーリーだからこそ、神話の要素が盛り込める部分はなるべく多くしたいと思っています。

キーアイテムの入手方法

最後に紹介するのは、キーアイテムである「勾玉の欠片」の入手方法です。

勾玉の欠片を手に入れるために、スサノオは各地を旅しています。
当然その欠片を手に入れるのは、ストーリーの最後の方です。

1時間のストーリーを聞いてくれた方たちの印象として
「勾玉の欠片」という要素が浮いてしまわないようにしています。

それぞれのクライマックスに沿って、一番自然な欠片の入手方法はなにか、を大切にしています。

一番こだわっていたのは「弐・素桜の書」のラストシーン。

この作品は、テーマが決まった瞬間に勾玉の欠片を手に入れるシーンが思い浮かび
それに向かって書き進めるというやり方を取りました。

次のレポートは・・・

ここまで読んでくださってありがとうございます。
今回は、「斬舞踊」「斬舞踊外伝シリーズ」の概要と、シリーズを通したこだわりについてお話しました。

次の私のレポートは、YouTubeにのみ登場するキャラクターも含めて、
各キャラクターのお話をしたいと思います。

特に複数回目登場のキャラクターは、前回登場時からの変化もそこでお話したいなと。
裏話要素を多めでお話ししますので、次回もお楽しみに!

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