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常識を超えて自由へ「イージライダー」解説

日常や常識からの脱出。


「みな自由自由と口にはするが、本当に自由な奴をみるのが怖いんだ」

「君に“自由”を見るんだ。自由を説くことと、自由であることは別だ。アメリカ人は自由を証明するためなら殺人も平気でする。個人の自由についてはいくらでもしゃべるが、自由なやつを見るのは怖いんだ。でも冗談にも、奴らが自由じゃないなんて言っちゃだめだよ。そんなことを言ったら、みんなは人殺しをしてでも自分達が自由だってことを証明しようとするだろう。違う自由がそこに現れると怖くてしょうがないんだ。」

ヘイズコードが撤廃されてからセックス、暴力、悪の勝利が入れられ作られたいわゆるアメリカンニューシネマ。アドリブでの撮影や、光の光源をわざと写したり、焚き火のシーンで本物のマリファナを吸うということは当時は衝撃でした。

社会から外れたものは軽蔑され殺される。当時ハリウッドには入れなかったデニスホッパーやジャックニコルソンら、ハリウッド第二世代が作った「犯罪者たちをヒーローとして描く」反抗の映画だからこそ今の時代も受け継がれています。

ーテーマー

同じ自由という意味でも『freedom』と『liberty』は違う。「liberty」は法律や制約の中での自由。『freedom』は「束縛からの自由」という意味である。イージーライダーは『freedom』である。チョッパーの大型バイクにまたがり、長髪にピッピースタイルの彼らは、まさに自由の象徴だ。

しかし、社会が認める自由とは「liberty」なのだ。法の制約の中での「選択の自由」なのだ。そこに、ピッピーやマリファナは介在しないのだ。よく「俺は自由に生きたいんだ。だからアメリカに行くよ。だって、アメリカは自由の国なんだろ?」なんて言う若者が(今だに)いるが、そんな連中には、ぜひこの映画を観てほしい。

しかし「freedom」を求めなくなれば社会に飼いならされた家畜と成り下がる。しかし、「freedom」を求める生き方というのは楽ではない。「liberty」の中で生きるほうが、何倍も楽だ。だから簡単に自由を求めるとか言っちゃいけない。ロックやパンクや映画はそんな自由を表現して訴える真の自由論者なのだと思う

ーラストー

主人公らが殺された理由は長髪だから。当時のアメリカでは考えられなかった髪型であり同時に自由を象徴してるのだ。自由を説く人は実際に自由な人を見るのが怖いのだ。だから自由な主人公二人は軽蔑され殺されたのだ。

テーマ曲の「ワイルドで行こう」はヘビメタの元祖で名前の由来です。

ちなみに焚き火を囲んで吸ってるマリファナは本物らしい。そしてそこで話してる話は2001年宇宙の旅のテーマだとの事。(宇宙人が地球を見守っているが次の段階に進化するためには戦争を克服しなければいけないというテーマ)

なぜなら脚本を書いたテリーサザーンがキューブリックと仲が良く撮影現場にいたから。

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