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若いジブンの「やりたい事」には意味がないカモ。
経営者仲間の方がこんなことをおっしゃってたのを思い出しました。
「人手不足なんよね〜・・・」「デザイナーは充足しているし、応募の問い合わせもある。でも営業メンバーが足りんとよ。人手不足やけど、偏りがあるっちゃん。そっちはどげんね?」
最近の応募者は、やりたいことが明確なのだそうです。やりたくない仕事に配属されたら即退職してしまう。自分自身の人生において自分で考えて退職するかどうかは結論を出さないといけないと思うのですが、他人の意見を真に受けて判断してしてしまっているケースもあるようです。何でも疑問に思ったことは、自分で考えず、すぐグーグル先生聞くという感じでスマホが影響しているのかと思って心配になります。正解がなく、不確実性が高まっている現代において、大丈夫か?この子はと。。。
仕事のうえでのキャリアを考える際、「やりたい仕事をしよう!」「やりたいことを見つけよう!」と聞こえてきます。果たして「やりたいことを仕事にする」=「成功であり幸せ」なのでしょうか。全ての人にとってイコールなのでしょうか。
幼少期に読んだ本やマンガ、テレビ、大人が言っていたことを思い出すと、みんな決まって、夢を持つのは大事と言ってきたり、夢は何か?と聞いてきたりします。その影響も少なからず上記の「やりたいことを仕事にする」ということがあるように思います。
夢=やりたいことなのか。
では、夢のない人は失敗した人?
私の場合ですと、夢は生まれた時から植え付けられた周りからの医者になれというワードです。でも、医者になれなかったのでその夢?は早々に費えました。だからやりたいことはありませんでした。
経営者をしているのは、どーしてもしなければならないという状況と興味が湧いたのでやりました。しかし、次第に使命感が芽生え始めました。周りから頼られるとか、認められることで感じる嬉しいということより、「私がやらなくて誰がやるんだ!」という感じの使命感です。仕事というのは愚直に、そして真摯に向き合えば使命感が生まれるということを実感したのです。
若いジブンの「やりたい事」には意味がないカモ。
若い頃は「やりたい仕事」に理想がプラスされるので強力です。強くこだわってしまうこともあるでしょう。でもその必要はないということ以下の通りに考えてみました。
・若い頃の「やりたい」という気持ちは、実態のない思い込みや想像が多い
・若い頃は自分を正しく知る術がないので、自分を客観的に見れてない
・やりたいことを仕事にできても、その通りには進めない
・ニーズや社会様式の変化でやりたい仕事が無くなったり変質したりする。
・キャリアは複雑な要因だらけが絡まって築かれていくことを指す。
・期待に応えることで、やりたくない仕事が楽しいに変わることがある。
・若い頃のやりたいが10年・20年先も変わらないというケースは珍しい
・時として偶然の出会いは大きく、自分のやりたいことを変える
・やりたくない仕事に、決して無駄にならない機会が含まれている。
私自身、何かをやり切ったと満足できる結果はまだ得られていません。仕事をしていて、辛いこと、苦しいこともたくさんあります。
人生は思い通りになることもあれば、そうでないこともあるでしょう。しかし思い通りにならなかったことが、将来を閉ざすわけではありません。近道早く行くより、寄り道をしたことが、自分の人生に良い影響を与えることもあります。何が何でも今の仕事にしがみつけ、嫌な仕事でも我慢してやれ、というわけではありません。
ただ、今の仕事でなければ経験できないこと、今の自分が人から求められていること、それらを冷静に考えて仕事をすることもまた、大事な経験になるかもしれません。もしかしたらその仕事が、自分の人生を充実させる「天職」の入口かもしれません。
キャリアに悩む人が、「やりたい仕事」の幻想に惑わされず、色々な角度から仕事や人生を考えられるよう、老婆心ながら記事としてまとめてみました。