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北陸特急乗り納めの旅⑨3月15日サンダーバード33号&50号で大阪~金沢惜別乗車
2024年3月16日、北陸新幹線金沢~敦賀間が延伸開業する。延伸開業により北陸本線を走る特急列車の運行体系が再編される。サンダーバード、しらさぎは大阪・名古屋~敦賀間の運行となり、敦賀~金沢間はすべて廃止となる。
シリーズ9回目は3月15日、北陸本線(敦賀~金沢)の最終運行日に大阪ー金沢間を特急サンダーバード33号&50号で惜別乗車した。
泣いても笑ってもこの日で北陸特急街道は63年間の使命を終える。
停車駅の少ないサンダーバード33号
金沢発大阪行き最終列車に乗るべく、まずは大阪からサンダーバード33号で金沢へ向かう。この列車は以前にも乗車した停車駅の少ないサンダーバード号で、新大阪、京都、敦賀、福井、小松に停車する。
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大阪駅を16:42定刻に発車した。大阪駅の時点でほぼ満席、金曜日の夕方である。夕方以降はサンダーバード号が1時間に2本体制となることからも重要の高さが窺える。
京都駅を3分遅れて発車した。
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北陸本線の敦賀ー南今庄間を走行する普通列車が異音確認のため、安全確認を行ったため、北陸本線に遅れが生じているという。幸いにも運行に支障がないとのことだったが、これから先、遅延が見込まれるとの放送があった。この遅れは金沢到着まで解消されることはなかった。思い通りにいかないのも在来線ゆえである。そんな中でも特急サンダーバードは特急列車らしい力強い走りを見せてくれた。その様子を車内から撮影した。
金沢発上りの最終列車・サンダーバード50号
上りのサンダーバード号は50号が最終列車となる。
なお、米原・名古屋行きのしらさぎ号は金沢20:06発が最終列車として先に出発している。
当日は12両編成、サンダーバード33号の折返しとして運転された。
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満席で金沢駅を出発した。
小松、福井、敦賀、京都、高槻、新大阪に停車する。
最終のサンダーバード号は停車駅の少ない列車となる。
大阪行き直通列車の最後の勇姿を見届けるため多くの人が金沢駅のホームに集結した。20:47から少々遅れて発車した。西金沢を通過するとスピードを上げ、130km/h近い速度で加賀笠間駅まで爆速走行した。
小松まで直線とカーブが連続するため、スピードを上げ下げしながら走行する。それでも金沢・小松間は約16分で駆け抜ける。
これから停車する各駅には最後の大阪行きサンダーバード号を見納めする人で賑わっていた。
加賀温泉、芦原温泉を100km/h前後で通過する。
福井を出発すると、鯖江、武生を通過し、北陸トンネルも難なく通過した。敦賀駅の6番ホームへの入線はこの日をもって終了した。北陸トンネルを特急列車でくぐり抜ける最後の機会ともなった。
敦賀から先はこれからも走り続ける区間である。1つ異なるのは敦賀駅の発車ホームが新幹線高架下の専用ホームからとなることである。乗り換えには様々な課題が指摘されるが、スムーズな乗り換えが可能となるよう工夫もなされるようである。
近江塩津から山科までの湖西線区間は安定した高速走行であった。湖西線が雷鳥時代から含めて北陸特急の発展を支えてきた。これからは新幹線へのリレーを果たす使命を負うことになる。
京都には22:59に到着した。ここから先は新快速と同様、高槻、新大阪に停車する。先行の新快速が11分遅れていたため、高槻到着時点で7分の遅れが生じ、大阪には9分遅れの23:37に到着した。金沢からの最終列車は3月15日で無事に運転を終了した。
いつもどおりに、当たり前のように、北陸本線を走った名列車は静かに敦賀ー金沢間の運転に幕を下ろした。特急街道は消えても、人々の中には大切な思い出が一杯詰まっている。
本当によく頑張った。
そして、これからもよろしく頼みます。
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サンダーバード号の新たな役割~新幹線つるぎ号とのリレー~
北陸特急は63年間にわたり多くの乗客を運んできた。3月15日をもって敦賀ー金沢間が廃止となり、サンダーバード、しらさぎ号を除く特急列車は北陸から姿を消した。
サンダーバード、しらさぎ号は新幹線敦賀開業後も継続し、新幹線つるぎ号と接続する役割へと変貌する。
敦賀駅での特急列車と新幹線との乗り継ぎには課題も指摘されているが、新幹線区間の拡大による時間短縮が見込まれる。
サンダーバード号は引き続き湖西線を通り敦賀へと到達するルートは変わらない。
さようならではないが、サンダーバード号が北陸特急として大きな役割を果たしたことは言うまでもない。そんなことを考えながらこの曲を聞くと、いろんな思い出がこみ上げてきた。