海外渡航が苦手なオトナ、カナダに行く│Vancouverで感じたあれこれ
2022年5月。成田空港は閑散としていた。
多くの人が目をキラキラさせて立つこの場所で、私は大きなため息をつく。
なにせ私は「遠方への海外渡航がニガテ」なのである。
理由は3つ。①大変、②不安、③向いてない。
①については、海外旅行好きの皆様も同意する部分があるだろう。海外に渡航するには大金がかかる上、準備からして大変だ。渡航日数を何度も数えて衣服と下着と電源コードを部屋の中からかき集め、スーツケースと持ち物の最大公約数を探すように、頭を捻りながら荷物を詰め込んでいく。移動は一日がかりどころではない。こちとら、数分歩いてスーパーに行くのすら億劫なのに、どうして人はルンルン気分で旅行に行けるのだろうか、全くわからん。
続いて②だが、私はめちゃくちゃ心配性だ。そして、それにも関わらずものすごく忘れ物が多い。手から離れたモノについて0.1秒で忘れることができるから、部屋の中でAppleWatchをなくしたことがある。ちなみに帰国した今は、お土産を他人に渡す前にどこかに落としてくる確率が50%を超えている。渡せる確率のほうが低いってどういうことやねん。
加えて、Podcastでも話したことがあるのだが、見知らぬところに行くと、当然だが見知らぬ環境に適応しなければならない。海外に行くと、気軽にタクシーさえ呼べない、お風呂でお湯の出し方がわからない、最寄りのスーパーも知らない、どのバスに乗ればいいかわからない。こういったことを旅行好きは楽しめるのだろうが、私のように日々何かを落としたり失敗したりすることに怯えながら生きている人間からしてみると、生きているだけでさらにストレスが増えることに気が重くなる。
最後に③だが、仕事も趣味も含めて日常の半分以上が、ディスプレイに向き合って動画や文章を消費しているような人間なので、おでかけする趣味にあまりこれまで興味を持ったことがなかった。美味しいお店に行ったり、近場を観光するのは好きだけど、ある程度のコストや労力を超えると、「景色を見てご当地グルメ食べるだけにそんな大変なことしたくない…家でグーグルマップで確認します…」となってしまうのである。
そんな人間が、カナダにいる叔母の家に数ヶ月滞在することになったのだ。渡航日まではずっと毎日、「いや〜!思い出深い人生の1ページのはじまり!」という日と「まじで全部だるい」という日を繰り返していた。
それでもカナダに行きたい気持ちが耐えなかったのは、自分がフリーランスで場所を選ばず働ける環境にいるうちに、じっくり叔母さんのいるカナダに滞在してみたかったから。それに、学生時代に留学できなかった自分の夢を叶えてあげたかった気持ちもある。
あとはいつも見ている『のがラジオ』で話していた「日本は自分が選んだ国ではない。世界は広く、自分にもっと合っている国があるかもしれないから色んな国で暮らしてみたい」ということにすごく共感したからでもある。
はじめての帰りのチケットを買わずにスタートする一人旅。
帰国した今思うのは、日本以外の国で暮らす経験をしてみて本当によかったということだ。このカナダ旅を記した連続した文章の中では、できる限り忘れたくない日々の出来事を書いていきたい。プライベートな内容も含んだ日記も、クローズドになるが書いていこうと思う。
あらゆる店が閉まっている成田空港を搭乗ゲートまで駆け抜け(マクドナルドしかほぼ空いてなかった)、飛行機の座席に座って、明日からの日々さえ想像できない不安を眠気で打ち消そうとした時、ふと思い出した。
「あれ、今日着てきたレザージャケットどこやったっけ」
一瞬脱いだレザージャケットは、カナダに旅立てないまま成田空港に置き忘れられてしまったようだ。日本に帰国するまでに、これ以上洋服を無くさないか見守っていてほしい(そうじゃない)。
おまけ:バンクーバー日記 0日目:機内にて
行きの飛行機は、Korean Airのインチョン経由便でバンクーバーまで行く。結構混んでいて、隣も前も席は埋まっている状態。
搭乗して最初に驚いたのは機内アナウンスにK-POPスターが出演していること。
確か少し前にANAは歌舞伎を使った機内安全ビデオを出していたことを思い出すと、機内安全ビデオは国を代表するカルチャーを映し出している部分があると感じた。そして、Korean Airでは、K-POPが世界中のお客さんに安全を説明していて、改めて韓国エンタメの現在進行系の発展の力強さに感動するのであった。(※1)
約10時間ほどのフライトをお尻のあらゆる部分を活用して乗り越えている間(ずっと同じ体勢で座ってしびれないように)、鑑賞した映画は『フリーガイ』と『私ときどきレッサーパンダ(Turning Red)』の2作品。
特に『私ときどきレッサーパンダ』は、カナダの大都会・トロントが舞台。様々な国籍の登場人物が出てくるのはまさにカナダならではという感じ。ヲタク女子が奮闘するお話だが、アナ雪とは別の角度から見た "Let it go" の物語のようにも思えて、飛行機の中でびしょびしょに泣きました。隣りに座ってた韓国人の男の子たぶんドン引きしてたと思う。(笑)
長時間フライトで、食事を与えられては眠るを繰り返しをしていると、自分が輸送されている動物だと感じる…(笑)しかし韓国料理は大好きなので、Korean Airの機内食美味しかった!
機内で話される韓国語も少しわかって、推し(BTS)を思い出し、カナダというよりは韓国に思いを馳せる私であった。
※1:後日追記
帰りの飛行機で乗ったJAL(機内安全ビデオではないけど流れてた映像)には、嵐のみなさんが映っていた。嵐が安心の取り組みを一緒に勉強しているスタイルも面白い…。嵐はやっぱり日本を代表するスターなのであった。
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