放送大学 サプライチェーン・マネジメント(’21)第3回 サプライチェーンにおける製品開発
製品開発における組織論が主。あまりサプライチェーン感はない。
シラバス
シラバス検索 (「2021年度 1学期 」「サプライチェーン」で検索すると出る。直リンページはないらしい)
https://www.wakaba.ouj.ac.jp/kyoumu/syllabus/SC02060200201/initialize.do
放送大学 サプライチェーン・マネジメント(’21)
Supply Chain Management ('21)
主任講師名:松井 美樹(放送大学教授)
概要
製品開発の重要性:
定番商品: 製品ライフサイクルが長い、需要予測が容易、 <=> 競争激しい、利益率が低い
新商品: 製品ライフサイクルが短い、需要予測が難しい、<=> 競争少ない、利益率が高い
製品開発のパフォーマンス
総合商品力: 顧客満足度の度合い... 設計品質(デザイン、機能)+適合品質(信頼性、耐久性)
開発生産性: ニーズ多様化への対応
開発リードタイム: 競争環境の不確実性への対応
プロセス
エンジニアリングチェーン(サプライチェーンの入れ子チェーンの一つ。行きつ戻りつすることがある)
コンセプト創出: 潜在ニーズを発見しコンセプトを確立する。
製品プランニング: コンセプトを技術仕様に変換する。品質機能展開(QFD)
製品エンジニアリング: Design, Build, Testサイクル。
工程エンジニアリング: 量産準備。スケールアップ問題(量産工場で想定通りの品質が出ないこと、例:ビール)
東大、藤本らの研究例: マツダの「人馬一体」コンセプト
開発組織
機能性組織: 専門性を高めやすく重複回避しやすい反面、調整に時間がかかるなど柔軟性にかける。
プロジェクト型組織: 時限的に各機能から人材を集めて横断的組織を作り、プロダクトマネージャー(PM)を置く。スキル・ノウハウの蓄積に難点。
マトリクス型組織: 大企業に多い。上記のいいとこどりを狙うが責任・権限があいまいになりがち。
マネジメント
内部
コンカレントエンジニアリング: 複数フェーズを同時並行で実施(例: 製品エンジ-工程エンジ)。開発リードタイムを短縮するが設計変更の影響が広がりがち。
フロントローディング: 困難が予想されるところを先行して実施するためプロジェクト前半に工数を多く投入する。結果的に期間とトータルの工数を削減。
外部
供給業者と: 部品開発を分担する、部品供給業者のエンジニアを常駐させることもある、Design for Manufacturing (製造しやすいように設計する)
顧客と: アンケート、インタビュー、フォーカスグループ、観察、クラウドソーシング -> ニーズの把握
リーダーシップ:
重量級PM (Heavy Weight Product Manager): プロジェクト管理(内部統合)+コンセプト管理(外部統合、異なる分野の専門用語を話せ、コンセプトの守護者として調整と決定を行う。)
PMには機能部門長レベルの権限が必要。
感想
なかなか製造業で働いていないと触れることのない話も多い気はします。
定番vs新商品の分け方はそんなんでいいんだっけ。対象マーケットの違いなのかと思っていた。
前半のプロセス論はUlrich & Eppinger でも結構な紙面を割いていた印象。
コンカレントエンジニアリングやフロントローディングはソフトウェア開発方法でもしばしば問題になりますね。
藤本先生は自動車関係?では有名な方とお見受けするがちゃんと読んだことはない。
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