〈2024/8/25 - 30〉夏休み最終日

 肉豆腐を食べるときって「世の中どうだろうとおれいま肉豆腐を食べるんだ、ふざけるんじゃねぇよ、ざまあみやがれ!」って妙に痛快な気分になりませんか、私は不思議となります。

 個々それぞれにあるだろう何故か胸のすく思いがする料理。こういうのを痛快飯と命名したい。個人的にそう呼ぶことにしよう。

 それはエクストリームなだけでなく同時にホッとしつつなおかつ胸がざわつかなければいけない。ラードをドカッと使った豚バラチャーハンを食べるのは興奮するがそれはエクスタシーでありマーベラスなのであって「ざまあみろ」とは少し違う。In your faceでBastard、頭脳警察の「ふざけるんじゃねぇよ」であり、岡林信康「くそくらえったら死んじまえ コキやがったなこのやろう」であり、しまいには三上寛の「なんて訳のわからない夕焼けなんだ」だ。

 自分の場合は肉豆腐のほかには、麦とろ飯やトロタク巻がそれだ。じゃがバター+塩辛もそうかな。ピェンローはボーダーラインにあるように思う。審議が必要だ。

 しかしこの文章を書いている今日(2024年11月17日)に投票結果の出た兵庫県知事選は本当に驚いた。「計算されたプロパガンダも嫌だけれど、ああいった一連のハック的な支持の集め方を〈素で〉やってたのなら、それでそこに乗っかるのが〈ごく普通の姿勢〉になっていたら、《そこがいまのコモンセンスなの!?》と自分と社会とのズレを感じてしまい、もっと怖いな……」などと。そんなときは、アレだ、報道で目にする社会の出来事に考え込まされたら、肉豆腐だ。肉豆腐はともかく、しかし本当に驚いたな。おれズレてんのかな。ズレてるのが予めわかっている部分はもちろんあるんだけれど、ここはさすがにズレてないと思っていた。

 以下は上記とは無関係の日記。

〈2024/8/25 日〉
 子の夏休み最終日。学校の準備をする。他の地域では8/31(日曜)まで夏休みのところもあるのだと、友人のfacebookで知る。大人からしてこうなのだから、自身で目的をもって行動できる生活圏が広くはなく、最近ではテレビをまったく見ず新聞をとっていない家庭(ウチがそうである)も少なくないから、児童にとって〈じぶんの生活〉以外の、〈社会の暦〉や〈違う文化圏の生活〉に触れる機会というのは昔と比べてどう変わったのだろう。ネットがあるから情報は多くなった。NetflixやAmazonプライムビデオやディズニープラスがあるから、他国(といっても主に北米だが)のアニメや映画に触れる機会も増えた。近所やクラスには外国ルーツの友人もいる。だが、これは皮膚感覚でしかないし、私が子供時代を過ごしたまちと/いま子が生まれ住むまちとは違うだろうけれど、もうなんとなくでしかないけれど、児童たちのあいだで〈自分のまちの外側〉への関心がほんの少し減っているのではないか。私がいま殆ど坂の無い大阪の平野に暮らすから、なおのことそう感じるのかもしれない。中学生ともなれば自転車でどこまでも行けるのに、なんでか家の・学校の・昔で言う学区内の近所でたむろっている。まあ、どこまでも行ける児童の姿は、私の目には入らないというのもあるだろう。いま、子の自転車をもう少し大きいのに買い換えしようと考えているので、そんなことを思う。マンガ「こち亀」で、主人公・両津勘吉が子供時代の様々な遊びやイタズラや起こした事件を想う回があって、とても好きなのだけれど、あのうちどのくらいの割合が作者の実際の想い出なのかしらん。

ここで子が2024年の夏休みに観た映画を列記した。

〈クリスマスプレゼントは夏休み終盤に夢中になったアイアンマンのプラモデルかフィギュアが今のところ欲しいとのこと──しかしこれまでの経験上、12月の頭くらいにはまた新たなものに夢中になり、興味関心が深まり拡がってサンタに頼むものは変わるのだ。〉と書いたが、予想通り、その後に映画館で観た『トランスフォーマー/ONE』主人公ロボ・オライオンパックス/オプティマスプライムの変形オモチャに更新された。

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