BGA透明な家具と忘れられない出来事
フレットレスベース奏者の織原良次です。
この記事は私織原良次がライブとは別に活動の基軸として標榜するBGA(Back Ground Ambient)透明な家具について書かせていただきます。
BGA透明な家具とは。
BGA透明な家具とはどんなパフォーマンスなのか?
取扱説明書を作成してみました。
BGA (BackGround Ambient)
透明な家具/Toumei na Kagu
〇BGMではない
楽曲を演奏することはありません。
〇ライブではない
漠然と在る、透明なインテリアのようなものです。
〇盛り上がらない
盛り上がりません。
私、織原の作るBGA(BackGroundAmbientmusic)を背景に、
話をするもよし、
お酒を楽しむもよし、
本を読むもよし、
持ち帰った仕事の続きをするもよし...
ライブでは無く、
無形のインテリアとしての『透明な家具』をお楽しみください。
盛り上がりません。
以上が主な説明になります。
👇詳細
透明な家具の今まで
先日、久しぶりにBGA透明な家具をやらせて頂く機会がありました。
今年から荻窪のベルベットサンの火曜のバータイムで定期的に開催させていただくことになったのです。
都内(祖師ヶ谷大蔵カフェムリウイ)では"1人フェス"と題して透明な家具とソロライブの両輪で1日やる、というイベントを数回やらせていただいたり、
国内ではソロツアーに透明な家具をやらせていただけるところを模索しながら飲食店やバー、床屋、家具屋、果ては地鎮祭など、、、
東京、札幌、京都、大阪、岡山、愛媛、熊本で開催してまいりました。
様々な土地のいろいろな場所でBGAをやらせていただきましたが、その中でも特に好意的に私と透明な家具を受け入れてくれた場所が岡山です。
岡山の人たちは発起した自分以上にこの透明な家具の用途を理解してくださり、東京以外では一番回数を重ねた場所でした。
特に人前でほとんど透明な家具をやっていなかった時に、少しやっただけで食いついてくれた超絶感度のMさんという方のお陰で拡がっていきました。
企画者や店舗の理解、共感に感動させられることも多く、発想初期の生煮えだった透明な家具にしっかり火を通してくれたのです。
特に岡山の名店、城下公会堂にはがっつりお世話になりました。
そして岡山の素晴らしいシンガーソングライターcocuriの作品との縁も続いています。
余談ですが、私は日本で一番の'都会'は岡山だと思っています。
未来都市、とさえ言ってしまうこともあります。
岡山の都市部に限った偏った感想ですが、
街が綺麗で建物が低く、ご飯が美味しく、個人店が多い。
手に届く好きな規模で展開されているイベントや、
こだわりの行き届いたお店が多く見受けられます。
これが東京の未来の姿であったら、と。
巨大であったり、派手ではない、落ち着いた個の感性が光る街にこそ
未来の都会の進む道なのでは、と想いを馳せたりします。
そしてその岡山の中でも最も透明な家具を受け入れてくれたのが小西珈琲さんです。
小西珈琲はミュージシャンでもあるご夫婦の営むお店で、こここそ上記の岡山の素敵さが静かに爆発した場所だと思います。
営業時間まるまるやらせていただきました。
都内にもかつて定期的に透明な家具を開催させていただいていたお店があります。
四谷にあった綜合藝術喫茶茶会記です。
現在は長野県蓼科白樺高原に転居されましたが、四谷時代には25時から29時くらいまで深夜廟という冠で隔月でやらせていただいていました。
ここでの時間も特別なものでした。
深夜ということもあってか、常連になって足を運んで下さる方々は特濃の顔ぶれ…
現在の透明な家具の在り方はここで獲得した要素が多いです。
このときの常連の一人にダンサーの荒悠平さんがいました。
ここでの時間が荒悠平さんとのユニット'floor girl'の始まりです。
floor girlはダンサー荒悠平さんとフレットレスベース奏者織原良次によるユニットで、中野区沼袋の一の湯で産湯を浸かり、新宿ピットインなどで活動しています。
透明な家具、始動初期に共演していた詩人の三角みづ紀の詩です。
彼女の著したこの景色。
この詩を読むと、透明な家具の活動を静かに後押ししてくれているような気がします。
自然にそこに在る、ただ、単に在る、そんなパフォーマンスを目指していきたいと思います。
四谷綜合藝術喫茶茶会記での定期開催のBGA透明な家具はお店とチャージを折半するサロン的な会でした。
他では投げ銭や投げ札、特に飲食店では強制的にならない程度に
このパフォーマンスにお気持ちを、
というような旨を記したものを用意していただいたり、
DJのように固定のギャランティをいただいたり、形は時間や規模によって様々でした。
飲食店やイベントなどでは営業時間中ずっとBG(バックグラウンド)を司ることができます。
今までのパフォーマンス時間の最長は9時間でした。
透明な家具のこれから
上記以外のパフォーマンス以外にも当初から私の模索するところとしては二つ。
①大規模野外フェスのバンド転換のBGA
爆音のBGAです。
イベントを通して継続性を持たせたBGAをやってみたいです。
②世界中のインターナショナルホテルや結婚式のBGA
演奏家が既得しているホテルや結婚式のBGM演奏にBGAとして切り込み浸透させること。
各都市のインターナショナルホテルでBGAを施し、1ヶ月毎に都市を周遊。
長期滞在を活かし、私のライフワークであるジャコ・パストリアスの研究所を書き上げる等の目論見があります。
行きたい場所は
国内主要都市、ラパス、サンパウロ、ブエノスアイレス、ローマ、サンクトペテルブルグ、、ドバイ、フロリダ、ベルリン、ロッテルダム、レイキャヴィーク、ロンドン、トロント、デリー、バンコク、コペンハーゲン、ヘルシンキ、コロンボ、オークランド、メルボルン、台北、西安、成都、杭州、釜山、ラゴス、カイロ、ドゥアラ、ダカール…
興味を持たれた方、
そういった受け皿のありそうな場所をご存知の方、
定期的ではないがこんな場所でやってみたらどうかetc…
ぜひご提案くださいませ。
フレットレスベース奏者織原良次
ryojiorihara@gmail.com
忘れられない出来事
そして、2019年1月。
小西珈琲でBGA透明な家具をしていた時。
とある2人の親子(お母様と娘様)がいらっしいました。
私が透明な家具をやる上で気に入っている点のひとつに、ステージパフォーマンスと休憩のオンオフの境目を作らないことがあります。
一見するとお客さまがお店のお客様なのか、透明な家具に興味があっていらしたのか、ふらりといらっしゃったのか、わからないので、アンビエントを作りながら会話したり、しなかったりします。
そのお陰もあってその母娘とゆっくりお話することができました。
お話を聞くと先日、お父様(旦那様)が急逝されたとのことでした。
お父様はライブに足を運ぶことが趣味だったようで、
お父様の手帳にメモされている未訪のライブ…
つまり、ライブに行くことの叶わなかったライブに母娘で足を運んでいる…と。
その一つが透明な家具@岡山小西珈琲だったそうです。
そのお二人がお父様を心から愛しているのがわかる、かけがえのない時間でした。同時に、突然だった喪失に向き合う方法を模索しているような…
なんとも言葉にできない時間でした。
その娘さまが先日の某SNSでの私の告知に反応してくださいまして、
(自分はそのアカウントがその娘さまのものとは認識していませんでした)
この日、配信をさせていただいていたお陰で…
透明な家具を久しぶりに聴くことができたようです。
しかも、
これは2022年1月25日のできごと。
この上記の小西珈琲での透明な家具が、3年前、2019年の1月26日。
Facebookの思い出機能で浮上してきました。
札幌でアンビエントパフォーマンスをしている兄弟デュオEnnuiの三谷良典くんも透明な家具が今のパフォーマンスの後押しになった、とツイートをしてくれました。
普段会うことができない人たち、できなくなった人たちと繋がっている。
草の根のような自分の活動の芽吹きを感じて勇気づけられました。
またソロツアーや透明な家具ツアーに行きたいなと、改めて感じさせてくれる日となりました。
今後の予定
都内での透明な家具はまず各月。
荻窪ベルベットサンの火曜バータイムに定期的にやらせていただくことになりました。
みなさま、ぜひ足をお運びください。
次回は2022年2月22日(火)です。
(ちなみに、3月も22日(火)の予定です。)
4月以降も継続させていただく予定ですが、5月は長期のツアーのためお休みさせていただきます。
BGA透明な家具。
ぜひお気軽に、足をお運びください。