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冷めしに丼

 詳細は省きますが(noteには書いてございます)、ヘトヘトでシオシオのパーで青菜に塩、様々な要因が組み合わさり疲労コンバインでございます。ようやく涼しくなってきたというのに身体の調子が……いや、もう八月も終わるというのにぜんぜん涼しくなっていないですな。

それはそうと、何がそれでそうとなんだ、総統!立てます!いやアレは総督でしたか、まあとにかく、とにかくでもないが、鶏肉を煮て卵でとじ──親子丼の具の玉ねぎヌキ、それの卵でとじる際に、「牛スジとろとろ煮込み」という真空パック製品がスーパーにございますが、それを汁ごと混ぜて、熱々のたまごとじ汁を冷飯にかける。

 写真でうえから振りかけているのは七味でも一味でもなく、三島食品のゆかりでもうめこでもなく、丸美屋のすきやきでもなく、にんべんのかつおおかかでもなく、タヒンですな。タヒンというのはカルディで売ってるメキシコのスパイスで、唐辛子とライムが混じっていて後味がすっきり軽やかでして、ご飯にも麺にもあう。ポップコーンやミカンマンゴーなど果物にかけてもよいんです。
 このタヒンはいつ頃から日本でも買えるようになったのでしょう。少なくとも私が子供の頃にはございませんでした。いまWikipediaで該当項目を読んでみると1985年にメキシコで創業したタヒン社、レシピはその創業者のお祖母さんがつくっていたもので、1993年にはアメリカでも売られ始めたと。

 親子丼でも他人丼でも木の葉丼もカツ丼も、汁気を多めに作っといて、熱々なのを冷やごはんにかける、これは大変においしゅうございます。こいつに慣れちまうと、炊き立てホカホカごはんなどにのせると「白飯、熱っつ」などと罰当たりなことを思ってしまいます。深川めしなんてのも冷やごはんにかけたほうがうまいと感じるときがございますね。私が存じ上げないだけで、山形の冷やしラーメンのように、冷やし丼なんて名前でどこかの地域では当たり前の食べ方だったりするかもしれませんな。

 続けて食べ物のことをお話ししますが、それが日常的に売っている地域のひとにとっては、なんの変哲もないごく一般的な惣菜ではあるのに、それ以外の地域のひとにとってはお店の棚には並んでおらず、地域物産展などにも出てこなくて、なかなか手に入りにくいという品物がよくございます。先だってお話し上がったタヒンも元々はそうだったかもしれません。これなんかそうですな。「ホッキ貝サラダ」。

 ホッキ貝のヒモと、イカ、ニシンの卵が入っております。ホッキ貝は輸入品ですが、仙台名物の牛タンなぞもだいたい輸入モノなので、そこらへんは特に気にするってもんじゃございません。

 この「ホッキ貝のサラダ」、もし旅先にて立ち寄ったスーパーマーケットの鮮魚コーナーで見かけたらご購入し食べてみてごらんなさい。いやいや、むしろお口がなさらぬほうがよいかもしれません。禁断症状とでもいいますか、食べ切ってしまい暫く経つと、嗚呼、いけないよ、あれが食べたくて食べたくていけないよ、と渇望することになりかねない。そしてネット通販などで探してみると、国産品を使っててやけに高いだとか、いかんせん冷蔵冷凍品なので通販の送料がかさんだりと、碌なことになりゃしない。

 その地域でよく食べられている人気惣菜なんてのは、カニだ牛肉だ和菓子だと、名産品扱いのラベルが貼られているもんばかりじゃないという話でございました。

 おっと枕が長くなりました(以下略

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