ジェルくん「星のない夜は」〜新参ママリスナーが受けとめた思いとは~
「あなたの人生において、殿堂入りを果たすような曲はありますか?」
もし、そう問われたら、いったい幾つの曲が頭にパッと思い浮かぶでしょうか? 単に「お気に入りの曲」だったら、星の数ほどあるけれど…。
この曲と出会って、人生が変わった。
この曲がなければ、あの時生き延びることはできなかった。
この曲があるから、今の自分がある。
人生に深く食い込んで、自分の生き方や考え方にまで大きな影響を及ぼすような重要な曲。そこまで思える音楽には、そんなに簡単には出会えません。
ところがつい最近、久しぶりにそのレベルで重要な意味を持つことになりそうな1曲と、久しぶりに出会ってしまいました!
それが、この曲。
インターネットを中心に活動を行う、6人組エンタメユニット「すとぷり」。そのすとぷりのメンバーで、オレンジ色担当の最強エンターテイナー、ジェルくんが、2024年7月28日、28歳のお誕生日を記念して投稿した、オリジナル曲「星のない夜は」です。
作詞作曲は、ハヤシケイさん。
MVのイラストは、一条さん。
MVの映像は、Aoさん。
この曲は、ジェルくんにとって、復帰後初となる久々のオリジナル曲ということもあり、かなり力を入れて前々から準備をしていたそう。お誕生日のカウントダウン放送にて、この曲について次のようにコメントしていました。
私は、ボーカロイドの世界については、ド素人。ボカロPさんも、すとぷりやジェルくんが、たびたびカバーしているような、有名な方しか知りません。だけど、ハヤシケイさんの名前は記憶にありました。ジェルくんが歌みたを投稿している「ピエロ」。このピエロの作者が、ハヤシケイさん。メロディーも歌詞も素晴らしく、私も繰り返し聴いている大好きな曲です。
そのハヤシケイさんに依頼して、お誕生日のために書き下ろしてもらった、久しぶりのソロでのオリジナル曲。否が応でも期待が高まります。ジェルくんの28歳のお誕生日当日。スマホを片手に、夕方18時のプレミア公開を、ドキドキしながら待っていました。
受け取ることができなかった、新参リスナーの苦悩とは…
ところが…。
こうして、ついに届けられた、新曲「星のない夜は」。
「神曲」を名乗るにふさわしい、それはそれは素晴らしい楽曲でした。メロディーも歌詞も、MVのイラストも映像も、ジェルくんの歌声も。すべてが最高にマッチした、期待のはるか上をいく1曲だったのです。
でも、だからこそ。
私は思ってしまったんです。
「ああ、私には、この曲を受け取る資格がない」
…と。
毎度ながら、メンヘラで面倒くさい性格で、ホントごめんなさいね(笑) でも、その時は本当にそう思ってしまった。そしてもう一度、再生ボタンを押す勇気が、どうしても出なくなりました。
この曲は、いわば、ジェルくんからリスナーさんへのメッセージ。MVの概要欄には、「何かを作り続けられるのは、君がいるから」というジェルくんからの言葉がありました。ずっと離れずにそばで支えてくれているリスナーさんとの関係を、その思いを歌った曲でした。
私は、ジェルくんをずっと支えてきたリスナーではありません。すとぷりの沼に落ちたのは、2年前の夏の西武ドームのLIVE。ジェルくんが活動休止期間に入ったのと入れ替わりでジェルくんのリスナーになった、新参者です。
こんなにもジェルくんへの思いが強くなった今だからこそ、はっきりと想像できてしまうのです。大好きな自分の推しが、休止を宣言したら、どれほどの衝撃があるだろうか?と。どれほど大きな悲しみの中で、それを受け入れたのだろうか?と。そして、何の保証もない中、それでも推しを信じて応援を続けるには、どれほどの覚悟と忍耐が必要だったのだろうか?…と。
だから私は、休止前からずっとジェルくんを推しているすべての皆様を、心から尊敬します。もう、絶対に敵わない。私には、永遠に届かないのです。
私も2年前から推しているので、休止期間の1年半の間もずっと追いかけてはいました。でも、肝心のその部分を共有していない…。だから、ジェルくんから届けられたこの曲を、私が感動して聞く資格はない…と、瞬時に思ってしまったわけです。
プレミア公開の際に1回聴いたきり、私が再び再生ボタンを押すことは、ありませんでした。
受け止められるようになった、心の変化とは…
しかしながら、私の推し活人生を大きく変えることになった重大なイベントが、ジェルくんのお誕生日の1週間後に待ち構えていました。
それは、「握手会」です。
私は、8月3日(土)、池袋アニメイト本店で開催された握手会に参加しました。そこで私は、初めてジェルくんにお会いして、言葉を交わすことができました。何があったかの詳細は、以下の記事に綴っております。
一言でまとめてしまうと、ジェルくんと実際にお会いして、言葉を交わしたことで、私はようやく、こう思うことができました。
「好きでいていいんだ」
先ほど書いたように、つらい時期を共に乗り越えたわけではない新参者の私が、リスナーを名乗っていいのだろうか?好きでいていいのだろうか?という思いが、ずっと心の中にありました。これまで、ジェルくんが「リスナーさん」と言う時、そこに自分は入っていないと思ってきました。
でも、この日以来、ジェルくんが「リスナーさん」と呼びかける時、私も片足ぐらいは入れてもらえるかな?と思えるようになったのです。推し活に前向きに向き合えるようになったこと。これは、メンヘラおばさんである私にとって、とてつもなく大きな心の変化でした。
そして、ふっと、思い出したのです。
プレミア公開から一度しか聞いていなかった、「星のない夜は」という曲の存在を。そして、今なら聞けるかもしれないと思い、勇気を出して再生ボタンを押してみました。
すると今度は、メロディも、言葉も、ジェルくんの歌声も。不思議なぐらい、私の心にすぅっと入り込んできて、受け止めることができたのです。
こんなことを書いたら怒られてしまうかもしれないのですが、ジェルくんがご自身のことを歌っている歌詞を、自分に置き換えて聞いていました。私自身も、いくつもの星のない夜があったけど、ようやくここに辿り着いた。悩んだ時間も、決して無駄ではなかったと思えたのです。
そして…。
私もそんな気持ちになって、このnoteの記事を書いている次第です。
「星のない夜は」4つの推しポイント!
ここからは、少しまともに、曲の感想を書いていきたいと思います。私の超個人的な推しポイントを4つまとめてみました。
推しポイント① ~歌詞~
まず1つ目のポイントは、やっぱり「歌詞」です。ハヤシケイさんが紡いでくださった言葉の一語一句が、あまりにもはまりすぎている!! これに尽きます。このような楽曲の制作を依頼する際、こんな雰囲気の曲にしてほしいとか、こういう内容の歌詞を書いてほしいなど、やりとりはもちろんするのでしょうけど、それにしても凄くないですか? ハヤシケイさん!
初めから最後まですべての言葉が刺さるのですが、1つ選べと言われれば、やはりここでしょうか。
今のジェルくんがこの言葉を歌うこと…。
…ああ、どれだけ大きな意味があるでしょうか? そして、リスナーである私たちがそれを受け取ることができること。どれだけ感慨深いことでしょうか? もう、言葉では言い表せないぐらい、感動しました。
ここで歌う「暗闇」とは、休止期間中のことに加えて、ジェルくんが抱えてきた、過去の色々な心の傷や痛み、苦しみも含まれているのかもしれません。でも、それらを無駄ではなかったと歌ってくれること。こんなに心震えることはありません。
また、この部分の歌詞は、私たちリスナーにとっても一人称に置き換えられると思います。不安や寂しさで、心が折れそうになったたくさんの夜を乗り越えて、今こうしてまた、ジェルくんと一緒の時間を過ごせるようになったのです。離れていた時間も、無駄ではなかった。心からそう思えるのです。
そして、これは私の勝手な妄想ですが、1番の歌詞は、休止中のジェルくんのことを表現しているのかな?と思いました。
まだ遠くにいるリスナーさんに、これから一緒に何かを探していこうと、そっと呼びかけているような歌詞。
それが、2番では。
…となります。「見つけよう」から、「描こう」という力強いメッセージに変わっているのです。探すのではなく、自分たちの手で作っていくのだと。ラストの「僕らだけのオレンジ」もグッときます。暗闇を駆け抜けてきたジェルくんが、再びリスナーさんの前に立って、また一緒に走っていくことを決意してるよう。
すべて、妄想ですが…(笑)
勝手な妄想で、涙、涙…です(涙)
推しポイント② ~ジェルくんの歌声~
2つ目の推しポイントは、ジェルくんの歌声です。七色ボイスを持つ最強エンターテイナーのジェルくんは、歌についても持ち前の歌唱力と表現力で、これまで様々な曲の世界を作り上げてきました。
しかしながら、この曲は、非常にストレートな歌い方が印象的です。ビブラート等のボーカルテクニックを使用せず、セクシーなイケボも封印。(イケボなんですけどね!) 熱を込めながらもまっすぐな声。メンバーシップ限定の配信で話をしているジェルくんに近いような、まるで語りかけるような歌声です。
そしてそれが、上述の歌詞の内容に合っていて、凄く凄くいい! サビ前~サビで、韻を踏んでいるところが特にグッときます。
「溢れ出して止まらない~」
「星のない~」
「灯るサイン」
特に「止まらない~」の最後のブレスアウト。ジェルくんの熱い想いが溢れ出るような息遣いに、思わず胸が締め付けられてしまいます。
あとは、Aメロの低音のところ。これは「ピエロ」にも似ている部分があるのですが、女子がカラオケで歌うと出ないとこです(笑) この低音ボイスに、胸がキュンとなります。
ボーカルテクニックをあえて使用せず、なるべく素のままのジェルくんで歌を届けたかったのかもしれない、誠に勝手ながら、そんな風に想像しました。だから、聞いている私たちの心に、ダイレクトに入り込んでくる。少し湿った、優しく、でも力強い歌声に、28歳の等身大のジェルくんを感じて、聞くたびに心を揺さぶられてしまいます。
推しポイント③ ~楽曲とサウンド~
3つ目の推しポイントは、メロディーラインとサウンドの良さです。これは完全に私の個人的な好みになりますが、自分の中で好きなメロディというのが明確にありまして…。それは、ずばり「疾走感のある泣きメロ」です!
シリアスな内容を、風に乗って駆け抜けていくような、疾走感のあるのメロディーに乗せて歌うというパターンが大好物。すとぷりの曲で言うと、「希望のチューしよっ」とか。「星のない夜は」は、そんなMy Favouriteの条件にドンピシャすぎました。
そして、美しいピアノの旋律と泣きのギターサウンド、この2つの掛け合いが、この曲の感動を倍増、いや、5倍ぐらいに増量してくれています。ピアノに関しては、特に、2番のBメロ後に入って来るところ。星降る夜空を、羽を広げて舞うように奏でられるその旋律。リスナーさんを思いながら、一人真摯に作品を作っている、ジェルくんの高鳴る胸の内をそのまま表現したようなサウンドです。
それから、歌のラスト、「僕らだけのオレンジ」の「ジ~」にかぶせて入って来る、泣きのギター。このメロディーラインをなぞるギターの旋律で、ノックアウトではないですか? これは良すぎてズルイと言いたい。そのままの勢いで終わりまで疾走、舞い踊るピアノサウンドで締めくくり。もう完璧です!! サウンドも文句なしに大好きです。
推しポイント④ ~MVのイラストと映像~
最後の推しポイントは、MVのイラストと映像です。最初にこの曲のサムネイルが公開された時、イラストを見ただけで、一瞬息が止まりかけました。額に手をかざして、夜空の星を仰ぎ見るジェルくんの視線。たくさんの思いを抱えて、それでも今、「ジェルくん」として、リスナーさんの待っている場所へ帰ることを決意しているような。なんとも表現しがたいジェルくんの表情が、本当にたまらないのです。
イラストも映像も、とても美しい。特に、ジェルくんがパソコンの前で一人作業している様子を描いたイラストがとても好きです。本当にこんな風に、一人で夜な夜な、懸命に動画を作ったり、脚本を書いたりしてるんだろうな…と。
映像も、夜空の星が弾けるシーンや、朝焼けの淡いオレンジ色の光に包まれて、舞い散る落ち葉の中でジェルくんが立っているシーン。顔がアップになった時の透き通るような緑色の瞳が、本当に綺麗で素敵です。
作詞作曲を担当してくださった、ハヤシケイさん。
イラストを描いてくださった、一条さん。
映像の制作をしてくださった、Aoさん。
この場を借りて、お礼を申し上げます。ここまですべてが完璧に揃った曲も、なかなかありません。それぞれを担当される方々が、渾身の力振り絞って生み出してくださったのだと思う。こんなに素晴らしい曲に出会えたことに、心から感謝したいと思います。
ここでやっと、冒頭の話に戻りますが…。
こうして、このジェルくんのオリジナル曲「星のない夜は」は、私の中で堂々の殿堂入りを果たました!!
ジェルくんのリスナーでなくても、ただ普通に聞いても、素晴らしい歌詞とメロディーで、十分に感動できる楽曲だと思います。Apple Music等でデジタル配信もされているので、一人でも多くの方に、この素敵な音楽が届くことを願っています。
どんな暗闇も迷わずいける、深い絆がそこにあるから
「推し」と「リスナー」という関係。
「星のない夜は」のテーマともなっているそれは、本当に不思議だと、この記事を書きながら、あらためて感じていました。
リアルライフでは、決して交わることのない者同士。どんなに強く望んでも、どちらかが倒れそうな時、直接手を差し伸べて助けることはできないし、不安で押しつぶされそうな時、そばにいて手を取り合って歩くことも、できない。それは、永遠に叶わないのです。
にもかかわらず、そんじょそこらのリアルな人間関係なんかよりも、よっぽど深く、強い絆で結ばれていると思えるのは、なぜでしょうか?
「ファンとは、見返りを求めない、もっとも純粋な愛である」
いつかどこかで、そんな言葉を目にしたことがあります。ジェルくんとジェルくんのリスナーは、お互いがお互いのファンなのではないか、と思うのです。
お互いにとって、お互いがなくてはならない存在で。お互いがいるから毎日がんばれる。でも決して、その在り方を強要することなく、ただひたすらに、お互いが笑顔で幸せに生きていることを祈っている。お互いがお互いにとっての「光」なのです。
暗闇を共にくぐり抜けてきたからこそ、さらに深く、強くなった両者の間の絆。その絆があったからこそ、ジェルくんはまた、リスナーの前にジェルくんとして戻ってきてくれた。リスナーの笑顔のために、息つく暇もないほどに、全力で走り続けてくれています。
そして、リスナーである私たちもまた、そんなジェルくんの頑張りをそれぞれしっかり受け止めて、各々のできる中で最大限のエールを送り続けているのです。
ジェルくんのお誕生日祝いの記事でも書かせてもらいましたが、幾多の偶然が重なり合って、この広い世界でめぐり逢ったこと。そして、ジェルくんも、リスナーである私たちも、お互いが元気で、共に時間を過ごせる今は、まさしく奇跡です。この奇跡のような時間に、今あらためて感謝しながら、私は今日も、全力でジェルくんを推していきたいと思います!!
ジェルくん、素晴らしい歌を届けてくれて、本当にありがとうございました。大切に、これからもたくさん、聞かせてくださいね。
最強の推し、ジェルくんと。
最強のリスナーである私たち。
この先、何が待ち構えていようとも。
どんな暗闇も迷わずいける。
そこに深い絆があるから。
どんな暗闇だって駆け抜けて。
これからもずっと、お互いがお互いの光であり続けられますように!!
私たちだけのオレンジを、一緒に描いて行けますように!!
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今回も、大変長い記事を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。毎度ながら、好き勝手書いてごめんなさいっ!
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