和芥子かイカの塩辛を足した方がうまいだろな
オリーブオイルが切れかかっていたので、スーパーマーケットでカゴに入れようとした際に、あまりの値上りが、特にエクストラバージンオリーブオイルがイタリア産もトルコ産もえらい値段になっていて驚いた。オーガニックだとかじゃなく普通のボスコでも値札が間違ってんじゃないかってくらい。円安、誰が得してるんだ。株が下がっても空売りしてるひとは儲かるわけで、何がどうなろうとどこにだって利益は発生するだろうけれど、食材の多くが輸入で、そして国内生産品でも収穫・漁・流通時に輸入された原油が必要で、富める者も貧しき者も人間めしを食わなきゃいけないのである。せめて食品は消費税免除にできぬものか。デフレ脱却以前に息が続かなそうだ。スーパーマーケットのセルフレジで全ての商品のバーコードを読み込ませたあと会計ボタンを押した際の合計金額に「間違えて高価なモノを買ってしまったろうか」と思うことしきり、家でめかぶ蕎麦を啜りながら嘆く二〇二四年末である。
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処方箋薬局の、ガラス張りの入口ドア横に「BLACK FRIDAY」とキャンペーンポスターが貼ってあり、「外国の行事や風習を節操なく取り入れるのは嫌いじゃないしなんだかんだでハロウィンは定着したが──ここは薬局、体調不良のひとがくるとこで、そりゃやり過ぎだぜ」と感じた。
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よく通う鮮魚店で、値引きで500円の宮城産本マグロ。脂でフォーカスがブレるぜ。だいたいの刺身は実のところ醤油&ワサビ「以外」のほうが好みだったりするけれど、こいつだけは別さ。白めしにかかっているのは、映画で役所広司さんがスイカにかけてた粉ではなく、すしのこ。
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台湾料理屋でメニューにあったらよく食べていた「しじみの醤油漬け」。初めて自分でつくった。
常温で数時間砂抜き→二十四時間冷凍→沸騰させた漬け汁が冷えたら浸して貝の口が開くのを待ってから冷蔵庫でひと晩漬ける、とそれぞれの工程は難しくはないが即座に食べられるものではないのが面倒ではある。しかしカンジャンセウの海老ミソにも似たこの味わいはやはりいいなあ。
(非加熱の二枚貝なのでノロウイルスの危険性からは逃れられない……が……ノロは冷凍じゃ死なんのよね)
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コンビニで見つけた製品。あまり食欲もない日で、これで一食を済ませれば割り高でもないやろと買ってみた。〈昭和から続く老舗洋食店で前菜として定番品〉的な味がした。食べて「うん、なるほど、なるほど、こういう味か、こういう味だよな」という感じである。食べ終えて検索してみるまでまったく知らなかったが、実際にフランス料理の前菜でウフマヨネーズという料理なのだね。和芥子かイカの塩辛を足した方がうまいだろなこれ。