ボイスドラマの完成まで!⑦執筆のあれこれ後編
こんにちは、涼子です。
先週はお休みしてしまってごめんなさい!でも、お陰で新しい台本が仕上がりそうです!!
さて、前回は「執筆のあれこれ前編」ということで、私が脚本を書くときの流れについてお話しました。
今回は、その後編。具体的な作業の裏側をお見せします!
ゴールはここ!
まずこちらが、こじぷろこと古事記projectの完成台本です。
これは、『斬舞踊 外伝 ~壱・村屋の書~』の一番最初のページ。
皆さんが想像するような台本よりも大分シンプルかな・・?と思います。実は、収録時には製本とかもしていないんです。この形にして、データで直接事務所などにお送りすることになります。
脚本のスタート地点~執筆中のあれこれ
とまあ、上の画像を目指して作っていくわけなんですが、脚本の書き出しは最初ここから始まります。
真っ白なワード。意外性のない画像ですみません(笑)
執筆には、色んな機能を使っている方がいるかと思いますが、私はワードを使ってます。後から色々形式をインストールすることもできるし、なによりも使い慣れているので、書く以外のストレスがない、というのが大きいです。
そしてひたすら執筆。執筆の流れは前回のnoteで詳しく書いているので、ぜひ見てみてください!
こんな感じで書き進めます。セリフ・BGM・絶対入れたい、もしくは演技に関わってくるSE・場所はどこか、を入れています。
あとはたまに、演技の方向性の指示。このページだと(ちょっといたずらっぽく)っていうのがクシナダのセリフ前に入ってますね。他にも(笑いをこらえながら)(偉そうに)(暗くなりすぎず)(食い気味で)とか入れてます。
文字だけだと、役者さんやメンバーに意図が伝わらないことも多いので、この指示を入れておくだけで、収録や編集がよりスムーズになるんです!
あと、縦書きと横書きの人がいると思いますが、私は断然横書き派。
パソコンは当然、横長の画面ですよね。なのでワード初期設定の場合、横書きだと、ページを縮小したりしなくても、1行すべてが画面に収まりきるんです。結果、今書いている部分がすべて目に入った状態で執筆できるので、横書きで書いてます。
執筆が終わったら・・・
ひたすら書き進めて・・・。この後は、書き終わった後のお話。
まずは台本を縦書きにして、改行処理をしていきます。
言葉の途中で改行しない・セリフの途中で改ページしないのがまず一番。そして私ルールで、2行目以降は、可能であれば一行目の開始位置と合わせます。が、これを全てのセリフでやるととんでもない行数になったりするので、長台詞だとやってなかったりも。
このページだと、
・真ん中あたりのスサノオのセリフは1行目と2行目の開始が同じ位置
・その少し後のスサノオのセリフは、セリフが3行にならないギリギリの位置まで2行目を下げてある
・最初のナレーターのセリフは、2行目以降の位置を下げると10行くらいになってしまうので、言葉さえ切れていなければオッケー
みたいになってますね。
その後は、収録をスムーズにするための処理をしていきます!
まずはシーン番号。この画像だと最初の「シーン1」とその次の赤文字。実際に収録する時は、この番号で進行を管理しています。ちなみにこのシーン番号は、後々私が作る香盤表ともリンクしているんです。
香盤表の一部。左から3列目の「シーン番号」が、台本とリンクしている部分。スケジュールやスタジオの関係上、1ページ目から順番に録れるわけではないので、これを使って録り忘れも防ぎます。
そして、ページ下にあるページ番号と、ページ上にある行番号。
収録中、一部録り直しや「こういう方向性の演技に変えてほしい」という要望を音響監督さんから伝えていただくことになります。その時にこの番号で、「10ページの15行目、茶目っ気を出す方でお願いします。」と伝えることで、スタッフ間でも、音響監督さんから声優さんへも、意思の疎通がスムーズに!
と、こんな感じでこじぷろの台本は完成へと向かっています。
声優さんとメンバーに育ててもらった台本
今はこの感じで確立しましたが、最初は形式が定まっていませんでした。
ページ数や行番号、シーン番号もなかったし、改行とかも大して気を使ってませんでした。そんな中収録してくれた1章、2章の声優さんたちは大変だったと思います。
そして、収録時に「この要素を入れた方がスムーズになる」とアドバイスをくれる声優さんもたくさんいました。それを1つずつ入れ込んでいって、今のスタイルがあります。
それから、回を追うごとに、他のメンバーともより詳しいところまで脚本の修正点を洗い出したりするようになり、書いていると気付けないレベルの設定の食い違いや、言葉足らずも解消して収録に臨めるようになりました。
私はまだまだ未熟な脚本家で、面白い脚本を書くために、たくさんの人の手を借りています。でもだからこそ、よりメンバー全員の思いを背負った脚本にしたいと思うし、声優さんがもっともっと輝ける展開にしたいと願えるのかもしれません。
そしてなによりも、ボイスドラマを聞いてくれる、そして楽しんでくれるたくさんの人たち。その支えがあればこそ、次の作品を!と思ってまた真っ白なワードに向かえています。これからも、こじぷろのことを応援してもらえたら・・と願ってやみません。
長くなってしまいましたが、今日はここまで。
それではまた!